あけましておめでとうございます(と、ひとまず言っておきます)。
ニュース『おれんぢ通信』新年号の一面記事を書いています。
ロシア軍ウクライナ侵攻や、安倍銃撃死などに触れながら、簡単に2022年を振り返り、「地域運動の専従者」たる市会議員としての今年23年年頭の決意表明のようなことを書くつもりが、森友問題のところで長くなりすぎてしまい、これ以上書き進めるととんでもなく長くなってしまうので、森友の件だけで結んでしまいました。
「森友学園問題を考える会」としての年頭の声明文のようならともかく、市会議員の年頭の決意表明としては、森友問題ばかりでバランスが悪すぎるため、このままでは使えないのですが、捨てるのももったいないので、ブログに載せることにしました。
・・・というような経緯なので、書き出しと結びではほとんど別の文章のようになっていまし、校正もきちんとしていないので、誤字・脱字や文章のこなれていないところもあるかと思いますが、まぁ、ご容赦ください。(長文です)
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2023年の新年を迎えました。ありふれた言い方になりますが、昨年もやはり、激動の一年でした。2月、ロシア軍がウクライナに侵攻。安全保障上の深刻な問題であることはもちろん、原油や天然ガスの供給不安定化により世界的な物価高騰を招いています。7月には安倍元首相が銃撃され死亡。その後、旧統一教会と政界との癒着ぶりが次々と明らかとなりました。岸田政権は年末に安保三文書を閣議決定し、軍事費倍増と敵基地攻撃能力保有を方針化。原発の新増設も打ち出しました。コロナ禍はくすぶり続け、ウクライナ危機と円安によりあらゆる物価が高騰。とても「おめでとうございます」と言える状態ではありませんが、ともあれ、新年です。
◆府民の声を無視してカジノ誘致をゴリ押しする吉村・松井・維新
“イソジン”吉村、“雨がっぱ”松井、“不祥事の百貨店”大阪維新の会がゴリ押しするIR=カジノ計画をめぐっては、昨年春、「カジノの是非は府民が決める」をスローガンに、地方自治法に基づき住民投票を求める署名運動が取り組まれました。私自身も積極的に関わり、法定数を大幅に上回る21万筆が集まりました。豊中市議会でも市民からの請願が採択され、住民投票実施を求める意見書が吉村知事あてに送付されました。「市議会始まって以来初めて」かどうかは不明ですが、少なくとも数十年間なかったことです。ところが、大阪維新が数を握る府議会は府民の願いを無視し、住民投票条例案をあっさり否決してしまいました。その後は、国に対してカジノ計画案を承認しないよう求める運動が続けられています。
◆森友問題 赤木雅子さん裁判で不当な判決
豊中市野田町の国有地を森友学園に売却した売買契約書を開示請求したところ、肝心要の金額が非開示(黒塗り)とされたのは不当だとして、2017年2月、私は国を相手に裁判を起こしました。これが大きく報道され、一連の森友問題が明るみに出るきっかけとなりました。以来、間もなく6年になろうとしていますが、問題は何ら解決していません。公文書改ざんを強要され自死に追い詰められた赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、改ざんの総指揮者だった当時の財務省理財局長・佐川宣寿氏に対し損害賠償を求めていた裁判では、昨年11月、提訴から2年8か月ぶりに判決が出ましたが、原告・雅子さんの訴えは棄却。国家賠償法上、公務員の職務上の行為に対して個人の責任は問えないとする形式論だけの不当な判決です。裁判で雅子さんは、佐川氏個人だけでなく国も訴えていたのですが、当初全面的に争っていた国が、一昨年12月、突然、原告・雅子さんの請求を全て受け入れ賠償金を満額で支払うことで裁判を終結させる「認諾」という手続きを取ったのです。「なぜ夫は自ら命を絶たねばならなかったのか、その真実が知りたい」という一心で、絶望の淵から立ち上がり、勇気を振り絞って裁判に訴えた雅子さんに対し、賠償金を支払って裁判を強制終了させるという国のやり方は「税金1億円で疑惑にフタ」としか言いようがなく、全国から怒りの声が噴出しました。認諾により、国を被告とする部分は終結、佐川氏個人についてのみ裁判が続いていましたが、その部分についても不当な判決が下された、というわけです。
◆森友問題は「過去の話」ではない
