怒りがどんどん込み上がって来た僕は、どーしても何かで1発返してやらないと気が済まなかった‥。


でも、どうやって‥


2本目のタバコに火をつけて考える‥


あっ‥❗️そうだ‥


とぎ汁で効果があったとしたら、直接ぶつければ効果大になるんじないのか❓


でも、直接かぁ‥


あいつら移動するから、家中に撒いても

ただのイタチごっこになるし‥


ん〜


んっ!


そう言えば‥家で霊を探す方法があったよなぁ‥

え〜っと、なんだっけな‥


霊の居場所を探し出す方法をなかなか思い出せない僕は、タバコの煙りを‥フゥーと吐き出した‥


その時だった‥


ん⁉️何か‥


線香の匂いがする‥タバコの煙りからか‥?


違う‥タバコの煙りに何処からか、線香の匂いが混ざってる❗️


そう気付いた瞬間


はっ❗️‥思い出した


そうだ、線香だったわ‥❗️線香の煙りで探し出すんだった。


あぁ〜でも‥


線香が無い‥。


お香ならあるけど‥駄目か‥?


いーや、試して駄目なら線香を買いに行けば良いだけだ‥。


一刻も早く2体の霊に仕返しがしたくて、お香と米のとぎ汁を急いで用意した。


先ずはお香から‥


火を付けたお香から煙りが静かに出始めたのを見てお経を唱えようとしたが‥


あっ‥そうだ❗️

線香の代わりにお香だを使ってるし‥

なら、お経も自分の代わりにYouTubeのお経を流して見よ‥笑


2体の霊にナメられた事でムカついていた僕は、こっちの仕返しもナメたやり方でやり返してやろうと‥


全く大人気ない心で、2体の霊と向き合おうとしていた‥。


きっと、この類いの経験が多いせいで、いつの頃からか‥


霊に対する感情が、人間に対する感情と余り変わらなくなっていた‥


それどころかいつも、心の奥底では霊とのやり取りに喜んでいる自分がいた‥。


それは‥霊と言う存在に、人の儚い純粋な思念を感じるからだと思う‥。


だからこそ腹が立つ、と思う事も多い‥!

今回の出来事に関してはまるで、ヤンチャ盛りな我が子と向き合う時に近い感情があった‥。


ただし、スタンダードな霊に限ってである。


魔や妖や精、そして神‥

これらの場合は、常に死を感じる世界が隣り合わせであると‥出会った時はいつも実感させられる‥。


妖と精はレベルによって違いもあるが‥

でも、危険である!


話しを戻します。


YouTubeでお経を流しながら、お香の煙りが何処へ流れて行くのかを集中して見ていると‥


別にこれと行った変化は無かった。  


駄目か‥

流石に、手を抜き過ぎたかな‥やっぱりちゃんとした線香と、自分でお経を唱えないと意味が無いのか‥。


そう思って、YouTubeから流れているお経を止めようとした時‥


おっ❗️

煙りの動きが変わり始めたぞ‥さぁ、何処へ行くのか‥。


まるで、意思をもって動いている様な煙りの後を追おうと立ち上がろうとした時だった‥


えっ⁉️


マジか‥


何か‥煙りが俺の目の前に集まってるんだけど‥


と、見ていると‥目の前に集まったお香の煙りが‥

渦を巻き始めたのである‥⁉️


来た⁉️

今、正面に居るのか‥

まさか向こうの方から来るとは思わなかった‥。


今がチャスと思った僕は‥

茶碗に用意してある米のとぎ汁に5本の指を浸らせ‥目の前で渦をになった煙りに向かってとぎ汁を摘んで投げようとした‥が、


出来なかった‥。


流れるお経に、目の前で渦巻くお香の煙りを見つめているうちに僕はこう思ったのだ‥


これは‥


供養になっているのか‥?


そう思った僕は茶碗から指を出し、濡れた手を服で拭い‥合掌をした。


僕はそのまま心の中で‥


どうか安心して、いくべき所へ行って下さい‥

ここは俺の家です‥

だから、何もしてあげられません。


これまでの事は許すので、この家に居たいのなら、ここに住む家族を静かに見守って下さい。


もしも、これ以上騒ぐのなら‥その時はどんな手を使ってでもあなた達を滅します❗️


そう伝えてから、お経が流れ終わるまで待ち‥お香はそのままにして、後は片付て部屋を出た。


ひと段落して部屋に戻ってみると、お香の煙りで渦を巻いていた光景はそこには無く、残り半分を切ったお香が、静かに煙りを出していただけだった‥。


もう居なくなったのか‥?

とりあえずお香が終わるまで待つかな‥。


そのままタバコを吸いに行き、家の中をリンクしながら‥もしかしたらまた、話し声が聞こえて来るかも知れないと思い、耳を澄ませていた‥。


特に霊感が反応する事も無いし、2体の霊の声も聞こえて来ない‥

これで今夜、何も起こらなければ成功だな‥


よし、夜ご飯を作りますか‥。


ご飯を食べて、風呂に入り、何やかんやで23時半に就寝する。


柔らかいベッドで眠ると腰を痛めてしまう為、床に布団を敷いて寝る‥。


だから寝室では、空きのベッドの隣り床で、布団を敷いて1人で眠ると言うちょっと変わった部屋の使い方をしている。


精神的に疲れていたせいなのか、あっと言う間に眠ってしまった‥。


そして、夢を見た‥

夢の内容は覚えていないが、途中で突然‥見ている夢の中で、男の笑い声が聞こえて来た‥。


最初は、あまり気にする事もなく夢を見ていたのだが‥この笑い声の音量が、どんどん大きくなっている事に気が付いた‥⁉︎


しかも、長い間ずっと笑い続けている事も気になり始めた‥。


成人男性の笑い声‥年寄り‥

でもそんなに年寄りってほどでも無い‥

一体何処に居るんだ‥?

