『めし』

何よりも生きるための源。

めしが無ければ生きていけない!
君が居なければ生きていけない!

夫婦愛にも「めし」は必須。

男をモノにするなら、胃袋を掴めばいい!
とはよく言いいますが、、

愛する人が待っている家に帰り、一緒においしい「めし」を食べる平凡な日々が、どれほど幸せな事か?

しみじみと思いだし、、感じる今日この頃…‥

今、夫婦が危機に瀕している方々も、よ~く考え直して見て下さい☝

なんて、おせっかいスミマセンm(__)m (笑)

………………………

結婚五年、倦怠期真っ只中の夫婦、、

凡そ七十年前から現代と、、
相も変わらぬ夫婦の物語。。

成瀬監督作品『浮雲』『稲妻』等の原作者・林芙美子さんが急逝により未完となった作品を川端康成氏が監修して出来上がった作品との事。
(※ 前述の作品より先に制作されています。)

◇ 1951年作品(東宝)
監督 : 成瀬 巳喜男
監修 : 川端 康成
原作 : 林 芙美子
脚本 : 田中 澄江、井手 俊郎
音楽 : 早坂 文雄
出演 : 原 節子、上原 謙、島崎 雪子、二本柳 寛、杉村 春子、小林 桂樹、杉 葉子、中北 千枝子、浦辺 粂子、 大泉 滉、花井 蘭子、風見 章子、山村 聡

無限な宇宙の廣さのなかに 
人間の哀れな営々とした
 いとなみが 
私はたまらなく好きだ
                                                                林芙美子


〈簡単なあらすじ〉

大阪市の南の外れ、天神ノ森
岡本 初之輔(上原 謙)と妻・三千代(原 節子)は、東京から転勤してこの地に暮らし五年が経つ。
熱烈な恋愛結婚から、慎ましやかな結婚生活を経て、いささか倦怠期に差し掛かっていた。

ある日、
初之輔の姪の里子(島崎 雪子)が、親から勧められた縁談を嫌って、家出同然で東京から訪ねて来た。

20歳の里子は、自由奔放で叔父の初之輔にまで誘惑する様な素振りを見せる困った居候だった。
三千代が同窓会で家を開けた日、家事を里子に頼んでいたが、帰宅した初之輔とふざけあう内に里子は鼻血を出してしまう、、
遅くに帰宅した三千代は、晩御飯の支度もせずに二階で寝ている里子への嫌悪感と同時に二人の関係まで疑う様になる。

また、向かいに住む谷口(浦辺 粂子)の息子・芳太郎(大泉 滉)は、里子に一目惚れしてしまい、気に入られようと必死だが、里子は全く興味が無く芳太郎は適当にあしらわれている。

一方、昔から三千代にほのかな想いを抱いていた従兄の竹中一夫(二本柳 寛)は、初之輔との不和を察知して箱根旅行に誘うが、三千代は誘いを断った。

初之輔は、仕事ぶりは手堅く、株にも手を出さない地道な銀行員だが、同僚から再三、株を勧められ、仕方なく株屋の丸山(田中 春男)の話を聞きに行った宴席で泥酔してしまい、向かいの二階に住む丸山の妾・りう(音羽 久米子)に送られて帰宅するが、その初之輔の姿を見て、三千代はほとほと呆れてしまう。。

その後も度重なる里子の初之輔や芳太郎への身に余る行動と、初之輔の優柔不断な態度に業を煮やし、遂に里子を東京に連れ帰り、三千代自らも家出する形で実家へ帰ってしまった。


この夫婦に、また仲睦まじく「めし」を食べる日が戻って来るのだろうか…‥?

………………………(★ネタバレしますm(__)m)


なるほど、
シリアスになり勝ちな題材ながら、コメディ&シニカルなシーンもありの面白い作品でした。

オープニングから、、
倦怠期に入った夫婦の実情、、
新聞を読みながらタバコをふかす夫よりペットの猫ちゃんのご飯を先に用意する所等から見て取れる。。

そして「招かれざる客」(笑)里子が、何日滞在するのかと心配する三千代。。旦那の安月給に毎日ギリギリの生活をやりくりしている。。お金を工面するのに質屋が重宝されるのも時代ですね。。

そんな、身を削る様な生活等露知らずの、里子の無神経な物言い「まぁ~クタクタなネクタイ、、もっといいの無いの?」に、過剰反応して拗ねてしまう三千代…‥確かに苦労を知らない小娘に言われたくないのは良く分かる、、
イライラが募っていく三千代の心情の変化。。この辺の持っていき方もスムーズだし、分かりやすい☝

そして三千代、、
ついに我慢の限界ドロップアウト👊
里子の首根っこをひっつかまえて(嘘)無理矢理実家に連れ帰り、自分もついでに(笑)実家に帰ってしまう。。

しかし、無自覚の優男・初之輔には、妻の出奔をいい事に、お節介に言い寄る株屋の妾や、三千代の親友で、初之輔の監視役を頼まれていた小芳(花井 蘭子)までもまさかの!初之輔を好きになってしまう様なシチュエーションになるのは、天性のモテ男なんですね。。(笑)

