お次はKawasaki編。
レプリカブーム到来の1984年。
我関せずと海外モデルとして、
GPZ900R Ninja
を投入。
世界最速を謳われたこのハイスピードツアラーはバイク史に残る大ヒット。
求められているのは決して速さだけではないと確信したか、Kawasakiは翌年
GPZ400R
を国内向けに投入。
こちらも大ヒットを記録し、80年代最高の販売台数を叩き出します。
幸か不幸か、WGPに参戦していなかったKawasakiにはレプリカとして発売するバイクがありませんでした。
しかしながら、レプリカ一色に染まりつつあったラインナップの中、速いバイクがいいけどレプリカはちょっと・・・と思うライダーは結構いたはず。
特に2ストレプリカともなると低いハンドルを握り、高いバックステップに足を置く極端な前傾姿勢で、狭いパワーバンドを気にしながら頻繁にギアを変え、極悪燃費にオイル消耗。
中々大変だと思います。
特に街乗りやロングツーリングにおいて。
レプリカってサーキットを走るのに特化したバイクなので、それも当然。
このGPZ400Rは59馬力と充分なパワーを持ちつつ、やや重量はあるものの、高めのハンドルに長距離でも快適なフルカウルで速さと快適さを両立。
レプリカに尻込みしてたバイク乗りを一手に引き受ける事になりました。
後継車と言えるZZRと、GPZと同じエンジンを積んだエリミネーターに乗っていたので何となく想像つきますが、すごくよくできたバイクだったんでしょう。
ZZRはツアラーの性格が強くエンジンのトルク特性もフラットでしたが、エリミネーターはデチューンされているとは思えないガンガン回る楽しいエンジンでした。
この二つが組み合わされば快適で楽しいバイクになるのは想像に難くありません。
かなり売れた割に、現在中古はあまり残っていないのでかなり高騰・・・してないですねぇ。
何故かZRX400が高騰してますけど。
バイクの相場って・・・。
続いては
エリミネーター900
魔神のライバル。
エリミネーターとは『排除する者』って意味らしいですけど、400に乗ってた自分としては
排除されたのは航続距離だよね
って思ってしまいます。
前述のGPZ900のエンジンを積んだドラッガー。
中低速向けにデチューンされ、クロスミッションと組み合わされたこのバイクの発進加速はGPZを上回るとも。
その一方で足つきの良さと楽なポジションにロングホイールベースがもたらす安定感は街乗りやロングツーリングも快適にこなします。
給油回数以外。
魔神もそうだけどマスツー行きにくいんですよね。特にロングツーリング。給油で迷惑かけるんで。
このバイクとなら仲良くツーリング行けそうです。
ただし、赤信号で並んだらシグナルグランプリ勃発間違いなしですがね。
(絶対に負けられない戦いがそこにはある)
独特な風貌とコンセプトからコアなファンも多く、現在も根強い人気が・・・とか言われてますが要はそんなに売れなかった模様でわずか2年でラインナップから姿を消しております。
私も大型購入時に候補に入れてましたが、最終でも86年式。
そもそもKawasakiの旧車はマイナートラブルが多いイメージがあり、現に400で色んなトラブルに悩まされた経緯もあった為、運良く上位車となるZL1000を見つけたものの、整備力のない私には購入する勇気がありませんでした。
私が今、1番乗ってみたいバイクです。
その他には
CS250
GPZ250R
などもこの年デビュー。
スペックはともかく、この二台は重くて無骨なKawasakiのイメージに合わないバイクですね。
(特に鳩サブレGPZ250R)
カッコよくまとまっており、250シングル最強と言われたCS250はともかく、GPZの名を持ちながら面白すぎる見た目で出オチ感満点のGPZ250RはエンブレムなけりゃKawasakiのバイクと思わないです。
Kawasakiもこんな愉快なバイク作ってたんですねぇ。
売れませんでしたけど。
スペックはかなり優秀だったんですけどねぇ。
レプリカブームの中、冷静に市場のニーズを見極め、しっかりヒット作をリリース。
時代に流される事なくしっかりと我が道を行く。
時にそれが裏目に出ることもありますが。
ただし、最速の看板は絶対に譲らない。
狷介孤高なKawasaki。
そんな1985年、Kawasakiのラインナップでした。