今月も、前売りを購入していたので、JAL名人会行って来ました。
次回分を販売してくれるので、行き出すと毎回通うようになります。
そんな三月のJAL機内放送用の収録会、JAL名人会は、このような内容でした。
・藪医者 … 市坊
・平林 … 柳亭芝楽
・厩火事 … 古今亭菊志ん
・提灯屋 … 柳家一九
お仲入り
・漫談 … カリオカ超特Q
・座席無き戦い … 三遊亭白鳥
1.藪医者/市坊
相変わらず、謎の前座が開口一番です。
誰の弟子なのか?名前は?プロフィールは一切秘密で、漱石の『吾輩は猫である』みたいに名前はまだ無い?!
次回分を販売してくれるので、行き出すと毎回通うようになります。
そんな三月のJAL機内放送用の収録会、JAL名人会は、このような内容でした。
・藪医者 … 市坊
・平林 … 柳亭芝楽
・厩火事 … 古今亭菊志ん
・提灯屋 … 柳家一九
お仲入り
・漫談 … カリオカ超特Q
・座席無き戦い … 三遊亭白鳥
1.藪医者/市坊
相変わらず、謎の前座が開口一番です。
誰の弟子なのか?名前は?プロフィールは一切秘密で、漱石の『吾輩は猫である』みたいに名前はまだ無い?!
(後に、Twitterからの情報で、市坊さんと分かる)
そして、『藪医者』という、ややトリッキーなネタを始める。この後に登場する四人の先輩と、ネタが付かない選択なのか?
まずまず、喋り自身は悪くはないが、笑いがそんなに多く無いこのネタを選んだのか?同じ医者のネタなら、『犬の目』や『転失気』もあったろうに。
サゲも、三河屋さんが「溜まったツケを払って下さい!」ではなく、「今月分を払って下さい!」だった。これではパンチが弱い。
2.平林/芝楽
柳亭芝楽師匠、以前は春風亭昇七さんといいました。柳昇門下で、師匠の柳昇師匠が亡くなったので、桃太郎一門へ。
昔昔亭時代の名前は忘れました。大震災後に、芝楽を名乗るようになったのですが、何故か?三笑亭ではなく、柳亭芝楽。不思議だやぁ~と思ったからよく覚えています。
大道芸人から咄家になった元祖変わり種の師匠ですね。バルーンの芸とか、バナナの叩き売りとかしていたかたです。
さて、根多は『平林』。前座がもう一人出てきたような感じになり、ここから客席は、先の前座さんよりは解れて暖まりましたが…
一応さぁ、「名人会」ですよ、JALが冠だけど。真打が登場して、何の捻りもなく、12~13分『平林』って有り?!寄席ならまだしも…
3.厩火事/菊志ん
私にとっては、お馴染みの菊志ん師匠。冒頭は、可愛い女性と言ってお得意のアヒル口を披露しました。鉄板ですね、一気に笑いが花咲ました。
一方で仕切り屋で気が強い女性は苦手だと言って、この『厩火事』の主人公のお崎さんを連想させる気の強い女を演じてから、本編へ。
まず、菊志んさんのお崎さん、私のイメージよりやや可愛い過ぎな印象です。また、声の感じもやや若い。『宮戸川』のお花みたいに聴こえました。
さて、この噺、殆ど皆さん、ストーリーは同じです。唐土の孔子の白馬の故事と、一方、日本の陶器が趣味のさるお大尽の話で、ヒモ体質の旦那を試す噺です。
ただ、一点違うのは、お崎さんが駆け込んで来た仲人の兄貴分の旦那が、お前がそんなに別れたいと言うから話すけど…と、お崎さんの旦那の悪口を言う場面。
ここが、人によって少し違います。まず、大多数の咄家は、お崎の旦那が刺身で酒を飲んでいます。しかし、音源を含めて私が聴いた中では、先代馬生と五代目圓楽の『厩火事』では、牛鍋を食べているんですよ。
そして、菊志ん師匠のも、久しぶりに聴く牛鍋を突っついたいました。因みに、志ん朝師匠のは、この場面の描写は無く、別れろ!別れろ!三方丸く収まる!と、言うだけです。
そうそう、馬生直系なのに、白酒・馬石の二人は刺身です。雲さんも刺身ですよね?不思議なんですよ、古今亭や金原亭で、統一感はありません。
4.提灯屋/一九
久しぶりの一九師匠でした。小満ん師匠のお弟子さんですが、年に一度聴くか?って感じです。それにしても、なぜ、この噺になったのか?