女友達等から、素敵な旦那様との生活を羨ましがられる度に、三千代は「そんなことはない…‥見掛けばかりのだらしない男…」と思っていたが…‥

東京で再開した友人(中北 千枝子)が、戦争未亡人となり息子を女手一つで育てている苦労を目の当たりにして、、自分はやはり幸せな方なんだと気付く。。

「あなたの傍を離れると言う事は、どんなに不安に身を置く事か、やっとわかった様です。」
初之輔の大事さが身に染みて、手紙を書くが、結局ポストには投函しなかった。。

それは、三千代の直感として、初之輔なら、、
必ず迎えに来てくれるから!だった。

五年間も一緒に暮らし気心知れたモノ同士、
そして、思惑通りに初之輔は迎えに来て、
結局は、、なんだかんだ旦那が一番☝

ラブラブモードに戻り、めでたしめでたし!


ラストの列車内、、
初之輔は、もう一つの幸せの象徴「睡眠」したまま(笑)、、三千代の一人語りで物語は終わる。(三千代の台詞は、流石に時代を感じさせますが、、ここは目を瞑ろうm(._.)m)

結局は元の鞘に収まり、人も羨むお似合いの夫婦へ戻る。。

最初はピリ辛、最後は激甘❗
三千代の作る「めし」は、やはり旨かった!

と、ホッと出来る作品でした。

夫婦危機、
一旦落ち着き視野広げ、
周りを見ればあなたが一番☝

ジアマリ………(苦笑)
markdad

★★★☆

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【上原 謙】さんの、ハンサムが故の優柔不断さ…‥でも、表情から優しさが滲み出過ぎていて、どうしても悪い旦那に見えない所は、ご愛敬か。。(笑)

東京に帰り、解放される【原 節子】さんは、しっかり睡眠も取って安堵に満ちた晴れ晴れとした顔になり、こちらもホッとしますが…‥
姪の里子に対しての、嫉妬して苦虫噛み潰した様な表情は、、これまで私が観てきた原さんには、見られなかった顔でした。『東京暮色』での実母に対する恨みに満ちた時の表情以上でしたね。。

その、八千代の元凶(笑)となる里子役の【島崎 雪子】さんは、、三千代と正反対の生活観の無い自由奔放なお嬢様!終いには三千代に恋心を抱いていた一夫と結婚する!なんて言い出し、、何故か?一件落着…‥(笑) 何処までも翔んでる娘さんでした!

特筆すべきは【杉村 春子】さん!
まるで聖母の様に娘の三千代を見守る姿!
当時の出演作品では憎まれ専門の役が多かったと思いますが、私が昔持っていた杉村さんの印象「優しい上品なおばぁさん」が甦り、どこか腑に落ちてしまった。(笑)

三千代の実家の妹夫婦役の【小林 桂樹】さんと【杉 葉子】さん、頑固で口の悪い夫とおっとり優しい妻、調和の取れた、持ちつ持たれつの夫婦ですが、小林さんが「ビシッ」と里子を諭す場面は痛快でした(笑)

三千代の従兄・一夫役の【二本柳 寛】さん、、イメージでは恰幅のよい強面。。本作では優しいお兄さんを装いm(__)m猫撫で声?に違和感ありでした(笑)が!若い里子を最後にGET!技能賞モノでしたね☝

けい子役の【中北 千枝子】さんは、三千代に「気付き」をもたらす、何気に重要な役柄です。成瀬監督から大変重宝された女優さんだったのだと、つくづく思いますね。

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本作は、
小津安二郎監督に対するアンチテーゼ的な意識が随所に感じられる作品で、原さんの配役然り「もしも、成瀬監督が撮ったら?」みたいな作品にも見えてしまいました。(個人的私感ですm(__)m)

独特のカメラワークで芸術的とも言われる小津映画に対して、成瀬監督には人間の興味への視点= 観客目線への拘りを感じます。。

どっちが好きとかの次元でなく、、
其々の卓越した感性の主張を楽しむ事が一番ですね👍

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好きなシーン☝
三千代を迎えに東京に来た初之輔、、
出掛けていた三千代より早く実家に着いた為、ひとっ風呂浴びた帰りに三千代とバッタリ、、
店でビールを酌み交わす、劇中初めてイーブンな関係となり、ほのぼのとした二人、最後に「腹減った!」なんて言う初之輔の、愛らしさが巧く表現出来ていて、、三千代がこの男に惚れた事が良く分かる、とてもいいシーンでした!


気になるシーン✌
オープニングの朝の町並み・人々の習慣(ルーティーン)が写されるシーンで、全く同じシーンが中間でも使われていますが、、あれは意図的なのか?時間が巻き戻りしたのか?等、、一瞬混乱してしまいました(笑)

いつも通り、
最後まで他愛もなくスミマセンでしたm(__)m

「映画レビュー」ブログ再開しましたので今後ともヨロシクどうぞ🎵

追伸
明日は『東京物語』&【香川 京子】さんのトークショーに行って参ります(^○^)