酷道・険道と同じくらい大好きな、橋・トンネル
そしてダム
大渡第一トンネル ( 延長135m )
橋は欄干のない沈下橋や高い高〜い吊り橋。
トンネルは苔むした中にも造形美が溢れる、例えていえば『 天城越え 』の天城隧道のような、険しい山岳地帯をやっとの思いで掘り抜いた歴史を感じられるものや、硬い岩盤を長い年月をかけてツルハシで堀ったそのまんまの"素掘り" の状態で残っているもの
隧道と呼ばれた時代の芸術作品ですなぁ〜
ダムはローでもハイでもどっちでもいい
目的も用途もなんだっていい
とにかく堰堤好き
そんな古き良き時代の土木遺産・芸術作品ともいえる建造美を、ちょこちょこ取り上げていきたいと思います
①大渡隧道
高知〜松山間を繋ぐ国道33号線の旧道部分に残存する美しいトンネル
巨大なピラスター、アール・デコ調の線刻模様等、城門のような美術的な造形で近代土木遺産に指定されている土佐の名建築
1932 ( 昭和7 ) 年竣工
延長32m 幅員5.4m 高さ5.5m
〔 国道33号 〕
662年、久万官道として高知と松山を結ぶ道が開かれ、この道は後に "松山街道 ( 土佐街道 )" と呼ばれるようになる。1886 ( 明治19 ) 年、四国の道の大改修が始まり、改修工事は1894年 ( 明治27年 ) に終了。1920年 ( 大正9年 ) 4月1日、高知〜松山間が『 県道松山高知線 』に認定される。1945年 ( 昭和20年 ) 1月18日、内務省告示第1号により "東京市ヨリ高知県庁所在地ニ達スル路線" を延伸する形で高知〜松山間が国道に認定され、『 国道23号 "東京都ヨリ愛媛県庁所在地ニ達スル路線 ( 乙 )" 』となり、1952年 ( 昭和27年 ) 12月4日には新道路法に基づく路線指定で旧23号の高知〜松山間が『 一級国道33号 ( 高知県高知市〜愛媛県松山市 ) 』に指定される。そして1965年4月1日、道路法改正により一級・二級の別がなくなり、一般国道33号となる。
( ※ ) 2015年4月1日、『 三坂道路 ( 地域高規格道路 ) 』の完成により、かつての三坂峠越えの愛媛県上浮穴郡久万高原町東明神〜愛媛県伊予郡砥部町大平までの延長9.2kmの区間 ( 三坂道路の交点〜交点 ) が国道33号の指定を外され、愛媛県の管理となった。国道440号との重複区間の一部であったため、この区間は国道440号の単独区間となった。
( Wikipediaより )
それでは いざ 大渡隧道へ
国道33号線を高知市から松山市方面へ約1時間30分。
愛媛県との県境にある高知県吾川郡仁淀川町大渡にそれはあります
写真は松山市から高知市方面への帰り道に立ち寄ったときのもの
そちら側からの "御対面〜" が一番ときめくのデス
ポツリポツリとある民家の間の狭い道。
その道こそ、かつての国道33号 懐かしき旧道
旧道奥へ進むと . . .
( ※ ) こちらは愛媛県側の隧道出口です
この美しい坑門 まさに芸術品です
( 愛媛県側より高知県方面を望む )
この巨大ピラスターの、なんと美しいこと
[ ピラスター ]
壁面より突出した形で作られる装飾用の付柱。
( 高知市方面を )
東側の坑門 ( 高知市側 )
国道33号の起点は高知県高知市なので、こちら側が隧道入口
なぜ この場所を切り通しにせずに、わざわざこんな短い隧道を掘ったのか
その理由は、隧道上部の石垣の向こう側にあった施設にあります
真上に見えるのは桜の木🌸
桜の木の周囲に柵が見えています。
その柵の向こう側、隧道の直上には かつて水力発電用の施設 ( 貯水槽と導水管 ) があり、それらの構造物があったため切り通しではなく隧道を掘ったようです
( 現在は一本の導水管を残し、他は撤去されています )
( ※ ) 施設跡地は現在も四国電力が管理。
当時の道路事情が一番よく分かるポイント
イイ〜 眺めです
新道:左 片側一車線 二車線道路
旧道:右 一車線道路 ( 平成18年に舗装路となる )
そして導水管
四国電力 大渡発電所 と仁淀川
( 下流、高知市方面を望む )
懐かしいなぁ〜
『 TEXAS 』
( ※ )廃店舗。営業はしていません
大好きだったな〜
店の前には馬を繋ぐための鉄の柱 ( ) が取り付けられていたけど ( 店名に因んだシャレ )、さすがに馬で乗りつけた人はいなかったそうwww
TEXASから少し上流 ( 松山市方面 ) へ走ると、大渡第一トンネルに到着
トンネル手前を左に分岐すると大渡ダム
仁淀川水系仁淀川にある重力式コンクリートダム
建設工事着手:1968 ( 昭和43 ) 年
完成:1986 ( 昭和61 ) 年
堤高96m 堤頂長325m
県内でも有数の茶産地であり、湖畔は春になると大勢の見物客が訪れる桜の名所🌸
約3.000本の桜の木が植えられています🌳
ダム湖は霧がかかることから茶霧湖と名付けられ、親しまれています
私の若かりし頃は、デートも遊びもドライブといえば
「 大渡ダム行こ 」
でしたね〜
バイクの免許を取ったときも ( 中型 ) 、湖畔や公園の周辺を行ったり来たりしながら練習したな〜
思い出がいっぱい
ちなみに私の結婚指輪もダム湖の底に 笑笑
茶霧湖湖畔は桜の名所🌸
そして結婚指輪は水底で安らかに眠るwww
対岸は県境手前の橘洞門
洞門をくぐると愛媛県上浮穴郡久万高原町中津
( 松山 ⬅︎ 橘洞門 ➡︎ 高知 )
2020年 ( 令和2年 ) 2月、橘洞門のある危険な岩盤区域をショートカットした橘中津トンネルが開通
土佐の三大祭 秋葉まつりで有名な秋葉神社のある仁淀川町別枝地区へは、従来通り洞門方面へ進み、緑色の《 別枝大橋 》を渡ります
高知県吾川郡仁淀川町別枝 『 岩屋川渓谷 』
岩屋川渓谷と橋
【 久喜橋 】
昭和10年に作られた、鉄筋コンクリートの沈下橋。
共に現存する高知県で最も古い沈下橋と言われており、今も山里の生活道路として利用されています
国土の歴史的景観としての価値並びに造形の規範となっていることから、2004年3月、国の登録有形文化財に指定されました パチパチ
ちなみに曽祖母の里が久喜集落で親戚がいるので、私もよく利用させていただいてます
この辺りは川幅が狭く、大雨が降る度に激流と化します
そんな過酷な状況の中、長い年月を耐え抜いてきた久喜橋
大切に守っていきたい、素晴らしい土木遺産です