笑いが元々少ない噺で、しかも、JAL名人会のお客様は、この噺を初めてって方ばかり。あの判じ物の連想ゲームみたいな笑いに付いて来れませんよ、寄席でも厳しいのに。
5.漫談/カリオカ超特Q
仲入り後、客席の笑いたい!!って空気を上手く味方に付けて、ハゲキッスで掴みはオッケーのカリオカさん。
「カリオカ超特Q」は、カナ、漢字、アルファベットだから、「シャ乱Q」に通じるネーミングなんですよぉー!!も、新鮮に受けていました。
更に、畳み掛けるように、レスラーのモノマネへ。十八番のドラゴン藤浪と、天龍源一郎のモノマネで完全に客席のハートを鷲掴みでした。
自身のお子さんが、まだ、幼稚園児で、その子を通してのミッフィちゃんの動物園の話は、凄く笑えました。
あと、JALの機内では、絶対に伝わらない、自身のハゲを弄るカツラのネタをやるんですよね。あれは、機内で聞いても意味不明の笑いの連続だよなぁ~。
初めて知ったんですが、カリオカ超特Qさんって、シティー・ボーイズの大竹まことさんの弟子なんですね。って事は、阿佐ヶ谷姉妹と同じ事務所?!
6.座席無き戦い/三遊亭白鳥
いいですね。開口一番、誰も名人が出ないJAL名人会!!と、自虐から入る白鳥師匠。
客席の空気を自分色に、最初の三分くらいで掴んでおいてから、たい平師匠の代バネを年末鈴本、平日夜席でトリを努めた、鉄板のマクラへと入りました。
白鳥ファンには、耳にタコのやや盛られた実話でして、この日の現場では物凄く受けておりました。
更に、本編の伏線となる、アメ横の話も入念に、かつ、たっぷり振ってから『座席なき戦い』へ。
ネタバレしない様に書きますが、私は、この噺を三年半ぶりに聞きました。2014年のネタ卸しで聞いてから、今回で4回目でしたね。
『千葉棒鱈』と言う噺と、同じ時期に完全した噺で、白鳥師匠の実体験、実録シリーズ。白鳥らくごのエッセンスがぎっしり詰まった一席です。
主人公は、営業のサラリーマン、それにモンスター級の東京下町オバちゃん二人が容赦なく座席を奪いにやって来る噺です。
白鳥師匠が、実に上手いのは、トリオのコントを観ているかのような錯覚を覚える。そんなサラリーマンとオバちゃん二人の掛け合い・バトルなんです。
四年前に見た時より、科白も洗練されているし、ギャグの出し処と、タメ・間が実に上手く調整されていて、
計算と言うよりは、場数から生まれる条件反射、なんだと思うのですが、客席の反応に合わせアジャストできる技術が、憎い!素晴らしい!と思いました。
JALさん!是非、白鳥師匠をもう一度呼んで、あの『最後のフライト』、飛行機が墜落しそうになる、小沢一郎代議士をオマージュした新作落語を、機内放送で流して欲しいです。
次回は、四月二十四日、圓丈師匠がトリでの会です。
そして、『藪医者』という、ややトリッキーなネタを始める。この後に登場する四人の先輩と、ネタが付かない選択なのか?
まずまず、喋り自身は悪くはないが、笑いがそんなに多く無いこのネタを選んだのか?同じ医者のネタなら、『犬の目』や『転失気』もあったろうに。
サゲも、三河屋さんが「溜まったツケを払って下さい!」ではなく、「今月分を払って下さい!」だった。これではパンチが弱い。
2.平林/芝楽
柳亭芝楽師匠、以前は春風亭昇七さんといいました。柳昇門下で、師匠の柳昇師匠が亡くなったので、桃太郎一門へ。
昔昔亭時代の名前は忘れました。大震災後に、芝楽を名乗るようになったのですが、何故か?三笑亭ではなく、柳亭芝楽。不思議だやぁ~と思ったからよく覚えています。
大道芸人から咄家になった元祖変わり種の師匠ですね。バルーンの芸とか、バナナの叩き売りとかしていたかたです。
さて、根多は『平林』。前座がもう一人出てきたような感じになり、ここから客席は、先の前座さんよりは解れて暖まりましたが…
一応さぁ、「名人会」ですよ、JALが冠だけど。真打が登場して、何の捻りもなく、12~13分『平林』って有り?!寄席ならまだしも…
3.厩火事/菊志ん
私にとっては、お馴染みの菊志ん師匠。冒頭は、可愛い女性と言ってお得意のアヒル口を披露しました。鉄板ですね、一気に笑いが花咲ました。
