会いたいと言われたのに
「久っさしぶりぶりやなあ、元気してる?」「どちらさまでしょうか?」
「うちやうち、こちら神戸」 「え? お義姉(ねえさん)?」
「せや。20年会ってないなあ。電話では8年ぶりやけんど」
夫の兄も離婚した夫も相次いで他界したと、
義姉さんから電話をもらって以来だ。
この義姉さんというのは、離婚した夫の兄嫁さんである。
夫の兄はアル中のため社会性が身につかず、ず~と無職。
DVもひどく、彼女は足の骨を折られたこともあった。
「なんで離婚せーへんの?」と、尋ねたら、
「離婚したら、あいつは自分の子供にたかるさかいな。うちが防波堤になったらなあかん」
このひとことで私は義姉さんが大好きになった。
結局、離婚したのは私だった。兄弟は性格が似るんだな。
その様子は過去ブログに記載の通りであ
(義姉)
「2人とも逝ってくれてよかったな~!
これでうちらは平和に過ごせるで~
ところで、コロナが収まったなぁ。
うちとA子(義姉さんの娘、40才)とB子(私の離婚夫の連れ子 40才)の
うちら3人あんたに会いたい、会いたい、思ってんねん。
遊びに行ってええか?」
「・・・・・・うん、でも、うち、今病気やねん」
ミクリッツ病 だと言ってもわかるはずがない。
街のクリニックで病名を告げても、知っている医師は1人もいなかった。
レアな病気なので、レアついでに病名をわかりやすいのに変更した。
「うち 胆のうがん やねん。
トイレまでは歩ける。 体調のいいときはごはんも作れる。
手は動くから、仕事はボチボチできる。けど、
薬のせいで髪の毛もまつ毛も抜け、顔はシミだらけ・・・・・・。
こんなみじめな姿を義姉さんたちに見られとうはないねん。
でも必ず治る!治すで!懸命に努力してるねんで!
病気が治ったら、まっさきに電話するからそれまで待っといて!
電話かけたらすぐに会いに来て!!」
明らかな拒絶だが、これは現実でもある。
うちに泊まってもらっても、いまの私には義姉さんたち3人に
夕食の用意さえ満足にできない。
ヘナヘナと杖ついて歩き、哀れを誘うただの病人にすぎない。
きっと3人は
“元気バッキバキで、ジョーダンぽいぽい”
大口開けて笑う私を思い浮かべているのね。
始めてA子・B子に会ったときは、2人とも中学生だった。
父親の所業に泣かされどおしの女の子たちだった。
実父の死でニンマリしたのはこの2人だけではない。
私は実母の介護が終了した時、鎮魂より自分の人生が
リスタートする喜びに満たされていた。
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