仕事にもだいぶ慣れてきたつもりの、1年目の終わり頃。
その日は、夜勤でした。
もう一人の夜勤者と2人でご利用者様の就寝介助を行っていましたが、
この日は、なぜかあちらこちらでコールが頻回に鳴り、
ショートステイのご利用者様の数も
いつもより少し多い日でした。
コール対応に追われ、その上ご利用者様の数も多いため、
案の定、就寝介助ははかどりません。
正直、私は、イライラしていました。(なんとも・・未熟者です・・)
事が起きたのはある女性のご利用者様の介助をしていたときでした。
私よりも小柄な、90歳くらいの女性。
ご利用中は、『私はなんでここにいるのかね。ここはどこかしら?』とよくおっしゃいます。
杖をついて、よろよろと歩かれ、お一人で歩くと転倒されることもしばしば。
私はその方と手をつなぎ、ゆっくりと廊下を歩いていました。
その間にも他の場所でコールは鳴り、とても気になっていましたが、
転倒のリスクがあるため、その場を離れるわけにはいきません。
あれもしなきゃ、これもしなきゃ、次はあれも!あそこは大丈夫かな・・・!?
この女性の介助をしている間、たぶん、私はこんなことばかり考えていました。
必要最低限の会話しか、していなかったと思います。
女性をお手洗いにご案内し、その後、お部屋でお着替えの介助を行いました。
そして、
『じゃあ、おやすみなさい』
と、言ってカーテンをシャッと閉め、
『さ、次急がなきゃ』と、私は足早に彼女の部屋を立ち去ろうとしました。
と、そのとき。
カーテンの向こう側で、
『あんたはねぇ・・』
と言う女性の声。
私は何かし忘れたことでもあったのかと思い、
進みかけた足を一歩戻し、またカーテンをシャッと開け、
『どうしましたー?』
と早口で声をかけました。
すると彼女は・・
『あんたは・・・・あんたは、笑っていた方が可愛いよ。』
・・と、本当に優しい、しわくちゃの笑顔でそっと私に言いました。
予想外の彼女の言葉に、私は一瞬、『え・・?』と固まり、
そして、すぐにハッと我に返りました。
彼女は続けます。
『それに・・・あんたの手はとっても優しい手をしているから、
きっと、いい旦那さんにもらってもらえるよ。だから・・・笑っていなさい。』
・・・・・
・・・気がついたら、
仕事中なのに・・、忙しかったはずなのに・・、
その場に立ち尽くして、
ボロボロと泣いていました。
私は、本当にバカでした。
彼女と一緒にいた約20分間、
彼女と二人っきりだったにも関わらず、
私は、まったく彼女と向き合っていませんでした。
知らない場所に泊まることに大きな不安を感じていたであろう彼女に
なんの心遣いをすることもなく、
「私は忙しい」という、なんとも自己中心的な気持ちでいたことに、
消えてしまいたいほどの、恥ずかしさを覚え、
同時に、
見ず知らずの一スタッフでしかない私に、こんなにも温かく優しい
心遣いをしてくださった彼女に、
もう言葉には言い表せないくらいの感謝の気持ちと、
本当に申し訳ないという罪悪感が、
一気にこみ上げてきました。
きっと、彼女は苛立ちを隠していたつもりの私の未熟さを
完全に見抜いていたのでしょう。
その上で、そんな言葉をかけてくださっていたのだと思います。
そのときの私は介護者として本当に失格でした。
私のしていたことは、「介護」ではなく、
言い方は悪いですが、「作業」になっていたと思います。
忙しかったことに変わりはありません。
介護の現場は時間に追われ、やることに追われ、とてもハードな一面があることは確かです。
でも、そのときの私は完全に、
「心、ここにあらず」でした。
彼女から教えていただいたこと。
そのとき、そのとき、
自分が向き合うべき人と、
どれだけ真剣に向き合えるか。
どれだけ思いやりの心を持てるのか。
どれだけ笑顔で寄り添えるのか。
これは、ご利用者様に限らず、
家族、友人、職場の仲間、恋人、夫婦、など・・
自分の身近な大切な人たちとの間でも
同じことが言えると、今、改めて身にしみています。
最近、大切な人と、大きなすれ違いが生じてしまったのも
こういう気持ちが欠けていたからだと思います。
いつも私を支えてくれている、
私の愛する人たちを
もっと、もっと、
大切に、笑顔で一緒にいようと思います。
いつも、本当にありがとう☆
その日は、夜勤でした。
もう一人の夜勤者と2人でご利用者様の就寝介助を行っていましたが、
この日は、なぜかあちらこちらでコールが頻回に鳴り、
ショートステイのご利用者様の数も
いつもより少し多い日でした。
コール対応に追われ、その上ご利用者様の数も多いため、
案の定、就寝介助ははかどりません。
正直、私は、イライラしていました。(なんとも・・未熟者です・・)
事が起きたのはある女性のご利用者様の介助をしていたときでした。
私よりも小柄な、90歳くらいの女性。
ご利用中は、『私はなんでここにいるのかね。ここはどこかしら?』とよくおっしゃいます。
杖をついて、よろよろと歩かれ、お一人で歩くと転倒されることもしばしば。
私はその方と手をつなぎ、ゆっくりと廊下を歩いていました。
その間にも他の場所でコールは鳴り、とても気になっていましたが、
転倒のリスクがあるため、その場を離れるわけにはいきません。
あれもしなきゃ、これもしなきゃ、次はあれも!あそこは大丈夫かな・・・!?
