ランボー ラスト・ブラッド(原題 Rambo Last Blood)
出演 シルヴェスター・スタローン
監督 エイドリアン・グランバーグ
スタローン大好きな僕にとっては,ロッキーが光なら,ランボーは闇といった対極にある映画の登場人物の存在です
実はこの作品が作られるのではないかなぁという予兆のようなものは,前作,ランボー 最後の戦場をスタローンのコメンタリーで観た時から漠然と抱いていました
そのコメンタリーの最後で,“ランボー,故郷に帰る,だが,疑問点は,彼はそこに留まるのだろうか?”とスタローン自身が言って,コメンタリーを終えていたからです
何故かこの言葉がずっと頭に残っていたんですね
今作が作られると聞いて,素直に嬉しかった反面,これまでの作品から見劣りするようなチープな作品にはなって欲しくないという強い思いがありました
勿論,アクション映画なんですが,トラウマを深く心に刻み込まれた,悩める戦士…
ちょっとした火花で爆発しかねない心の闇を抱えギリギリのところで生きている…
能力があるが故に巻き込まれてしまう闘い,しがらみ…
PTSDと今は言われる,戦争が人にどれだけの傷痕を人に残して,苦しませるのかといった人物描写にとっても惹かれていたんですね
理屈とかではなく,僕の血が騒ぐという根源的なところで興味があった人物なので,大好きなんです
心待ちにしていたこの作品,いつまで経っても日本公開の話題ひとつ出ず.契約が上手くいかなくて日本公開はなくなったんだなぁと思い,アメリカ版ブルーレイで鑑賞しました
できることなら銀幕の大画面と,お腹に響く大音響で観たかったものです.ただただ残念
実はアメリカやイギリスで公開されたのは89分の上映時間の作品で,オーストラリアやドイツ,メキシコなどで公開されたのは101分の上映時間の作品
つまり2つの劇場公開版があるんですね
なので,仕方がないので,調べてみて,フランスでリリースされたブルーレイでも鑑賞しました
ちなみにフランスやドイツのブルーレイのリージョナル・コードは日本やアメリカとは違うので,普通の日本国内で販売されているブルーレイ・プレイヤーでは再生できませんのでご注意を
ネタバレはしない主義ですから詳しくは書きませんが,どちらかといえば僕は101分の公開版の方が好きでした
しかしまぁ,怒りの激しさに比例してヴァイオレントなこと.当然,描写もかなりな…
スプラッター系の作品がまるっきり,まったくダメな僕でも観られたということと,前作の最後の戦場を観られるのであれば大丈夫でしょうということがある意味ガイドラインですが,それでもかなり強烈かつ壮絶なヴァイオレントな描写.そしてそれは強烈なカタルシスにもなる訳ですが
またそれはランボーの怒りの激しさの表現なのですが,それでも驚くほどの描写は人によってはグロテスクと思われる方もいらっしゃるでしょうね
なんとなくなんですが,僕は1作目の影響というか,原点回帰という印象が色々なところで感じられました
他の方の感想は分かりませんが,僕にとっては“哀しい”作品というのが一番の感想です
ですが,とっても大好きな作品です
作品が終わった後,あぁ,ランボーの作品も完結なんだなぁと,ふと感じました
誰しもが心に想う,大切にしているものを壊されたり,奪われたりした時,ある人は悲しみに暮れる.ある人は自暴自棄になってしまう.また,ある人はやり場の無い怒りを抱えて生きざるを得ない
しかし,ランボーは“復讐”の仕方を知っていて,実行できる
そして孔子の言葉に“復讐の旅に出る者は,旅の前に二つ墓穴を掘れ”といったような言葉があったと思うのですが,結果,自らにも傷痕を更に刻み込んでしまうことになってしまう
生涯逃れられない“業(ごう)”なのでしょうかねぇ…
何故かしら,僕はランボーの姿に,黒澤明監督の史上最高の傑作,七人の侍の志村喬さんのセリフを思い出して,姿を重ねてしまうことがよくあります
“また生き残ってしまった”
僕は,この作品,大好きです


