2018年7月28日土曜日

UNESCO世界遺産でもあるオランダUitgeestにある「Fort Kijk」博物館を観光しました。

住所:Lagendijk 22 in Uitgeest

知る人ぞ知るUNESCO遺産!

Fort Kijkは抄訳すると「砦見よ!」でしょうか。

つまり防御のための砦です。

「何を防御するのか?」というとアムステルダムです。

アムステルダムの約50km放射状にかつて34あまりの砦ありました

(今全部残っているかどうか、この博物館ではわかりませんでしたが・・)

今は下草や樹木が取り払われ、看板がちゃんとあります!

ですが、かつてはやや小高い位置にあり、

樹木や茂みにカモフラージュし、

外からは見えにくいところにこの砦がありました。

もともとの見張り小屋があったようですが、

1800代に今の形が形成されたとか。

英語とオランダ語のWi-Fiオーディオ解説があり、

古城好き♪人間はうなってしまうつくりになっています。

 

オランダは低地の干拓地で、この周辺はVeenという泥炭したいです。

細く長く掘りをめぐらし、かつては風車を使って排水していました。

その排水の小高いところにDijk(堤)を築き、

また見えにくく樹木や茂みでカモフラージュした砦もきずきました。

目印をつけ、敵が300m、600mとどのくらい近づいているのかすぐわかるようにし、

そのために、オランダは特にこの周辺の新規建築物には厳しい規制があります。

 

アムステルダム市より離れているのは、いざとなれば、この砦郡が前線基地になります。

都市部と農村部の人間を集めて、籠城できるよう運河の水を飲料水とし、

ポルダーの作物、飼っている牛や羊をつぶして食料にし、

戦えるだけのスペースを確保するためでした。

日本でいうと、小田原城の「惣構え」に近いでしょうか。

かつて京都も、小田原攻めで学んだ秀吉が

京都の周辺に土塁を築いていたそうです

(今は、ありません。跡は残っているのかな?

ご存知の方は教えてくださいね)

 

今はこの砦はコンクリートやべトンで固めていますが、

かつては粘土や土で固めていました。

石垣は、オランダで石は貴重で高価なのと、専門の石職人が必要でかなりコストと時間がかかります。

でも、粘土や土、土嚢で固めると、都市の老若男女、子供も砦を築く作業ができるからです。

このあたりは、小田原の惣構えと同じ知恵があります。

また、土や土嚢、粘土の砦だと、砲撃を受けても、石と違って味方の被害が最少に食い止められ、

修理も簡単だからです。

 

九州より少し小さい都市国家のオランダですが、

イギリス、ドイツ、フランス、スペインなど大国に囲まれ、

数百年も戦争が続いてきたヨーロッパで生き残ってきた知恵がてんこもりの砦でした。

 

オランダに観光にくると

「ポルダー(干拓地)に緑がたっぷりと広がり、

子羊や牛が平和そうに草をはみ、

なんて平和で幸せな国なんだ」とかんじるでしょうが、

実はその牧歌的でのんびりとした背景には、

なんと砦のカモフラージュで!!

いつ戦争が始まっても大丈夫な難攻不落の砦だったんですね!

オランダ人の知恵にはおどろかされます・・

今は水鳥や自然豊かでそれも楽しめます。

ここまで丁寧に
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