第225話 性的幻想
鏡の破片に映っているのはどれも
紛れもない私自身の姿なのだった。
封印されていた
引き裂かた自己の欠片達。
この暗い洞窟の底から
彼女達はずっと
声を振り絞って叫び続けていたのだろうか。
私の内にある欠落感と
彼女達の孤独が奇妙な共鳴を始める。
私は足を速める。
もう少し・・・
あと少しだ・・・
いつだって私は
ひりつくような焦燥感と飢餓感に襲われ
目の前にある物に手を伸ばしてきた。
シャネルのピアス
ヤクザのパパの権力
サラリーマンとの平凡な生活
カリスマホストの彼女というステイタス
汚れのない真っ白なキャンバス
なんだってやみくもに掴み取ってきた。
ああ! でもっ!
望むものは外になんかない!
本当に欲しいものは
私の内にあるんだ!
それは一番近くて
遥かに遠い。
手を伸ばしても
私の指は永遠に届かないかもしれない。
これまでの人生の全ては
この欠落感を埋めるための
悪あがきだったのだろうか・・・。
私は取り戻したい!
引き裂かれる以前の
完全な魂の自分自身を!
そう
私の性的幻想はきっとそこに繋がる。
性欲を発散させることと
性的幻想を満たすこととは違う。
私は愛する男のSEXによって
自分の心と身体がピタリと重なる瞬間を
夢見てやまない。
それは私にとって
御伽話の中の眠り姫のように
王子様のキスで目覚めることを意味する。
私の救い主は
完璧なエクスタシーに導いてくれる王子様だ。
心も身体も燃え上がり
打ち震えるような悦びを実感しながら
魂は再び完全な形を取り戻すのだ。
そして
取り戻した自分自身を
私はもう二度と失いはしないだろう。
これだっ!
それが幻想でしかなくても
そんな現実はどこにもないと解っていても
私はそれを求めずにはいられないのだ。
ああ
でも私は・・・
この対極に位置する幻想があることも
認めなくてはならない。
悪癖の際
思い浮かべるあのおぞましい幻想を。
いつからだろう。
私の思い描く性的幻想は
酷く倒錯したものになっていった。
それが現実だとしたなら
快感もへったくれもないであろう
屈辱的、かつ陵辱的に犯される自分の姿。
快楽の虜になって
悪魔に身を捧げる堕ちた私。
自虐的な内面が投影された
性的願望の現れなのだろうか。
現実におこったら激しく嫌悪するような状況を思い浮かべて
性欲を発散させているだなんて
私の精神構造は一体どうなっているのだろう。
自分で自分がわからない。
正反対の性的幻想が喧嘩しながら
どちらも一歩も譲らずに私の内に居座っている。
私は恥ずかしい!
こんな自分が大嫌いだ!
鏡の破片に映る私はどれも
愚かで醜く滑稽で痛々しい。
だからこそ
封じ込めたに違いない分身達なのだ。
この忌々しい私の存在!
『自己嫌悪』
その暗黒のボスを私は倒さねばならないだろう。
女の子よ!一人Hの時って何を想像してる? 性的幻想ってやっぱ自己の投影だよな。
あー、 私はやたらと難しく考えすぎているんだろうか?
私は自分を解読したい! 尽きない欲望の正体はなんなんだ! 愛なのか! 快楽なのか!
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