今回は、櫻家遊山の公演から起こした大正八年の本をベースに、本と全く同じ二十六話でお届け致しました。
ストーリーの骨格は、本の通りにラストは、お富が與三郎を殺してしまう展開で、依田豊前守の裁きで鈴ヶ森で処刑される展開です。
私も迷って、二十六話を独立させましたが、殆どの演者は、お富が與三郎を殺したら、熊十を使って死体遺棄する所へ取方が来て、御用!御用!で、簡単なラストを迎えます。
どーも、この展開が私は嫌いで、ラストの依田豊前守のお白洲から、熊十は生きていた!も、赤馬源左衛門の刀で処刑も、一緒の墓に入るまで、全て創作です。
芝居は、木更津から玄冶店までしかやりませんが。。。是非、NHKの大河ドラマで、お富與三郎をやって欲しい。
あと、『嶋鵆』の方が『浮名横櫛』より、ストーリーがよく出来ています。私は、かなり萬兵衛と久次を後半押して、キャラクターを立てみましたが、本では一瞬光るだけの存在です。
さて、次回は怪談『お岩稲荷利生記』を悟道軒圓玉の公演からの本、大正九年の本からお届け致します。夏は怪談ですよね。