地上では、熱狂的なブームがまるで過去のことのように感じられるハンドスピナー。

今ではその流行もすっかり影を潜めています。

 

では、地球を離れ、重力が極めて小さい宇宙ステーションでハンドスピナーを回すと、

一体どのような動きを見せるのでしょうか?

 

宇宙空間でのハンドスピナー

先日、宇宙飛行士のランドルフ・ブレスニークさんが、その疑問に答える実験を行いました。

彼が に投稿した動画を見ると、ハンドスピナーを回しながら、自身もくるくると回転するお茶目な様子が映し出されています。ブレスニークさんは、宇宙空間で回転するハンドスピナーについて、次のように説明。

 

 

「宇宙空間でハンドスピナーを浮かせて回すと、中心の回転軸と外側のアーム部分の回転速度が均一になり、ベアリングの摩擦が減少するんだ。その結果、ハンドスピナー全体がまるで一つの塊のように一体化して回転するんだよ。」

 

なるほど、言われてみれば納得です。

 

重力がほとんどない宇宙空間では、ハンドスピナーは永遠に回り続けるのではないかと思ってしまいますが、それでもベアリングの摩擦が完全になくなるわけではないのですね。

 

アームに付けられた重りが遠心力を生み出し、回転を助けるハンドスピナーですが、地上ではその重りが逆に摩擦を生み、回転軸に負荷をかける原因にもなっていたとは。。。

 

 

 

宇宙空間では、地球とは異なる環境下で様々な生理現象が起こります。

その一つが「おなら」です。宇宙でおならをすると、気体は宇宙船内に放出され、無重力状態のため拡散していきます。

 

本記事では、宇宙でおならをするとどうなるのか、排泄物処理はどうなっているのか、宇宙飛行士の体験談も交えながら、宇宙での生理現象について詳しく解説していきます。

 

宇宙でおならをするとどうなる?

宇宙飛行士の証言によると、宇宙食の影響で消化不良を起こしやすく、おならが発生しやすい状況もあるようです。

また、閉鎖された空間でのストレスも影響していると考えられます。

 

宇宙船内では、空気清浄システムが稼働していますが、匂いを完全に除去することは困難です。そのため、おならをした際は、換気機能のあるトイレに移動することが推奨されています。

 

理論的には、おならの放出によって推進力を得ることも可能ですが、実際には微々たるものです。宇宙空間では、ほんのわずかな力でも物体を動かすことができますが、おならによる推進力は小さく、実用的な効果は期待できません。

宇宙での排泄物処理

宇宙での排泄物処理は、地球とは大きく異なります。

スペースシャトルでは、排泄物を圧縮して地球に持ち帰ります。

国際宇宙ステーション(ISS)では、排泄物を専用の袋に密封し、補給船に積み込んで地球に送り返します。

補給船は大気圏再突入時に燃え尽きるため、排泄物も一緒に焼却されます。

 

宇宙飛行は、地球では経験できない貴重な体験です。

宇宙飛行士たちは、宇宙の美しさや地球の尊さを実感し、多くの発見を持ち帰ります。

しかし、宇宙での生活は、様々な制約や困難を伴います。排泄物処理や匂い対策など、快適な宇宙生活を送るためには、様々な工夫や技術が必要とされています。

 

 

数年前、「フェルミのパラドックス」に関する最新の研究結果が公表されました。その結論とは、

 

「観測可能な宇宙において、人類が唯一の知的生命体である確率は39%から85%である」

 

というものでした。つまり、私たち人類は、宇宙で孤独である可能性が非常に高いというのです。

「フェルミのパラドックス」とは?

夜空を見上げ、無数の星々が輝く光景に心を奪われたことはありますか?

その美しさに魅了される一方で、

 

「宇宙には他に生命は存在するのだろうか?」

 

という疑問が頭をよぎることも少なくないでしょう。

 

「宇宙は広大だ。一体どれほどの星が存在するのだろう?そして、地球外生命体はどこにいるのだろう?これほど広大な宇宙なのだから、高度な技術を持つ生命体がいても不思議ではない。しかし、なぜ私たちは彼らと出会わないのだろう?」

 

 

この疑問こそが、「フェルミのパラドックス」と呼ばれる、人類にとって最も重要な謎の一つなのです。

宇宙には地球外文明が存在する可能性が高いにもかかわらず、なぜ私たちは彼らと接触できないのか。

 

このパラドックスは、エンリコ・フェルミ自身を含む多くの人々を悩ませ、様々な仮説が提唱されては否定されてきました。現在では、いくつかの有力な解釈に落ち着きつつあるようです。

 

 