一方で仕切り屋で気が強い女性は苦手だと言って、この『厩火事』の主人公のお崎さんを連想させる気の強い女を演じてから、本編へ。
まず、菊志んさんのお崎さん、私のイメージよりやや可愛い過ぎな印象です。また、声の感じもやや若い。『宮戸川』のお花みたいに聴こえました。
さて、この噺、殆ど皆さん、ストーリーは同じです。唐土の孔子の白馬の故事と、一方、日本の陶器が趣味のさるお大尽の話で、ヒモ体質の旦那を試す噺です。
ただ、一点違うのは、お崎さんが駆け込んで来た仲人の兄貴分の旦那が、お前がそんなに別れたいと言うから話すけど…と、お崎さんの旦那の悪口を言う場面。
ここが、人によって少し違います。まず、大多数の咄家は、お崎の旦那が刺身で酒を飲んでいます。しかし、音源を含めて私が聴いた中では、先代馬生と五代目圓楽の『厩火事』では、牛鍋を食べているんですよ。
そして、菊志ん師匠のも、久しぶりに聴く牛鍋を突っついたいました。因みに、志ん朝師匠のは、この場面の描写は無く、別れろ!別れろ!三方丸く収まる!と、言うだけです。
そうそう、馬生直系なのに、白酒・馬石の二人は刺身です。雲さんも刺身ですよね?不思議なんですよ、古今亭や金原亭で、統一感はありません。
4.提灯屋/一九
久しぶりの一九師匠でした。小満ん師匠のお弟子さんですが、年に一度聴くか?って感じです。それにしても、なぜ、この噺になったのか?
笑いが元々少ない噺で、しかも、JAL名人会のお客様は、この噺を初めてって方ばかり。あの判じ物の連想ゲームみたいな笑いに付いて来れませんよ、寄席でも厳しいのに。
5.漫談/カリオカ超特Q
仲入り後、客席の笑いたい!!って空気を上手く味方に付けて、ハゲキッスで掴みはオッケーのカリオカさん。
「カリオカ超特Q」は、カナ、漢字、アルファベットだから、「シャ乱Q」に通じるネーミングなんですよぉー!!も、新鮮に受けていました。
更に、畳み掛けるように、レスラーのモノマネへ。十八番のドラゴン藤浪と、天龍源一郎のモノマネで完全に客席のハートを鷲掴みでした。
自身のお子さんが、まだ、幼稚園児で、その子を通してのミッフィちゃんの動物園の話は、凄く笑えました。
あと、JALの機内では、絶対に伝わらない、自身のハゲを弄るカツラのネタをやるんですよね。あれは、機内で聞いても意味不明の笑いの連続だよなぁ~。
初めて知ったんですが、カリオカ超特Qさんって、シティー・ボーイズの大竹まことさんの弟子なんですね。って事は、阿佐ヶ谷姉妹と同じ事務所?!
6.座席無き戦い/三遊亭白鳥
いいですね。開口一番、誰も名人が出ないJAL名人会!!と、自虐から入る白鳥師匠。
客席の空気を自分色に、最初の三分くらいで掴んでおいてから、たい平師匠の代バネを年末鈴本、平日夜席でトリを努めた、鉄板のマクラへと入りました。
白鳥ファンには、耳にタコのやや盛られた実話でして、この日の現場では物凄く受けておりました。
更に、本編の伏線となる、アメ横の話も入念に、かつ、たっぷり振ってから『座席なき戦い』へ。
ネタバレしない様に書きますが、私は、この噺を三年半ぶりに聞きました。2014年のネタ卸しで聞いてから、今回で4回目でしたね。
『千葉棒鱈』と言う噺と、同じ時期に完全した噺で、白鳥師匠の実体験、実録シリーズ。白鳥らくごのエッセンスがぎっしり詰まった一席です。
主人公は、営業のサラリーマン、それにモンスター級の東京下町オバちゃん二人が容赦なく座席を奪いにやって来る噺です。
白鳥師匠が、実に上手いのは、トリオのコントを観ているかのような錯覚を覚える。そんなサラリーマンとオバちゃん二人の掛け合い・バトルなんです。
四年前に見た時より、科白も洗練されているし、ギャグの出し処と、タメ・間が実に上手く調整されていて、
計算と言うよりは、場数から生まれる条件反射、なんだと思うのですが、客席の反応に合わせアジャストできる技術が、憎い!素晴らしい!と思いました。
JALさん!是非、白鳥師匠をもう一度呼んで、あの『最後のフライト』、飛行機が墜落しそうになる、小沢一郎代議士をオマージュした新作落語を、機内放送で流して欲しいです。
次回は、四月二十四日、圓丈師匠がトリでの会です。