家族全員手術自体が初めてなので、何もわからず案内されるまま従う。

がん告知を受けて3日後の木曜日に、麻酔科の先生との診察があった。
この日は母と姉と。
午後は私は仕事があった。


先生とお会いする前にポータブルテレビのような機械で全身麻酔の流れのビデオを見る。
何も知らないよりは安心するが、全身麻酔も危険性がゼロではないので母とビクビクしながら閲覧した。

ビデオが終わると先生とご対面。
こちらでも女性の先生だった。
全身麻酔の流れとしては、点滴を打ったあと鼻から入っていくような感じ。
私の場合は口内を手術するのだから、よくドラマ見る酸素マスクをするというイメージではないらしい。
質問には淡々と答えてくださった。

これが結構時間より長引いた。



その後歯科口腔外科に行き、執刀医の先生と初対面。
男性の先生だった。
術内容の再確認。
首の切開の仕方は、シワに合わせて切るので将来的にはあまり目立たないだろうとのこと。
正面から見てもちょうど隠れるように切ってくれるらしいが、暫く痛みは続くようだ。

数枚の同意書にすべてサインし、手術前日に入院する確認をして病院を後にした。



ここまでで、まだ手術もしてないけど結構な医療費がかかった。

いくら三割負担とはいえ、短期間でかなりの医療費。




午後から仕事に行った。
仕事に行っている間、母と姉が私にプレゼントを買ってきてくれていた。

五線譜、鉛筆、鉛筆けずり、消しゴム。

私が入院中に少しでも気持ちが紛れるように、音楽を楽しめる方法を考えてくれていた。

ピアノがなくても、頭の中でメロディーを作って楽譜にする機会を与えてくれた。

私のことを考えて選んでくれたプレゼントだからこそ、本当に嬉しかった。