『秋立ちぬ』


何とか、間に合いました!

平成最後の(笑)!映画レビュー❗

最後に選んだ作品は☝

旧作・日本映画から、
成瀬 巳喜男監督作品をチョイスしました❗

数少ない子供主役の作品ですが、、

ほのぼの系コメディかと思いきや……

イメージとは随分違っていました。。

季節は春、世間はGW真っ只中ですが、、

本作は、夏休みから二学期が始まる前までの数週間。。きっと一生忘れることが出来ないであろう、、純情な少年が出会った天使との苦い思い出の物語…‥


◇ 1960年作品(東宝)
監督 : 成瀬 巳喜男
脚本 : 笠原 良三
撮影 : 安本 淳
音楽 : 斎藤 一郎
出演 : 大沢 健三郎、一木 双葉、乙羽 信子、藤間  紫、藤原 釜足、賀原 夏子、夏木 陽介、原 知佐子、加東 大介、河津 清三郎、菅井 きん



〈簡単なあらすじ〉


小学六年の夏休み、
父を亡くした秀男(大沢 健三郎)は、信州から母・茂子(乙羽 信子)に連れられ、銀座で八百屋を営む伯父・常吉(藤原 釜足)の家に世話になる為に上京して来たが…‥


常吉の家には、伯母・さかえ(賀原 夏子)、従兄の昭太郎(夏木 陽介)、従姉の春江(原 知佐子)が暮らしており、母子二人の面倒までは見れなかった。



母・茂子は早々に、旅館に女中として住み込みで働く事になり、秀男一人だけを、常吉の家に預ける事になった。


茂子が働き始めるとすぐに、常連で真珠商の富岡(加東 大介)に気に入られ、二人は恋仲になっていった…‥…


伯父の家での生活にも慣れて、八百屋の仕事を手伝いながら、健気に母との再会を楽しみに待つ秀男。。

ある日、秀男は、昭太郎から母が働く旅館への注文品のトマトの配達を頼まれ、喜び勇んで旅館へ向かったが、、

その途中、地元の子供達に捕まり公園で、苛められトマトを落としてしまう…‥


その時、
近くを通り掛かり、一部始終を見ていた小学四年生の順子(一木 双葉)に慰められ、仲良くなる二人。。


小さな恋が芽生える…‥


それから、
秀男は母が勤める旅館に着くと、その旅館「三島」は偶然にも順子の家であった。


「三島」の女将・直代(藤間 紫)は順子の母で、父・浅尾(河津 清三郎)には大阪に本妻と子供がいる、、二人は所謂、妾とその子であった。


其々、家庭に問題を抱える秀男と順子の夏休みは、、楽しい思い出となるのか。。?


…‥…‥‥‥…‥(★以下ネタバレしますm(__)m)


コミカルではあるが、シリアス増し増し……

大人の理不尽さが、徐々に二人の心を苦しめていく。。


ある日、
海が見てみたいと言う秀男の為に、順子が連れて来た場所が、銀座のデパートの屋上…?だが、遠く霞んであまりよくは見えなかった。。


がっかりし二人は売場に降りて、順子が夏休みの宿題で使う昆虫を買おうとしたが、秀男は「買うのはモッタイナイ」からと、田舎から連れてきた秀男のペットの「カブトムシ」を、貸してあげると約束した…‥


その後、デパートに勤める従姉の春江から、秀男の母・茂子がデパートに来ていた事を聞き、秀男は、直ぐ様、順子と別れて、母を探すが…‥
やっとの事で見つけた母は、秀男にツレない態度をとり、その場で別れてしまった。。

これが、最後に見る母の姿になろうとは想像もしなかっただろう…‥(泣)



茂子と富岡の関係がより親密になり、周囲の目が気になり始めると、秀男を常吉の家に預けたまま、二人は駆け落ちしてしまった。。

勝手過ぎる、目眩く大人ども (`□´)

そして、順子に貸してあげる筈の「カブトムシ」まで、行方不明になってしまい、二重のショックを受ける秀男。。

……………………


一方、
久々にお父さんに会えると喜んで、母と出掛けた順子だが、待ち合わせの場所には大阪の子供達も遊びに来ていて……この子供達に苛められた順子は、自分の立場が分からずに、母に対しても不信感を露にする様になる。。

そして、秀男と順子は⬇⬇

順子「私にはお母さんの産んだ子じゃない姉弟がいるのよ、、訳を聞いたら怒るのよ!私お母さんなんて大嫌い!」

秀男「おらも、もう母ちゃんなんか嫌いずらに!」

不埒な母に取り残され自棄になる秀男と両親に不満を持つ順子は、、

遂に駆け落ち(?)を決行する…‥!!


