七月から毎月開催の談春独演会の、二回目です。にぎわい座に付いているお客様より、他所から遠征して来られた客が主流の会。

なぜなら?にぎわい座で、並んで買える会じゃないから!!志の輔、談春、そして小三治の三人は、別格でして抽選して、コンビニでの発券になります。

つまり、三人はポイントカードが使えません。にぎわい座も、あの手・この手を考え出します。まさに布目マジック!!


さて、そんな談春独演会、こんな内容でした。



・三軒長屋/上

お仲入り

・三軒長屋/下

・薮入り



1.三軒長屋/上

間違いなく10年前は分けずに、一時間で終わっていた『三軒長屋』が、上だけで一時間になりました。

マクラは、何度か聞いたクレジットカードを初めて作った時の話から始まりました。そのクレジットカードに入る下りは、

この日は、土曜日で談春師匠は、昼・夜二回公演で、昼・夜演目が同じだ!と、本人告知していなかったと勘違いして、

昼・夜チケットを買った人に、払い戻ししようか?と、高座から持ち掛けたんです。その際に、銭はカードで下ろせるから。。。

と、言ってクレジットカードを初めて作って、博打場でオケラになった時、アッ!カード作ったんだと、思もい出して、更に三十万円擦ったと言う博徒あるあるを披露。


そうそう、そんなカードの前に風邪引いて喉の調子が悪いと言い出したんだった。私は微塵も喉の不調は感じなかったが、しんどそうだった。

湯呑の白湯を飲み切って、水を足しに、この後、本編に入った直後に、話を止めて楽屋に下がりましたからね。

弟弟子の談笑師匠だって、水を取りに戻るのは、マクラの最中か一席終わった後だぞ!!と、思った。余程、体調が悪かったと思います。


楽屋で崎陽軒のシュウマイ弁当を食べた話題から、N国党の立花氏の抗議行動について、鋭く分析する談春師。

テレビ局や、マツコデラックス本人ではなく、スポンサーを攻める作戦は、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の極意だと言うのだ。

一番攻められると困る奴、弱い奴を目掛けて攻める立花氏は、流石、亭号に「タチバナ」が付いているだけあって文蔵師匠のような資質があります。

そうそう、談春師匠がシュウマイ弁当の米を褒めていましたが、確かに!あの弁当のライスは冷えているのに、モチモチして絶妙な甘さです。

昔、家に持ち帰りチンして、食べたら、あの飯が冷えてた時に比べてモチモチしないし、無駄に甘いし、崎陽軒は冷に限る!と、私は思った。


特急「あずさ」のトイレからは、崎陽軒のシュウマイ弁当の匂いがする。


そんな都市伝説を語り、臭い繋がりで551の豚まんを新幹線で食べ出す客への不満を語る談春師匠。私は、551は豚まんよりシュウマイだと思います。

ユーミンのコンサートの話を振り、アリーナ席なのに、仮設シート・パイプ椅子に座りっぱなしの談春師匠。

ここでも、シュウマイ弁当を食べたと言うが。。。本当か?、アンコールを蹴って一人帰宅。直後にゲリラ豪雨で新幹線が止まり、談春師匠一人だけ帰宅できた、少し自慢話をしてから『三軒長屋』へ。


マクラを抜いて一時間近かった。落語の態はかろうじて保たれているが、演者当人の気分で蛇足がどんどん積まれて来る。

特に、獅子舞のくだりは、スイッチが入っていましたねぇ。政五郎の子分の喧嘩までて、一時間を超えて、後半へと続く。




2.三軒長屋/下

政五郎が品川の遊郭から帰ったところから、後半は始まります。ちょっと、談春師匠のらしい演出なのは、

伊勢寛の妾、この妾の家の女中さんの憂さ晴らしから、事件が展開し始める演出です。いいキャラしています、田舎娘のデブな女中さん。

後半は30分弱で、政五郎と剣術の先生、そして、伊勢寛とキャラがキッチリハマって、いいリズムで下げまで展開しました。



3.薮入り

この会は二時間の会なのか?二時間半なのか?主催者に聞いても、「談春さんのお好きなようにと言われる!」

と、言いながら、不本意そうなフリをして、我が道を行く談春師匠らしいマクラが炸裂した。


落語中興の祖、三遊亭圓朝は、大いに傾倒していた山岡鉄舟に、晩年はある意味、利用されていたような面もあると、

圓朝が、なぜ、『塩原多助』のような道徳的な立志伝中の噺を拵えたのか?そんな事を語る談春さんを見ていて、

先月末に、菊志ん師匠が似たような話をされていたのを思い出し、第四回の『業平文治』を、この会が抽選に当たり、キャンセルしたのを思い出した。


ここから、ネズミの懸賞の話、日本にもペストが上陸し下関で水際の攻防があり、何とか欧州で流行したような惨事にはならなかった。

更にココから、江戸時代から明治の中頃までは、小僧として子供を親は、お店に預けて育てるのが、全く不思議では無かった時代の話を振る談春さん。

ここで、10年無報酬プラス一年のお礼奉公。休みだって年に二日、一月と八月の十五日・薮入りだけだった。


ここから、落語家の修行と、この時代の丁稚奉公を重ねて語り出します。お店に奉公なら、まだ、集団生活だから逃げ場が、多少はありますが、

職人に奉公した小僧は、本当に逃げ場のない地獄で、奴隷のようにコキ使われるんですよね。正に、噺家の修行はそれなんだと、談春師匠はいいます。

しかし、そんな制度は放置はされません、鎖国が解かれ維新になり、外国との外交が進むにつれて、丁稚奉公は表の社会のルールとして、禁じられます。


児童福祉法


この辺りから、談春スイッチが入り、赤めだか的な談志の弟子時代の、師匠と価値観を共有する事が修行なんだ論へと、マクラが迷走!!

書きたいけど、書けない内容なんで、自粛しますが、キーワードは、『サイドミラー』でした。

そして、ほんのちょっとだけ、志らくさんをdisりましたが、実名は言わず、「師匠は、理不尽は言わずに、俳句を詠んでた方がいいのかなぁ〜」と、呟きました。


さて、本編の『薮入り』私は、もしかしたら、談春師匠では、初めてかも?、熊五郎が、あくまでも中心。いい味出していました。

そうそう、ネズミの懸賞の当たりって、捕まえて交番に届けたネズミ自身から、ペストが出る出ないで、当たりハズレが決まったんですね、初めて知りました。

私は、兎に角、ネズミ狩りさせる為に、富くじ的な懸賞を付けたと思っていた。意外と合理的なシステムだったんですね。



さて、次回、にぎわい座での談春独演会は、9月24日の火曜日です。