最後はYAMAHA編。


HY戦争敗北から2年。


オイルショックから立ち直りつつあるアメリカで



 V-max

がデビューした85年。


国内においてもレプリカブームに乗って前年度デビューしたRZV500Rに続いて



TZR250(1KT)

がデビュー。


もちろんこちらもWGP参戦マシンTZ250のレプリカ。


ですが、国内馬力規制の45psにデチューンされる一方で車体構成はほぼTZのまんまだったおかげか、抜群のハンドリングと乗りやすさを兼ね備える

『ハンドリングのYAMAHA』

を最も具現化したモデルとして評価が高いです。


まぁ、ハンドリングの良さをレプリカで比べた事の無い私の場合、TZRと言えば



3MA(後方排気)


こっちのイメージが断然強いですが。


1KTはわざわざ前方排気って言われるほど。


普通なのに・・・。


今回の記事の趣旨からは外れるので後方排気うんぬんは特に書きませんが、中古車の弾数、価格とも3MAが圧倒。


やっぱり個性って大事ですよね。


そして、TZと言えば・・・。


ここで思い出したのは、バイクに興味を持ち出した中学生の頃。


オートバイ雑誌についてくるオマケの年鑑に載っていた謎のバイク。



TZ250


ヘッドライトもウインカーも無い変なバイク。


しかも価格はとんでもなく高い。


これでも市販車です。

(年鑑に価格が書いてあるんで)

もちろん、公道走行不可って書いてます。


なんだコレ?と思ってたこのバイクがプライベーター向けの競技専用車と知るのはずっと後の事です。


2000年代に入ってからは若者のバイク離れを食い止めるべく一年分のパーツと無料のスクールをセットに販売を続け、2008年まで売ってたみたいです。


若くてお金あったらなぁ・・・乗ってみたかった。



続いては



FZ750


世界初バルブの水冷DOHC並列4気筒。


そしてそのエンジンを45°前傾させた

GENESIS。

エンジンを傾けることによる低重心化に、エアクリーナーとキャブレターの直線化による吸気の効率化とマス集中。


ただの5バルブじゃなく、こんなに利点があったのは今回調べて初めて知りました。


GENESIS凄いわ。


そして、乾燥209kg。


この頃の750としては充分軽いんですが、折悪しく同じ年にデビューしたSUZUKIのGSX-R750がなんと

179kg。


同じ77psで30kgの差は大き過ぎる・・・。


まぁ、あっちはフルカウルのレプリカですけど。


2年後にはTT- F1モデルのレプリカFZR750にバトンタッチ。国内では短命に終わりました。


ハーフカウルの丸目ニ灯で、割と迫力あるマスクのこのバイク、私は結構好きでした。


一方、海外では扱いやすいミドルクラスとして割と売れてたみたいです。


ここら辺からも、当時の日本のバイク市場が異常だったのがわかります。



そう言えば。


海外でレプリカと言えば。


FZにもローソンレプリカあるんですね。



すっごくかっこいい。


今回初めて知りました。


私レベルの知識の浅いライダーだと、頭に浮かぶのは



こっちなんですけどね。

YAMAHAのローソンレプリカもデイトナ200優勝記念モデルを売ってればなぁ。

YZRの足回りをゴッソリ移植してるみたいなんで、すっごい価格になってたでしょうが。


他には


FZR250 PHAZER

GENESIS搭載の4スト4バルブの250の4発。

ジェットサウンドと呼ばれたヒュンヒュン回る特徴的なエンジンの音はよく覚えてます。

あと、昨年惜しまれつつ生産終了した


カモシカさんもこの年デビュー。

どこだって手軽に行けちゃう(単に悪路の走破性のみならず、街乗りから高速までこなせる)このバイクに跨る人達はバイクの愉しみ方の究極の域に達している人なんだろうなぁ。と、一方的に尊敬の眼差しで見ております。

自分はまだ、その域には達しておりません。


YAMAHA の宣戦布告に端を発し、不毛な販売競争の果てに業界のピンチを招いたHY戦争に敗北。

その傷も癒えない中、国内はレプリカブームを迎え、今度は熾烈で過激なスペック競争の時代へ。

しかし、正々堂々迎え撃つYAMAHA。

そんな感じのする1985年、YAMAHA のラインナップでした。