わかれみち

岐れ道


目の前には三本の道と

矢印が三つ描かれただけの

簡素な看板がある


右に進むべきか

左に進むべきか

はたまた前に進むべきか


右は暗くて道があるのかも分からない

左は眩しすぎて目を開いていられそうにない

前は霧が濃くて先が見えない

振り返ると何故か来た道が消えている


立ち止まって考え込むが

なかなか答えを出せないまま一年が過ぎた



選んだ道は間違っていたのだろうか

一年、二年と歩き続けたが

目的地には辿り着かない


五年ほど経ったある時

道の先に何かがあることに気づいた

ただ夢中でそれに向かって走る

それは次第に大きくなり

ハッキリと見えるようになった



三本の道と看板だ