夢の世界で辺りを見渡して見ても、その男と思われる姿は見つからない‥。


何をそんなに笑っているんだ‥?

今夢の中で面白い場面なんて、無いじゃないか‥。


そう思っていたら、急にその笑い声は更に大きく聞こえ始めた‥⁉️


しかも少しエコーがかかっている感じで‥。


うるさいなー

ちょっとしつこくないか‥?


僕は少し違和感を感じて、こう思った‥


何だこいつ‥もしかして、俺の夢に入り込んだ別の意識か何かか‥?

そう思った次の瞬間‥‼️


まずい‥来る‥


夢が一気に覚め、強い金縛りに襲われた‥❗️


クソ❗️

ふざけんなよ‥

今度はなんなんだよ❗️


怒りが込み上がるものの、体は動かせない‥しかも笑い声は夢から覚めているのに、エコーが一層かかった感じで、右上の方から聞こえている‥。


近いな‥俺を押さえつけて楽しんでいるのか‥❓

ムカつくなぁ〜💢


完全にブチギレた僕は、頑張って口に隙間を作り、スゥーっと空気を吸い込んで‥また、言葉にならないお経をあげようとした時だった‥


⁉️


なんと、金縛りが一気に解けたのだ‼️


あれ‥⁉︎

体が動く‥声は‥


もう聞こえない‥。


んっ‥⁉️

誰か居る‥❗️


異様な気配を察知した僕は、カッと目を開いて隣りのベッドを見上げた‥‼️


するとそこには‥


黒装束を身にまとい、顔には何か読めない文字で書かれた白い紙なのか、垂れ幕の様な物で隠された存在が、僕の方を見ているかのように、ベッドの上で正座をしていた。


怖くない‥何者だこいつは?


頭の中で情報を整理する‥

人じゃない‥霊でもない、妖、魔、違う‥

気を全く感じられない‥

神‥なのか‥❓


そう思った瞬間、目の前に居るその存在はスゥーっと透明になり、消えたのである‥。


ヤバイ‥とんでもないのが来やがった‥。


焦りながら直ぐに布団から出て、近くに置いてある電気のリモコンを取り、部屋の灯りをつける‥。


落ち着いて状況を整理する‥。


何であんなのが来た‥?どうして笑ってたんだ‥?

どうして‥

て言うか、ジブリの顔無しかよ‥!笑

本当にあんな感じなのが居るんだな〜

まっ‥

とにかく、危なかった‥。


そう思いつつ、冷静になればなるほど恐怖が増し、カラダは震えていた‥。


タバコを吸いに行くも、手が震えて箱のフタを中々開けられなかった‥

頭の中や心は至って冷静ではあったが‥

僕の本能と魂は、本当に危険だった‥と言う事を実感していた‥。


何故なら、あの異様な存在が、陰界の使者だと‥僕の経験、知識、六感が認知したからである。


久しぶりにハッキリ見えたのがあのレベルかよ‥勘弁してくれ‥。


爺ちゃんならともかく‥

俺程度なんて、呆気なく魂抜かれて突然死だな‥。


時計は‥2時22分

またゾロ目だ‥。


4時まで後2時間くらいかぁ‥

それまで起きてよ‥。


恐怖を完全に無くす為と、陰と陽が切り替わる4時になるまでの間僕は、アニメを見てその時間をやり過ごした。


だが、予想以上に見始めたアニメにハマってしまい‥6時半にようやく眠れた。


次に目覚めた時もう、13時過ぎだった‥。


寝室から出て、階段を降り1階に着いた時‥


ガチャ❗️


玄関の扉が開いた‥。


ただいま〜


妻と子供が実家から帰って来た。


おかえり〜


その日から、我が家で家族以外の話し声が聞こえて来る事は無くなった。


なにより、妻からのクレームがなくなった事が‥1番ほっとした‥。


僕は思う‥

人は自分の意思や想いを伝える為に言葉を使う‥。

でも、どんなに言葉にしても‥その想いが伝わらない場合‥時として、悲しい結果になってしまう事もある‥。

これは、本当に同じ次元、同じ世界に生き、通じ合っていると言えるのだろうか。


むしろ、動物や違う世界に存在する霊達の方が‥

念や言葉に出さない本当の想いだけで通じ合える瞬間こそが、同じ世界に生きていると言えるのではないだろうか‥と。


人は皆、死後はあの世へ戻ると言う‥

ならきっと、その世界に居る霊の先輩達にお世話になる日が来ると思う。


ならば今の内に、霊達を良き隣人として接して行くのが、良き世界を作る一歩になる‥


かも知れない‥。