『ビル・エヴァンス/ タイム・リメンバード』
このところ、
中々、都会方面に足が向かずに、
くすぶっていたら……
チラホラと上映が終了してしまい、、
諦めかけていましたが……
流石❗我らが県民の心の友「キネマ旬報シアター」!(笑) で上映が決まり!
此方でやっと鑑賞出来ました❗
[BILL EVANS / TIME REMEMBERD ] (アメリカ)
監督 : ブルース・スピーゲル
出演 : ポール・モチアン、チャック・イスラエルズ、ジャック・デジョネット、エディ・ゴメス、ゲイリー・ピーコック、ボブ・ブルックマイヤー、トニー・べネット、ジョン・ヘンドリクス、ジム・ホール、ウォーレン・バーンハート、マーク・ジョンソン 、ジョー・ラバーベラ、ハリー・エヴァンス、デビー・エヴァンス…&スコット・ラファロ
多くの名盤・名演奏を遺し、音楽界に多大な影響を現在も与え続ける、唯一無二の天才ジャズピアニスト 【ビル・エヴァンス】
彼の波瀾と苦悩に満ちた51年の生涯を、家族や盟友の証言等を元に構成されたドキュメンタリー。
彼の肉声やプライベートショット等も観られる貴重な作品。
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【ビル・エヴァンス】(1929.8.16- 1980.9.15)
幼い頃から、兄【ハリー・エヴァンス】と共にクラシック音楽を学び、十代ではジャズに興味を持つ様になる。
1954年、兵役を終え、ニューヨークに渡り、ピアニストとして音楽活動をスタートさせると、1956年に初のリーダーアルバムを発売するが、不発に終わってしまう……
1958年【マイルス・デイビス】に見いだされ名盤"カインド・オブ・ブルー"に参加しその才能と実力を世に知らしめると、
1959年には、ベースの【スコット・ラファロ】ドラムの【ポール・モチアン】とトリオを結成、後世に残る名演奏を繰り広げた。
正に順風満帆の音楽人生かと思われたが……
その後、薬物への依存と盟友スコット・ラファロの不慮の事故死により、次第にビル自身の根幹が崩れて行く。
自らの軽率な行動から、十年以上共にしたパートナー、エレインを自殺に追いやってしまうが、、その二ヶ月後、愛人だったネネットと結婚し1975年、息子・エヴァンを授かる。
しかし、薬物への依存は変わらず…日に日に度を増して行き、必然的にネネットとも別れる事になる。
そして、最愛の兄、ハリーの他界を期に、ビル自身も度々、死を仄めかす発言をする程、精神が疲弊していく「生きている理由がない」と……
1980年9月、体調不良のまま【マーク・ジョンソン】【ジョー・ラバーベラ】とのトリオでステージに立ち続けたが、遂に演奏も儘ならない状態となり、病院へ向かう途中、大量の吐血によりそのまま入院、9月15日、最後の恋人となったローリーに看取られる形で息を引き取った。
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私の印象、、
【ビル・エヴァンス】のピアノは、特殊な音色を奏でる。
確かに一見「分かり易くて心地よい!」と感じると思いますが、、私には難解に感じる事もあり、ツイツイ構えて、聴き入ってしまいます(笑)
彼の指から鍵盤に伝わる音は、、
クールのようでいて、時に、内向的な深い悲しみや怒りであったり、穏和な柔らかさであったり、朗らかに力強くスイングしたり、、ビル・エヴァンスと言う人間そのモノを吐露している様な音に魂を揺さぶられます。。
それは、マイルスやコルトレーンの音、ダニー・ハサウェイの声等も然りで、剥き出しの感情が伝わってくる。。
彼にとってピアノとは?
ありのままの自分を表現出来る唯一の手段で…彼が追求した音楽は胸を締め付ける程に儚く美しい「真実」だった。
しかし、そんな彼は……
ミュージシャンの宿命の如くついて回る、薬物と言う「悪魔」に身も心も捧げてしまう。
ドラッグが原因で自身の死期を早めたのは間違いないだろうし、あまりにも身勝手過ぎる常軌を逸した行動もあっただろう。
そして、死との対峙……感受性が強く、繊細すぎるビルは、恋人や兄の死によって、耐え難き虚無感に襲われる。。
それでも、
彼の家族への純粋な愛情は、、
恋人のエレイン、兄のハリー、姪っ子のデビー、妻のネネット、息子のエヴァン、最後の恋人ローリー、そして演奏を共にした多くの盟友達へ、存分に注がれたと思うが……
同時に、沢山の苦しみも皆に背負わせ、逝ってしまった。
そんなビル・エヴァンスの破滅的な人生を、カッコいい!なんて軽はずみにも言えないが、、
顔を真下にうつむかせ、目を瞑りピアノを弾く、あのクールな姿は堪らなく魅力的に映る…
伝説となった男が弾く美しいピアノは、聴く度に様々な色に変化する。今はきっと私自身の感情が彼のピアノのニュアンスをコントロールしているのかも知れない……
暫くはそんな錯覚に陥りながら、彼の作品と同化していたいと思います。
ビル・エヴァンスとは、どんな人物だったのか?
