眼科医院、歯科医院、整形外科の診療所経営コンサルタント 高野聖義(昌則)です。
技工所経営は2010年をむかえても苦しい状況が続いております。
歯科技工業界の労働環境は良いとは言えず、若手の歯科技工士の方が技工士を辞めて他の仕事に移るケースが多く見られます。
ただ、歯科技工士以外の仕事で適した業種というものは少なく、転職後本人のかなりの努力が必要となってきます。歯科技工所の中ではどうしても世界が狭くなり、広い視野に欠けているような場合もあります。本人がどこまで勉強できるのかということが、他の業界で成功できる要素となってくるようです。
成功されている例としては、弊社会長の小山の支援先で宝石の販売員として成功されているケースも見られます。技工物と宝石加工というものは、業務内容としては近く、技工所によっては宝石の加工を行われている場合もあります。しかし、宝石業界も不況の中経営は苦しく、多くの社員を雇う余裕はないのかもしれません。
ラボの経営としては、営業面の拡張が必須です。一部大手技工所では営業代行を依頼しているケースもあります。歯科技工士の方が営業もできるということは少なく、社長が営業を行っている場合も多いのが実情です。技工士の方が、異業種の営業マンとして働くケースも困難が多いということも事実です。
歯科医院業界を維持するためには歯科技工所がなくてはなりません。しかし、歯科技工所経営は楽ではありません。この難しさを実感されている経営者の方も多いのです。
このような状況を乗り切るためには、歯科技工所としての強みが何か、どんな技工物であれば一番力が発揮できるかという部分の強化が必要です。更に長期戦略で考えた場合、設備投資が必須です。個人ラボですと大きな投資はできません。しかし、大きな資本を持つ企業であれば、積極的な設備投資が可能です。数千万円の投資ができるようなラボが生き残るような状態になるかもしれません。