知り合いのタクシー運転手に嘘をついて、、浦安まで乗せてもらい。。


浦安の広大な埋め立て地から、東雲まで歩き、、



秀男の念願の海で、一杯遊ぶと、、

流石に疲れてしまい、家に帰りたいと言う順子…‥(笑)



そこで、秀男は転んで怪我をしてしまうが、、

近くを通りかかった人からの通報で保護され、何とか無事に其々の家に送られ帰った二人。。



結局は、小さな抵抗に終わってしまったが…‥
スッキリして帰って来た二人は、また会おうと約束して別れた。。

この駆け落ちのシークエンスは、とてもロマンティックで『小さな恋のメロディ』や『リトル・ロマンス』等を思い出し、何か甘酸っぱいモノが込み上げて来ました。。(笑)

☀☀☀

それから、それから、

夏休み最終日、、


昭太郎とカブトムシを探しに行く約束が、、
女友達に誘われて鎌倉に行ってしまった、全く頼りにならなかった昭太郎兄ちゃん。(苦笑)


しかし、秀男の田舎から送られて来たリンゴの箱の中から偶然にも(笑)「カブトムシ」を発見❗

大急ぎで順子の家に行くが……

🏃🏃🏃

そこはもう、もぬけの殻。。

母子二人は、既に何処かへ引っ越してしまっていたのだ…‥



大人の都合に巻き込まれる子供。。

一体、秀男はこれからどうなってしまうのか?

途方に暮れる、秀男の寂しい背中に、
秋立つ風が吹きつける。。

。。。

なんとも、世知辛すぎる人生を背負わせてしまった所で「THE END」…‥

ここまで無情に貶めてしまうと、子役の二人に厭世感情を持たせてしまってはいないかと、心配になりました‥(苦笑) 

きっと反面教師的に大人が観る子供映画(?)と言うコンセプトだと思いますが、、
小津監督の『お早よう』の様なコミカルさや周りの大人達の優しさ等を、極力排除している成瀬監督のダークサイド的「ヤルセナキ」感が目立つ作品で、他の作品の大人でさえ、ここまでは厳しくされていないと思いました…‥

調べてみると、
これは、若くして父を無くし、早くから働く事を余儀なくされた成瀬監督ご自身の幼少期の体験と重なる作品との事だそうで、、

一体どの様な厳しい幼少期を過ごされたかは分かりませんが、容赦なく大人達の醜態を晒して行く所等は、個人的感情が大きく反映されているのでは?と推察してしまいますね…‥

人生って複雑ですね。(-_-)~~~

またまた、成瀬監督に一本取られた様な?

苦く・切なく・甘酸っぱい作品でした。(笑)

★★★☆

…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥


⬆「母ちゃん、それはねぇずらよ!」とでも言いたくなる程に可哀想な秀男役の【大沢 健三郎】くん。踏んだり蹴ったりでしたが、よくガンバリました⭕



⬆天使 = 順子役の【一木 双葉】ちゃんの出現で、希望に満ちた展開を予想しましたが、、トンでもありませんでした。。

「台所のおばさん(菅井きん)に聞いたんだけど中年のおばさんって恐いんですってよ」という順子。。大人みたいなオマセな口調に本来は笑ってしまうシーンなのでしょうが、、

「きっとそうよ!中年の女がね、男に狂うと子供の事なんか忘れちゃうんだって」
と大人の噂話を受け売りする順子。

なんて台詞を子供に言わしてんだっ!(怒)

天使から、ある意味「悪魔」になってましたね m(__)m


⬆茂子役の【乙羽 信子】さん、薄幸の未亡人の色気は確かにありますし、寂しいのも良く分かります。。それでも、していい事と悪い事ってありますよね?今回は呆れるばかりで、いくら乙羽さんでも許せませんでした…‥(苦笑)


⬆先にも述べましたが、もう一回言います(笑)
昭太郎役の【夏木 陽介】さん、カッコいい事言って、優しい所はあるのですが、殆ど頼りにならない、遊び好きなナンパな兄ちゃんでした。。(大笑)


⬆典型的、噂好きでおしゃべりな旅館「三島」の調理係のおばさん【菅井 きん】さん。絶妙なイヤミは、もはや名人芸の域でした!
噂話全てが順子に筒抜けですよ☝

…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥…‥



何処かで観た事がある風景だと思っていたら…‥川島雄三監督の『銀座二十四帖』と同じロケ地で、大坂志郎さんが絵を書いていた(実は張り込み…)川沿いや、月岡夢路さんの料亭と同じ場所が使われている様ですね☝

ホントに最後に✌
本作公開当時の併映作品が、黒澤明監督作品『悪い奴ほどよく眠る』だったらしいです。。どちらの作品も、悪い大人達が出て来るという事で、コンセプトは間違ってないですね👍(笑笑)


★それでは、令和時代も、何卒ヨロシクお願いいたしますm(__)m