気になった中古車の2台目は、私がバイクに乗り始めた頃に登場した世界最速のあのバイクです。



Ninja ZX-12R。


当時のバイク雑誌を賑わせていた

時速300kmオーバー

の市販車。


[ぜっぺけのじゅうにあーる]

なんて呼んでた覚えがあります。


それにしても、300km/hオーバーて・・・。


いったいどこで出すんでしょう。


年式は初期型の2000年式、30000kmほどの走行で、外装に大きなダメージなく、お値段は

40万円。


安っ。


相場感は年式考えても、V maxと変わりません。


初期型に限ればV maxより安いかも。


カワサキのフラッグシップが・・・。




ZX-12Rと言えば、一足先にデビューしていたホンダのCBR1100XX スーパーブラックバードと、スズキのGSX1300R ハヤブサの後を追うように『最速の看板は譲らねぇ』とばかりにカワサキが気合いを入れてデビューさせたメガスポーツ。


排気量こそブサより100cc少ない1200ですが、ラムエア加圧時にはブサを上回る190馬力を10500回転で絞りだす超ショートストロークの高回転型エンジンに、ブサより5kgほど軽い乾燥210kgとリッターオーバーにしてはかなりの軽量ボディ。

パワーウエイトレシオは1.1kg/psという凄まじさです。


ですが、最高速に関しては300を超えつつも、ブサの方が早かったと言う意見の方が多いような。


ハッキリとしたデータがないのでわかりませんが。


そして指摘されるのが低速トルクの細さと高回転での異常なパワー。


さらにドンツキのオマケ付き。


とても1200ccのエンジンのレビューとは思えん。


まぁ、1200ccのエンジンで無理して300km/h出そうとするとそうなりますよねぇ。


さらに超高速域での安定性を追求したカチカチの足回り故の低速域での曲がりにくさ。


まぁ、300km出そうってんだから・・・。


あと、燃費が悪い。


まぁ、300キロ(以下略)


でもって暑い。


まぁ、300キロ・・・出して走れば暑さなんて大丈夫でしょ?



このように300キロオーバーを純粋に追い求めた結果、街中での走行が苦手と言う危険なバイクに仕上がった模様。


300キロ出せるだけでも十分危険なんですが。


お陰で割とバイクの規制に甘かったヨーロッパでも300キロ規制が発令。


メーカーによる最高速バトルもあえなく終焉。


てことは、規制前の貴重なバイクでもあるわけですが、安いから実際に欲しいかとなると・・・跨ってみれば容赦ないシート高で身長168cmの私では両つま先がギリでツンツン。


ハンドルは低く遠く目一杯腕を伸ばしての前傾。


跨がっただけでも乗れてる気がしない。


加えて上記のエンジンや車体の特性なんで乗るのはちょっと・・・。


同じ300キロ出すならブサの方がポジション楽で扱いやすいみたいなんでそっちに行きますよね。


どっちにしても出さんけど。


2年後には140箇所もの改良を重ね、より乗り易い方向へと舵を切っています。


この後期型からは酷評もかなり減ってますしね。


ついでにこちらはお値段もちょいと高めです。


結局、販売でもブサには勝てず6年程でZZR1400にバトンタッチ。


カワサキのフラッグシップとしては比較的短命に終わりました。



ただし、店長曰く酷評の多い初期型も巷で言われるほど乗りにくいバイクじゃないとの事。


バイクってネガティブな面はネタにされやすく、やや大袈裟に伝わりますし。

(ネタにしてる奴がここにもいますし)


実際に駐車場で店長が乗ってる所を見せてもらいましたが、多少乗りにくい面はもちろんあるけど、総じて大型バイクはこんなもん。確かに初心者にはおすすめできないけど、ある程度慣れてる人なら普通に乗れる


らしいです。


ドンツキが頻発すると言われるエンジンについてですが、その原因のヒントをVmax1200から1700に乗り換えた事があると言う20代後半のライダーの方から聞くことができました。


なんでもその方はV max1200に一目惚れして大型二輪の免許を取得。初めてのバイクが魔神(すげぇ)と言うかなりの強者。


慣れてくるにつれて物足りなさを感じるようになった(なんだって?)為、後期型の1700を購入。


で、納車の時、お店を出る時に豪快に転倒。


その方曰く、左に曲がろうと倒した直後にアクセルを少し開けたけど、回転が上がらず。

あれっと思い、少し強めに開けたら突然エンジンが唸りを上げてリアタイヤが空転して転倒。


店員さん総出で救出に来たそうです。


そうか〜。


私が納車の日にお店の前で出てすぐ転けた人もいるから慎重にって何度も念押しされた原因は

君だったんだね。


またまた話が逸れかけました。


後期型の魔神はインジェクションのアクセルバイワイヤー。


前期型に慣れてた彼はアクセルのフィーリングに中々慣れず、苦労したそうです。


ZX-12R販売当時はバイクがキャブからインジェクションに代わっていく過渡期でもあり、加えて大型ではあまりない超高回転型のエンジンと相まってアクセル操作が非常にシビアに感じた人が多かったのではないかと。


因みにその彼は、vmax1700からNinja ZX-25Rに乗り換えてその日が納車でした。


中々珍しいバイク遍歴。


彼が次に選ぶバイクが何になるか非常に気になります。



おそらく、世界で最も安く300キロ出せるこのマシン。


コロナ禍で溜まったストレスを時速300kmで吹き飛ばしたいなんて方は一台いかがでしょう。


私は・・・。


乗りこなす自信も、スピードの誘惑に勝てる自信もないので遠慮しときます。



今回見かけた2台以外にも、いいバイク(?)なんだけど人気ないなぁってバイクまだまだあるんで、また思いついたり見かけたら記事にしたいと思います。


今回はこの辺で。