「わからないよ、でも知るべき全ては、その音楽にある。」※チャック・イスラエルズ氏談
本作は、ビル・エヴァンス ファンのみならず、音楽が大好きな方々に、是非観ていただきたいと思える作品でした。
「音楽」に一番大事なモノは何か?
の答えが、見つかるカモですよ。。
★★★☆
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続いて、
ビル・エヴァンスの素晴らしき音楽の世界をどうぞ☝
🎵♪🎵♪🎵♪🎵♪🎵♪🎵♪🎵♪🎵♪🎵♪🎵
注 : 私自身はジャズを聴き倒している訳でもなく、音楽理論を完全に把握している訳ではありません……只の音楽好きのオッサンの単純な感想をお許し下さいm(__)m
『PEACE PIECE』"EVERYBODY DIGS"
スコット・ラファロ亡き後、後釜として参加したベーシスト【チャック・イスラエルズ】氏の
コノ曲への解釈は「仰る通り!」でグッときました!
「聴いたらわかるさ、その素晴らしさが、泣きたくなるよ…」
単調なリフとインプロビゼーションが延々と続く。。次第に高揚して登り詰めると、また抑揚を効かせて静かな余韻を奏でるアウトロに至るまでのプロセスが胸アツな一曲です❗
『BLUE IN GREEN』"KIND OF BLUE" by Miles Davis
帝王【マイルス・デイビス】に見初められて参加したアルバムから、一際、美しい作品。(クレジットではマイルスの作曲となっていますが…)如何にもビル!やはりコノ曲がビル・エヴァンスの真骨頂的作品で一番好きです!渋くて、切なくて、いつ聴いても感動がホトバシリます!
『WALTZ FOR DEBBY』
兄ハリーの愛娘・デビーの為に作られた作品。美しく流れるコード進行に軽やかで優しいメロディー、ビルの純粋な愛情が垣間見えてあまりの優雅さにウキウキしてきます❗【スコット・ラファロ】"ならでは"のベースがビルのピアノに絡んで、まるで童心に帰って楽器遊びをしているかの様にも聴こえる名演です❗
『MY FUNNY VALENTINE』by Bill Evans & Jim Hall
ジム・ホールとのギター・ピアノデュオの名盤!幻想的で耽美なアルバムジャケットと相まって、二人の音が融合して一つになる瞬間が心地よくてクセになります☝互いのソロとバッキングの入れ替わりがオモシロくて、デュオの醍醐味を存分に味わえます❗
『YOUR STORY』
後期の名曲。亡くなる僅か二週間前に録音されたライブテイク。直情的な強いタッチで苦しみや痛みをダイレクトに訴えかけている様な作品。聴いているとゾワゾワとした緊迫感さえ感じ、涙が溢れそうになります。。。
『MY FOOLISH HEART』by Tony Bennett Bill Evans
前述の名盤"WALTZ FOR DEBBY"に収録されていた曲のボーカルバージョン。
「美と真実のみ追求しろ、他は忘れろ」
ビル・エヴァンスが生前、電話でトニー・べネットと話し、最後に告げた言葉。。
死する直前までも、音楽とピアノを厳しく追求していた、あまりにもピュアなビル・エヴァンス、、多くの人を、巻き沿いにして、傷付けて来た男だが、、音楽の為なら犠牲も已む無しとして生きて来たと言うなら、、彼の人生に合点が行ってしまう。。
「自分の音楽を、ゼロから創り出したい、積み上げるように……というのは、一音を弾くごとに、自分が見えてくるんだ」
映画の序盤で語られた彼自身の希望と自信に満ち溢れた言葉、、
天才ビル・エヴァンスの宿命だったかのような最期を知る程に、この言葉が、悲しみを伴って響いて来た。
R.I.P. Bill Evans
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