32ヒストリー | MARS OFFICIAL BLOG

MARS OFFICIAL BLOG

ソルトルアー、主にソフトベイトを中心に展開するソルトウォータールアーブランドの公式ブログになります。
商品情報や釣果情報などの様々な情報を発信していきます。

こんにちは、スタッフKTです。

 

新製品について書こうと思いましたが、発売までまだ日数がありますので、あえてネタを温存して、ちょっと現在の製品について書いてみたいと思います。

 

今回は、MARSのフラッグシップモデルでもある、

 

R-32 *通称:サンニー 

 

発売開始が2004年と10年以上昔になりますが、。当時はソルト用のワームというのはあまり種類もなく、シーバス専用モデルというのはほぼ皆無でしたので、シーバス専用ワームというカテゴリーでいえば、このサンニーが元祖になるのではないでしょうか。今となっては各メーカーからシーバス用と謳ったワームが数多くリリースされてますが、まだまだ現役!バリバリ活躍してくれるでしょう。

 

ここで今さら使い方的な事を書いても面白くないし、皆さん十分に色々な使い方で結果を出していると思いますので、見方を変えて、ヒストリーというかちょっと開発当時の頃からの話を書いてみたいと思います。

 

いつの日か、小沼プロから、「こんなワームを作ってほしい」と依頼をいただき、、最初聞いた時は、「ダーティング用かな?」というのが頭によぎりました、その頃は某バスワームを使って、岸壁にバーチカルに落してダートさせて巻いてくるダーティングというメソッドがあったので、てっきりそれ用かと勘違いしてました。よくよく話を聞くと全く逆の釣りでしたが(笑)そして開発がスタートし、最初のプロトを小沼プロに渡して実釣テストしてもらうと、いきなりの爆!岸壁の際に落して巻き上げてくるだけでイレグイとの報告を受けました。それからも色々と試行錯誤して、リブのピッチを変えたりと硬さを変えたりとましたが、結局最初のプロトが採用されました。何か新しい突出したモノが生まれるのは、そんなものかも知れません。サイズ感、マテリアルの硬さ、リブの波動、フラット面の存在によるレンジキープ力、動き過ぎない三角断面ショートピーンテール、これら融合で、静のワームR-32が誕生しました。

 

ただ、これだけでは完成の領域には到達できませんでした。シーバスワームに不可欠なジグヘッドの存在。それが当時はバス用で少しだけ市場に流通していたジグヘッド、カルティバドーターヘッドでした。今となっては普通の先端の尖った三角円錐の形状、この水流を流す形状のジグヘッドが不可欠でした。無防備なスーッと動くベイトを演出するには、よくある丸型のジグヘッドでは水を受けすぎて直進安定性が不安定でイマイチだったのです。そのドーターヘッドはその後、ソルト用にバージョンがかわった静ヘッドとなりましたが、個人的にはバランスが変わってしまってイマイチな感じが否めなかったですけど。。。

 

そして、満を持して発売となったわけですが、発売直後は雑誌など小沼プロの記事に掲載されたりもしてましたので、それなりに売れましたが、すぐに売れなくなりました(笑)当時はワームでシーバスを釣るなんてセコイ!的な風潮もありましたし、投げて巻くだけの単純な釣り方ですが、リップのあるミノーなどと違い、自動でレンジをキープすることができないので、そのへんの難しさもあったり、巻いていてもノー感じなので、確信が無いとなかなかやり続けれない、といった事もあったのかもしれません。小沼プロはメバリングにも傾倒していましたので、その経験値があり、抵抗なく使えていたのかなと思います。あと、スケーティングやワインドなどダート系な動のワームが流行り初めていた背景もあったのではないでしょうか。

 

そうして、ワゴン行き寸前の2年ほど経った頃に、とあるDVDがソルティーさんから発売されました。

 

小沼正弥 最強【日中】シーバッシング 

日中のシーバスゲーム自体は以前よりありましたが、ほんの一部のアングラーのみがやってるだけで、まだまだ浸透していなかったですが、このDVDが発売された頃から急速にシーバスデイゲームが盛んになったのではないでしょうか。そして、この映像の中でのサンニーの爆釣劇が一気にサンニー人気に火を付けました。伝説のシーバスとのキャッチボールも収録しています。同じ頃、関西の某釣り番組でも爆釣劇が展開されたようで、放映次の日には小売店さんからガンガンTELがかかってきた記憶があります(笑) このように、シーバスデイゲームの隆盛、さらにソリッドティップを搭載したシーバスロッドの台頭により、サンニーをはじめとするジグヘッドワームでのシーバスゲームが確立したと思います。

 

そして、サンニーは店頭から消え去り、ハンドポワード製法ゆえ大量生産も出来ないので(商売的にはここでマシンインジェクションに切り替えればよかったかもしれないですが、マテリアルの質感がかわると嫌なので頑なにハンポワで作り続けました。今もですが)、一気にレア商品になり、特に一番人気のあった【オヌマシャイナー*上の画像のカラー】は、店頭販売で個数制限がかっかっているところもありました。そんなワームって今まで無かったんちゃいますかね。。。ちなみに、オヌマシャイナーというカラー、バス用でいうナチュラルプロブルーにシルバーラメを入れただけなのですが、このカラーをシーバスに導入した小沼プロはさすがですね。そうして2~3年が経ち、数十万パックぐらい売れると、さすがにあらゆるアングラーがあらゆる場所でサンニーを投げ続けるので、学習能力の高いシーバスはサンニーに対してスレて、当時ほどの爆発的な釣果はなかなかでなくなりました。それからいくつかサンニーの派生モデルを作り発売していきました。このへんはおいおい気が向いたらまた書きます。多分(笑)

 

ここで、ちょっと以下の写真をご覧下さい。

 

 

今さら感は否めないですが、サンニー発売当初から一番質問の多かったジグヘッドの刺す方向です。平らな面が上ですよ~。最近はダート用で平らな面を下にするワームなどもありますが、サンニーは平らな面が上です。下にしても釣れない事も無いでしょうが、レンジキープしにくいのと、ちょっと動きすぎてしまいます。ちなみに、下にセッティングしてもほとんどダートはしませんので。

 

ちょっと話はそれましたが、2004年の発売から今年で12年が経ち現在に至るわけですが、今はいろんなシーバスワームが発売していますので、サンニーはお蔵入りになってるアングラーもいると思いますが、最近、関東の某沖堤(小沼プロがクソ堤防と揶揄するほどの釣れない堤防、サンニー始まりの地でもあります)でのテクトロで再び釣れ出してるとの話も聞きますので、ちょっと試しに投げてみてはいかがでしょうか?温故知新、古きを知り新しきを知るではないですが。シーバスもそろそろサンニーの記憶が薄れてるかもしれませんよ(笑)とはいっても、スレを差し引けば、シーバスの本能に訴えかけるモノがサンニーには備わっていますので普通に釣れてくれるでしょう。有難いことに、今でも特別なプロモーションも無く定番として売れ続けているということとは、釣れるルアーの証でもありますので。

 

最後に、余談ですが、SNS等でシーバスアングラーがシーバスではなくガシラなどで使っている写真などを見かけたりしますが、在庫処分的な感じが漂っていたりして、ちょっと寂しくなりますので、たまにはシーバスに使ってあげて下さいね。。。(全部がそうではないですよ)

まぁ、シーバス以外に根魚などもよく釣れるので仕方がないですが(笑)