さて、小刻みに66回でお送りした『慶安太平記』でしたが、如何でしたか?講釈て聴くのとは、全く違う世界でしたね。
講釈だと前半の山場が『宇津ノ谷峠』で、後半の軍用金集めでは『鉄誠導人』だと思いますが二つ共に、全く登場しません。
唯一、講釈と一致の見せ場は、紀州公頼宣との対面から、三浦長門守が登場して、由井正雪の紀伊家への士官が、夢と消える場面ぐらいでした。
講釈では、丸橋忠彌、柴田三郎兵衛だけでなく、佐原十兵衛、秦式部、伝達・吉田初右衛門、牧野兵庫とパーソナルエピソードが続くんですが、
この本は由井正雪が登場しない回を、極力作らない構成で展開されるのと、冒頭は子供向けの読物風に始まりながら、徐々に大人が手に汗握る展開にして行く!!
作者の構成の上手さが光る作品だと思いました。アッパレ!ですよ、ラストまで余韻で終わるなんて。
お仕舞い!!