中受6年生の親御さんブログで講習のテスト結果が上がっていた。いやー、わかっちゃいるけど辛い、辛すぎる。見なきゃいいのに目を背けるのは「逃げ」のような気がしてついつい見てしまう。
「夏期講習が終わっても成績がパッとしない……それどころか一番力を入れてきた算数が全く伸びていない」
もう何百回同じケースを見てきたことか。家庭の対策としては充分すぎるほどやっている。「そのお気持ちお察し致します」どころの話ではない。現状を知っておきながら傍観なんかできない。
- 塾のプリント類のファイリング
- テスト直しの進行管理
- 父母揃っての勉強伴走
- (切羽詰まっての)家庭教師頼み
- 志望校の情報収集
- 外部模試の手続き等々…
書き出せばキリがない。本人がサボっていて結果が出ないのならまだわかるが、相当量の時間を費やし問題数をこなしそれでも結果が付いてこないのだからたまらない。あと5ヶ月しかないというのに……。
そしてここから過去問演習が本格的に始まる。通常の授業に加えこれをこなさなければならない。第三志望までの赤本を買ったとしてそれぞれ過去何年分やるつもりなのか。しかも1周して終わりではない。2周目は普通、3周目までやれという塾もある。
仮に第一志望から第三志望まで、それぞれ過去3年分をやるとすると
3校✕3年分=9回分
9回分✕2周=18回分
残り5ヶ月だから毎週1回やらないと消化できない計算だ。しかもその1回分には算国理社が当然含まれていて、ただ解くだけではなく直しまでやらなければならない。
逆算すればいかに無謀なことか簡単にわかるのだが、この時期の親御さんにその冷静さを求めるのは酷である。今までの勉強量で結果が出ないのならば、さらにやらせるしかない。そして子供たちはますます疲弊し、メンタルに不調をきたすケースも多くなってくる。
前回のブログで皮肉たっぷりに書いたのだが、こういう先生を実際に数多く見てきた。もうこんなことはとっくにわかりきったことで、過去問について世間一般の認識をさもプロっぽく語っているのにほとほと呆れただけ(中等部のくだりは本当に酷い)。形式に慣れるのに過去10年分必要って……慣れたら点数取れると思ってるところがもうね。
過去問を延々とこなしても(大多数の子には)意味はない。それはこれまでにテストだの演習だの形を変え散々やってきていることからも明らかである。それなのになぜか過去問には特別感を抱いてしまう親・生徒が多い。
「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」
回数をこなせば点数が取れることもある。じゃあ本番でそれが実践できれば……。勝者の陰に隠れた敗者はその何倍もいるというのに、我が子だけは、と願う親御さんの気持ちはいかばかりか。
未だに変わらない中学受験業界の現状を、私は巧みに利用してきた。頑張っている他塾の子には大変申し訳ないが、自分が関わっている子だけ良い結果に繋がってくれればいい。過去問至上主義は他の子を出し抜く絶好の機会となる。
「上手な鉄砲必ず当たる」
根本的な原因を取り除く指導さえしてあげれば必ず点が取れるのだから量をこなす必要はない。むしろ量をこなすことは時間の無駄である。どの単元にもミスを極力減らす方法があり、それらは非常に事細かでほとんどの講師は気にも留めていない。そしてその方法は何より恐ろしいくらいに地味である。以下、一例を示す。
旅人算
ダイヤグラムを必ず書いて解く。問題レベルを問わずにである。どんなに算数が苦手な子でも今まで書けなかった子は1人もいない。6年の夏期講習までは全員必須、それ以降、書く書かないは自由。いかに素早く正確に図が書けるかがポイント。式で解かせるのではなく、脳内にイメージを焼き付ける。これさえ身につければ他の単元があっさり理解できる。
時計算

池の周りを回る旅人算と全く同じ。人間が時計の針に変わっただけ。しかも人間と違い、反対方向は考えなくてよい。いつも同じ方向なので速さの差(5.5°)となっている。わざわざ別物として暗記する必要はない。ダイヤグラムを書いて図を見れば「なんだ、旅人算か」となる。
ニュートン算
毎日伸びる草を牛が追っかける(食べる)のでこれも旅人算と同じ。テキストでは相変わらず線分図での解法となっているが、ダイヤグラムで見れば教えることなどほぼないに等しい。
通過算
流水算
仕事算
これらも全てダイヤグラムで。特に流水算は入試問題で普通にグラフの読み取りを要求されるのでもはや必須と言ってよい。難問になると「ダイヤグラムを使え」という講師が多いがそれは頭の良い人の理論。普段から慣れ親しんでおくことで「へだたりグラフ」も理解度がまるで違ってくる。
もともとの癖を見直す
ケアレスミスが減らない子の特徴として、学習するそもそもの態勢が整っていないことがあげられる。主だったものとして……
- 字が汚くて読めない
- 自分の書いた数字を見間違える
- 書いてる図が雑
- 筆算で繰り上がりを書かない
- 問題文を流し読み(思い込みで解く)
- 余白はあるのに狭いスペースで計算
- やりっぱなしで次の問題へ
これらが改善されていないのに過去問を何百年分こなしてもミスは一向に減らない。「線の引き方」、「数字の書き方」、「実線にするのか点線にするのか」、「計算する場所はどこか」、「そもそも図の意味を理解しているのか」などなど……ミスを減らすことが得点アップの一番の近道である。
数表でのひと手間
この問題で頻発するケアレスミスは何か。「行」と「列」の取り違えである。問題自体は解けているのに逆で捉えてしまったという勘違いが少なくない。しかしこの数表に「あるひと手間」を加えるだけでそのミスを減らすことができる。
○と△ で囲むだけの簡単なものだが、「行」「列」という文字ではなく記号で認識させることで非常に見通しが良くなりミスも減る。私自身もこれでやった方が圧倒的に解きやすい。
私の述べてきた考えが仮に真実だとして、ブログゆえのもどかしさを常々感じている。これを読んだ親御さんに共感頂いても、その先がまったく見えてこない。やるのはお子さん自身なのだから「算数おぢさん?誰それ?」だし、ましてや塾の解法と違うのだから尚更である。結論「ただ書き続けていくこと」あるのみ……かな。








