第076話 選択肢 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第076話 選択肢

「ごめん。なんて言えばいいか…わからない。」
優弥はしばらく考えてからそう言った。


「しょうがないよ。事故みたいなもんだと思うし。
優弥は別に悪くないよ。私ね、本当に大丈夫だよ。」


「おまえさ、産みたいとか思わないの?」


そんな事言わなければいいのに…。
と心の中で思う。


私がこう言ってるんだから
同意書に名前を書けばそれで終わりなのに…。


優弥って要領悪いんだな。

産みたいと思わない?なんて質問
バカげてる。


「産むなんて選択肢ははじめからないと思わない?」

そう聞くと

優弥はまただまってしまう。


だから余計な事言わなきゃいいのに、
と私は思う。


「それがまっぴーの正直な気持ちなの?」


優弥はなんでこんな事を聞くんだろう。
面倒な展開になって困るのは自分なのに。


それに優弥はいつだって私に質問ばかりする。


どうして優弥の話し方は
いつも疑問系なんだろう。


優弥の意見はどうなのよ?
と私は少しイラつく。


「だって産むって事はさ、育てるって事だよ?
そんなの無理に決まってるよ。
私、まだ17だよ。
人生これからって時に子供なんて産んだら
もう何も出来なくなっちゃうじゃん。
そんなの嫌だもん。」


たぶんこれは私の本音だ。


「でも、中絶すると
子供産めなくなるかもしれないとか聞いた事ない?」


「そうなの?
子供なんて欲しくないや。
きっと煩わしいだけなんじゃないの?
優弥がずっと一緒にいてくれれば、それでいいよ。
優弥と一緒にいたいだけなのよ!」


感情的になってしまい
私は慌てて取り繕う。


「って言っても、彼女と別れてとかじゃないよ。
そんなウザい事絶対に言わないよ。


でもね…。


この件で私から離れていかないでほしい。
ほんと…それだけ。」


私は優弥に一番言いたかった事を伝えた。


「今はお腹の子供の事を考えて二人でちゃんと話しあおう。」


そう優弥は言うけれど
私は子供の事なんてどうでもいい。


何の事だかよくわからない。


何を考えればいいの?

何を話し合うっていうの?


答えはもう出てるじゃない。


自分達を正当化するための

ウソっぱちの話し合いなんて

全然必要ない。


「優弥・・・いいの。

もう決めたの。

あのね、手術する時さ・・・。

一緒に付いてきてくれる?」


「それは、もちろんだけど・・・。

うーん・・・。」

優弥は下を向いてまた考えこむ。


「俺はやっぱり

なかった事には出来ないな。」


「え?なかった事には出来ないって?」


sss


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