昨日は休みの土曜日で、ゆっくり寝て遅めの起床。10時過ぎに風呂に入って11時にブランチしながら、昨日聞いた「新作ハイカラ通り」の記事をココAmebaに書いて、12時頃にはアップしました。
ゆっくり準備して、それでも16時には、日本橋亭に到着できるように向かいました。と言うのも、雨だから椅子席に座りたくて。
まだ、誰も来ていない会場に着いて、ちょうど前の会の人達が、楽屋から去るところで、それでも、16時を少し過ぎると、人形町。の「のれんの会」が跳ねたお客様が流れて来ました。
そんな梅雨の空の中で開催された、「小満んの会」こんな内容でした。
・子ほめ…やまびこ
・成田小僧…小満ん
・縮み上がり…小満ん
お仲入り
・中村仲蔵…小満ん
1.子ほめ/やまびこ
いやぁ〜、前座の『子ほめ』で、初めて大爆笑しました。枝雀さんとかでは、あるけど。やまびこさん天才です。
竹さん「赤いから赤ん坊って言うんだ!」
八五郎「赤いから赤ん坊かぁ、そんなら虹色だと、レインボー(レイン坊)か?」
これは、受けました。白鳥師匠が、「落語の仮面」の中で、いみじくも『子ほめ』に、現代の風を吹かせるくすぐりを、
上手に混ぜて受ける『子ほめ』にしないと、落語の未来はない!と、三遊亭月影先生に言わせる科白がありますが、まさに、やまびこさんは、白鳥師匠の考えに共鳴するくすぐりを発射させました。
2.成田小僧/小満ん
初代三遊亭圓遊の作品で、速記はいくつか残っているけど、明治は遠くなりにけりの令和元年。
小満ん師匠のアレンジで、明治の笑いを令和に蘇らせる落語でした。ここで、前座のやまびこさんを弄りました。
小満ん師匠も「レインボー」は気に入ったみたいで、偶然だろうけど、この虹色のくすぐりを入れたやまびこさんは実に偉い!
さて、本編の『成田小僧』私は二回目です。親旦那が、28日の成田詣の代参を、息子の若旦那に任せて、小僧の長吉にお伴を申付けるのだが。。。
途中の親旦那夫婦の会話が秀逸です。所謂、夢オチに最後はなり、夢=悪夢は、五臓の疲れから来るものと言う迷信を知らないと、オチが理解できないと思いますが、
小満ん師匠のファンだから、『鼠穴』や『宮戸川』にみるような、マクラでの五臓の疲れと夢の関係を説明しなくても、ちゃんと下げが成立していました。
3.縮み上がり/小満ん
初めて聴く噺だったと思います。日蓮宗、法華を題材にした噺ですが、『堀の内』や『おせつ徳三郎』、そして『鰍沢』とは、一味違う法華落語でした。
まず、何妙法蓮華!何妙法蓮華!のお題目のリズム・節に乗せて、漫才のような笑いが展開されるのです。
アレ?何処かで、聴いた事があるようなぁ?!よーく耳を澄ますと、談志・圓鏡のラジオ/歌謡合戦みたいなぁ、あの感じが落語に溶け込んでいました。
ナンセンス以外の何モノでもなく、一目惚れの花魁を求めて、内藤新宿が揺れる噺なんですよね。吉原でも、品川でもなく、千住・板橋でもなく、内藤新宿!ってのがいい。
そうそう、内藤新宿に実在した女郎屋を新宿二丁目で探した小満ん師匠の実話が、面白くて、素晴らしい展開でした。
ただし、新潟県の名産品、小千谷縮を知らない人は付いて行けない下げですけどね。
4.中村仲蔵/小満ん
いやはや、この日の小満ん師匠の声、喉の状態は絶好調でした。一席目、そして二席目も、近年になく張りの在る切れっ切れの声で、素晴らしい状態だったんですが、
この日の『中村仲蔵』は、今年聴いた私の落語の中でも、ベストワンでした。小満ん師匠の記憶を紡ぐ時間が短く、澱み無く、淡々とト書き語りが流れました。
しっかり時計を見ていませんが、約40分で下げまで行ける寄席サイズでした。
例えば松之丞くんが、それが出来るのは当たり前だのLAドジャースですが、祖父と孫くらい年齢の離れた小満ん師匠に見せられると、鳥肌実です。
五段目の描写の細やかさ、竹本や三味線の節まで細かく再現し、科白を嵌め込む間合いの良さには感動します。
松之丞くんの『仲蔵』を観て、芝居の五段目が観たくなる事はあっても、小満ん師匠のように、芝居を観る手間が省けた!得をした!とはなかなか、思えません。
今日の小満ん師匠の声を聞くと、まだまだ、五年やそこらは安泰だ!と、思っていまいました。年明けから、暫く調子が悪く心配しましたが、水曜日の小三治さんのそれとは違いました。
良かった!今日は小満ん師匠を聞いて。次は、九月十三日の金曜日!ジェイソンが現れるのか?!