有力な解釈の例

パターン1:知的生命体は存在するが…

  • 距離が遠すぎる

  • 人類にはまだ観測・感知できない

  • 意図的に人類から隠れている

  • 地球への到達に必要な資源が不足している

  • 何も発信せず「聞く」ことに徹している

  • 仮想現実などに没頭している

パターン2:知的生命体は存在しない。なぜなら…

  • 文明が十分に発達していない

  • 何らかの理由で滅亡してしまう

  • 地球のような環境は極めて稀である

  • この世界はシミュレーションである

これらの解釈は、どれも興味深いものばかりです。

しかし、正直なところ、私はこれまでの「まだ分からない」という状況に満足していました。

知的生命体が存在すれば、それに対処しなければならないし、存在しなければ、それはそれで不安を感じるからです。

知的生命体は存在しない可能性が高い…

今回の研究結果を発表したオックスフォード大学の論文では、従来から使用されてきた「ドレイクの方程式」が用いられています。この方程式は、「天の川銀河で1年間に誕生する星の数」や「生命が知的レベルまで進化する確率」などの変数を設定することで、「人類と接触する可能性のある文明の数」を算出できるというものです。

 

 

しかし、変数の設定によって結果が大きく変動することは容易に想像できます。

例えば、NASAの「レアアース仮説」では、地球の環境が非常に稀であるという仮定に基づいて変数が設定されたため、「知的生命体は存在しない可能性が高い」という結果になりました。

 

一方で、地球の環境が平均的であると仮定して計算すると、天の川銀河には1560万もの文明が存在するという結果になります。つまり、ドレイクの方程式を使用する上で、変数の設定は非常に重要なのです。今回の研究が画期的なのは、その変数の設定方法にあります。

 

オックスフォード大学の研究者たちは、最新の生物学、化学、宇宙論などの知識を参考に、「確率の範囲」を変数として設定しました。

従来の固定された数値を割り当てる方法と比較して、この方法はより多くの可能性を同時に検討できるため、より現実的な算出方法と言えます。

しかし、その結果、39%から85%の確率で「知的生命体は存在しない可能性が高い」という結論に至ったのです。

遠い未来、人類が地球以外の星に移住する日が来るかもしれません。

その時、私たちが直面するのは、空気や水といった基本的な問題だけではありません。

 

宇宙で新たな命を育むことができるのか?

という根源的な問いにも向き合うことになるでしょう。

マウスの受精卵を用いた実験

国際宇宙ステーション(ISS)では、この問いに答えるための重要な実験が行われました。

研究者たちは、地球で受精させ、初期段階まで成長させたマウスのを凍結し、ISSへと運びました。


宇宙飛行士たちは、ISS内でこれらの凍結胚を解凍し、4日間培養するという実験を実施しました。

地球への帰還と分析

培養後、胚は化学的に保存され、地球へと送り返されました。

分析の結果、胚は正常な細胞数を持つ胚盤胞へと成長しており、DNAや遺伝子の状態にも大きな変化は見られませんでした。
この成果は、人類が宇宙で子孫を残せる可能性を示唆しています。

研究結果はiScienceに掲載され、微小重力環境が胚の発達にほとんど影響を与えないことが示されました。

New Scientistでは、この研究を率いた山梨大学の若山照彦教授の言葉が紹介されています。
「火星への往復には長い時間がかかります。その間に妊娠する可能性も考慮し、宇宙で安全に子供を産めるよう研究を進めています」
と教授は述べています。

 

NASAアルテミス計画では、月面での持続的な活動を経て、火星への有人探査を目指しています。最終的には、長期滞在を可能にする火星基地の建設が目標です。

 

 

 

人類が火星に到達する日は、そう遠くない未来かもしれません。

しかし、火星への到達は単なる目標の半分にも過ぎません。人類が火星で生活するためには、様々なインフラが必要となります。その一つが、インターネット環境です。
今回は、SpaceXが提唱する火星におけるインターネット構想を中心に、火星における通信環境整備の現状と展望について解説します。

火星にも高速インターネットを

 

SpaceXが提供する高速インターネットサービス「Starlink」は、地球低軌道に多数の衛星を配置することで、世界中のどこでも高速なインターネット通信を可能にするものです。

日本でもStarlinkの利用が身近になりつつありますが、SpaceXは、このStarlinkの技術を応用して、火星の周回軌道上に高速インターネット衛星を配備する計画を提唱しています。

 

 

 

この計画は、火星探査計画「Mars Exploration Program Analysis Group」の会合でSpaceXによって提唱されたもので、火星における通信環境を整備するための壮大な構想です。

もしこの計画が実現すれば、火星に滞在する人類は、地球とほぼ同じように高速なインターネットを利用できるようになるでしょう。

 

 

火星におけるインターネット構想は SpaceXだけではない?

 

 

火星におけるインターネット構想は、SpaceXが独占的に提唱しているものではありません。

Lockheed MartinやBlue Originといった他の宇宙開発企業も、同様の構想を提唱しています。

これらの企業は、単に火星を目指すだけでなく、火星に長期滞在し、通信環境も整備された定住地を建設するというより壮大な目標を掲げています。

 

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が設立したBlue Originは、これまでもSpaceXと激しい競争を繰り広げてきました。

火星という新たな市場を巡って、両社の競争は既に始まっていると言えるでしょう。

 

火星におけるインターネット構想は、人類が火星で生活するための重要なインフラの一つです。

SpaceXをはじめとする複数の企業が、この構想の実現に向けて技術開発を競い合っています。

 

火星にインターネットが整備される日は、そう遠くない未来に訪れるかもしれません。今後の宇宙開発の動向に注目しましょう。