この女性の介助をしている間、たぶん、私はこんなことばかり考えていました。
必要最低限の会話しか、していなかったと思います。
女性をお手洗いにご案内し、その後、お部屋でお着替えの介助を行いました。
そして、
『じゃあ、おやすみなさい』
と、言ってカーテンをシャッと閉め、
『さ、次急がなきゃ』と、私は足早に彼女の部屋を立ち去ろうとしました。
と、そのとき。
カーテンの向こう側で、
『あんたはねぇ・・』
と言う女性の声。
私は何かし忘れたことでもあったのかと思い、
進みかけた足を一歩戻し、またカーテンをシャッと開け、
『どうしましたー?』
と早口で声をかけました。
すると彼女は・・
『あんたは・・・・あんたは、笑っていた方が可愛いよ。』
・・と、本当に優しい、しわくちゃの笑顔でそっと私に言いました。
予想外の彼女の言葉に、私は一瞬、『え・・?』と固まり、
そして、すぐにハッと我に返りました。
彼女は続けます。
『それに・・・あんたの手はとっても優しい手をしているから、
きっと、いい旦那さんにもらってもらえるよ。だから・・・笑っていなさい。』
・・・・・
・・・気がついたら、
仕事中なのに・・、忙しかったはずなのに・・、
その場に立ち尽くして、
ボロボロと泣いていました。
私は、本当にバカでした。
彼女と一緒にいた約20分間、
彼女と二人っきりだったにも関わらず、
私は、まったく彼女と向き合っていませんでした。
知らない場所に泊まることに大きな不安を感じていたであろう彼女に
なんの心遣いをすることもなく、
「私は忙しい」という、なんとも自己中心的な気持ちでいたことに、
消えてしまいたいほどの、恥ずかしさを覚え、
同時に、
見ず知らずの一スタッフでしかない私に、こんなにも温かく優しい
心遣いをしてくださった彼女に、
もう言葉には言い表せないくらいの感謝の気持ちと、
本当に申し訳ないという罪悪感が、
一気にこみ上げてきました。
きっと、彼女は苛立ちを隠していたつもりの私の未熟さを
完全に見抜いていたのでしょう。
その上で、そんな言葉をかけてくださっていたのだと思います。
そのときの私は介護者として本当に失格でした。
私のしていたことは、「介護」ではなく、
言い方は悪いですが、「作業」になっていたと思います。
忙しかったことに変わりはありません。
介護の現場は時間に追われ、やることに追われ、とてもハードな一面があることは確かです。
でも、そのときの私は完全に、
「心、ここにあらず」でした。
彼女から教えていただいたこと。
そのとき、そのとき、
自分が向き合うべき人と、
どれだけ真剣に向き合えるか。
どれだけ思いやりの心を持てるのか。
どれだけ笑顔で寄り添えるのか。
これは、ご利用者様に限らず、
家族、友人、職場の仲間、恋人、夫婦、など・・
自分の身近な大切な人たちとの間でも
同じことが言えると、今、改めて身にしみています。
最近、大切な人と、大きなすれ違いが生じてしまったのも
こういう気持ちが欠けていたからだと思います。
いつも私を支えてくれている、
私の愛する人たちを
もっと、もっと、
大切に、笑顔で一緒にいようと思います。
いつも、本当にありがとう☆

