おこめ券配布が強烈に評判悪いけど、なんでなんかな?
豊中市でも12月議会の初日(11/28)に「おこめ券を市内全世帯に一律4,400円分配布」を含む補正予算案が提出され、ただちに採決され賛成多数で可決・成立。2月上旬からプッシュ式(申請不要)で郵送することになりました。木村も積極的に「賛成」とういわけではないものの反対はしませんでした。
評判悪いのは、
「農協が儲かる仕組みでは?(農協=既得権益者に利益誘導することになる)」
「農協に抜かれる分などの事務費が高すぎる」
「なんでお米なわけ? 現金の給付または税や社会保険料等の還付がベター」
・・・というような理由なのかな、と思われます。
◆農協が儲かる仕組み?
おこめ券は、米穀卸売業者を主たる組合員とする全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)が発行するものと、JA(全国工業協同組合連合会)が発行するものの2種類があり、たとえば豊中市が採用予定の全米販のものは(少なくとも直接的には)農協は関与していません。使えるお店にJA系の店も含まれていますが、ほとんどのスーパーやドラッグストア、米穀店でも使えます。
スーパーやドラッグストアが、農協経由の米を売ってるわけじゃないと思うんだけど。
そもそも、「農協=既得権益者=悪」と決めつけるもどうなのかな? そりゃ、農協は問題もいろいろ抱えているだろうけど、「農協解体」というのはどうなんだろうか???
◆農協に抜かれるため事務費がかさむ?
おこめ券は、「販売価格500円(この金額で購入。ただし今回の場合、大量に買い取るわけなので割引もあり得るとの説明です)に対し、受け取った市民が使う時には440円分にしかならない」というのは事実ですが、それが「農協(あるいは全米販)に抜かれる」ということになるのかは疑問です。当然のことながら、独自で商品券等を作成・発行する場合であっても、事務費はかかるわけですから。
独自の商品券を作り配布する場合、市民に配布するために郵送するなら郵便代がかかりますし、店舗等で販売する場合も販売委託費等がかかります(豊中で以前やった時には郵便局に委託)。それ以前に、商品券のデザイン・印刷、商品券を使える店舗の発掘・開拓、「うちのお店で商品券使えます」のポスターのデザイン・印刷、問合せコールセンターの開設、商品券を販売してくれる店舗との調整・折衝・売れた分の集金、取扱店(商品券を使えるお店)で売れた(商品券が使われた)後の換金作業(含・振込手数料)・・・等々、大変な手間とお金がかかります。
以前の豊中市での商品券事業の場合、事業費全体に占める事務費の割合は24%でした。一方、今回のおこめ券配布でも、豊中市では、全米販に取られる600円(5,000円で購入して4,400円分しか使えない差額)を含めても、総費用11.6億円に対し、それ以外の費用が2.8億円で、ちょうど同じ24%。市の職員の手間がほぼ全くと言ってよいほどかからないことを考えると、むしろ割安感があります。
◆お米しか使えない?
お米券取扱店舗(たとえばスーパー)なら、お米でなくても使えます。お米以外の食品でも日用品でも何でも使えます。要は単なる商品券として使えるわけです。
◆現金給付がベター?
現金の場合、振込先口座の確認が非常に手間となります。マイナンバーと公金受取口座を紐づけている人はまだまだ少数ですし(金融口座との紐づけ自体が気色悪いから、少なくとも僕は絶対やらない)、以前の現金給付の時の口座をそのまま使ってよいかどうかにも必ず確認が必要です。手間も時間もかかります。
例えば水道料金・下水道使用料の基本料金免除などは、特に手間もかからずできると思いますし、「額がショボすぎる」というのなら、それはそれで、主張としては分かりますが、だからと言って、おこめ券配布が農協への利益誘導だとか事務費が高すぎるとかいうのは、的外れあるいは勘違いの感がありますし、実際に事業を行う自治体にとっては事務負担が圧倒的に軽いことは大いに魅力です(職員の手間としては圧倒的に簡単で、ほとんど手間がかかりません。手間がかかるということは、隠れた費用・コストになっているわけで、それが節減できるのです)、ひどい愚策であるかのような主張には違和感をぬぐえません。
別に豊中市をかばうつもりなんてありませんし、「素晴らしい」という気も毛頭ありません。もちろん極右反動の高市自維政権を弁護するつもりなど、1ミリグラムたりともありませんが、それにしても、「そこまでボロカスに言われるほどひどい話かな?」というのは、素朴に疑問を感じているのです。