10億円相当の国有地を、ありもしないゴミを口実に“アベ友学園”にタダ同然で売却。そのことがバレそうになると、国会では虚偽答弁、都合の悪い文書はこっそり破棄し、果ては公文書改ざんという国家犯罪までしでかした・・・。そうしたことは、全て、客観的証拠によって事実として確認されています。ところが、今に至るまで、政治家は誰一人何の責任も取っていないのですから、森友問題は何ら解決などしていません。森友問題発覚以降、国会での虚偽答弁、文書や資料の隠ぺい・改ざん・捏造が次々と明らかになりました。「モリ・カケ・サクラ」(森友問題・加計学園問題・「桜を見る会」疑惑)などと呼ばれますが、他にも、自衛隊日報隠し、基礎統計調査の不正、「働き方改革」関連での裁量労働制労働時間データの改ざん、入管法「改正」関連での外国人技能実習生聴き取り調査の捏造・・・等々、枚挙に暇がありません。全てに共通するのは、「発覚しても誰も何の責任も取らない」ということ。森友問題をこのままうやむやのまま終わったことにしてしまえば、「騒ぎになっても、知らぬ存ぜぬで押し通せばなんとかなる」という悪しき前例を作ることになり、今後も同じようなことが繰り返されるでしょう。
森友問題の発端は安倍政権の時。その後、菅~岸田と政権の顔は替わりましたが、決して過去の問題ではありません。「ウソと隠ぺいと改ざん」「開き直り・居直り」の“アベ政治”を清算するつもりがあるのかどうか、今の政権の姿勢が問われているのです。残念ながら、岸田首相にはそのつもりは全くないようです。一昨年12月の赤木雅子さん裁判での「認諾」は、岸田首相の了解の上でのことですし、雅子さんの“第二の裁判”(*)でも、国は全面的に争う姿勢、つまり「何が何でも隠し通す」ということ。岸田首相が財務大臣に「隠さず出しなさい」と一言指示すれば、こんな裁判など必要ないのに! 雅子さんの最初の裁判で国が「認諾」した直後の世論調査では、なんと80%が森友問題の再調査が必要と回答しています。ところが岸田首相は、一昨年夏の自民党総裁選出馬の時以来、一貫して再調査を拒否し続けています。「特技は人の話を聴くこと」という首相ですが、いったい誰の話を聴いているのでしょうか?
(*)森友問題をめぐっては、私自身を含め全国でたくさんの市民グループ・個人が、財務官僚ら38人を背任・有印公文書変造など9つの容疑で刑事告発。いったん不起訴となった後に検察審査会が「不起訴不当」を議決しましたが、再捜査を経て全て不起訴に。不当ではありますが、とにかく捜査は終結したので、財務省が検察に提出した証拠書類は全て返還されたはずです。雅子さんは、この証拠書類一式を開示請求したのですが、財務省は書類の有無すら明らかにしないまま不開示と決定。この決定の取り消しを求めて提訴したのが“第二の裁判”で、現在、大阪地裁で審理中。
◆森友問題追及は岸田政権の姿勢を問いただすこと
その岸田首相が、原発推進を表明、敵基地攻撃能力保有と軍事予算倍増を打ち出したのです。福島事故から何も学ばず、最も厳格な憲法順守を求められる首相の地位にありながら憲法を無視する。しかも、国会での議論も法令改正も、もちろん憲法「改正」もせず、国会論戦すらすっ飛ばし、単なる閣議決定だけで済ませてしまう。この手法は、まさしく“アベ政治”そのものです。
昨年9月、安倍元首相の国葬が行われました。あらゆる世論調査で国葬反対が賛成を大きく上回る中でしたが、岸田首相は強行したのです。私には、このアベ国葬強行は、首相の“アベ政治”継承宣言だと受け止めました。アベ政治の象徴ともいえる森友問題の真相究明に一貫して背を向け続け、安倍氏が中心的役割を果たした旧統一教会と政界との癒着をうやむやのままにやり過ごし、集団的自衛権行使容認に踏み切った安倍氏と同様、敵基地攻撃能力保有で平和憲法空洞化をさらに推し進め、いつまで経っても道半ばの“アベノミクス”という幻想を振りまいた安倍氏のように“新しい資本主義”という空疎な言葉で経済対策をやってるふり・・・。
森友問題を「過去の話」としてしまうことは、すなわち、「ウソと隠ぺいと改ざん」を、「大騒ぎになっても知らぬ存ぜぬで押し通せば、国民はそのうち忘れてしまう」という傲慢な開き直りを、つまりは“アベ政治”を、許してしまうことです。その先に待っているのは、平和憲法の一層の骨抜き・空洞化であり、自衛隊が他国の領土を攻撃する“戦争国家”であり、格差のさらなる拡大と貧困の今以上の蔓延です。そんなことはまっぴらごめん、絶対に許してはなりません。
森友問題の追及とは、今の岸田政権の姿勢を問いただすことに他ならない。そんな思いを込めて、「森友問題は何も終わってなどいない」と声を上げ続けていくつもりです。
