第068話 判定 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第068話 判定

生理が遅れて
まだ一週間・・・
いや・・・

10日くらいか。


もしデキていたとしても
こんなに早い時期に
気持ち悪くなったりするものなのだろうか。


つわりって
妊娠してどのくらいではじまるんだろう。


私には何の知識もなくて
皆目検討もつかない。



妊娠・・・。



でも・・・。



この一ヶ月
プライベートでSEXしたのは

優弥しかいない。


愛人バンクで契約をして

継続的に会っているオヤジが2人いるけれど
そいつらにはゴムをつけさせている。


生でしたのは優弥だけだ。


でも・・・

優弥とした時だって
中で出した事は一度もない。


妊娠なんてするわけないと思う。


気のせいだ。


きっと精神的なダメージで
気持ち悪くなっているだけだ。


生理はたんに遅れているだけに違いない。


自分の体の変化に
強烈な不安を感じながら
私は必死で否定し続けた。


優弥から
またポケベルが鳴る。


優弥・・・。

・・・不安だよ。

逢いたいよ!!


目をきつく瞑って

優弥の事を考えると
胸がキュゥと締め付けられる。


胸が苦しくなると

また気持ち悪くなって

吐いてしまいそうだ。


もし妊娠していたら
どうしよう。


どうすればいいんだろう。


優弥はSEXする時
ゴムをつけようとしたのに
「生でして」

と言ったのは私だ。


コンドームをつける事が

援助交際を連想させてしまい

私はそう言ってしまったのだ。


でも・・・


優弥はちゃんとお腹の上に出した。


自問自答を重ねながら
考えはループし続け
『絶対妊娠してるわけはない。』
そう思い込んだ。


眠れないまま朝が来て
私は薬局に行き
妊娠判定薬を買ってきた。


とにかくちゃんと調べて
何でもなかったんだと
早く安心したい。


妊娠していたら「+」が
妊娠していなければ「-」が

浮かび上がる判定薬だ。


トイレに入り

説明書に書いてあった通りに

使用する。


判定は30秒で出るらしい。


部屋に戻り
時間が経過していく。


私は怖くて
なかなか結果を

見る事ができないでいる。


不安で胸が張り裂けそうだ。



大丈夫。


きっとなんでもない。


逃げちゃだめだ。



鼓動が早くなり

もうこれ以上は不安に耐えられない!

私は覚悟を決めて判定部分を見る。



結果は「+」だった。



綺麗に赤い「+」マークが
浮かび上がっている。


頭の中が真っ白になる。


私は部屋の中を

何も考えられないまま
ウロウロと歩き回っていた。



『死ぬしかない!』



えんぴつ立てに入れてあった
カッターナイフが目に入り
突発的に思い立った。


それは本当に発作的なものだった。


えんぴつ立てからカッターナイフを取り出し

両手でしっかりと握り締める。


「カチッカチッ」


カッターナイフの刃を出す音を聞きながら
涙が溢れ出す。


左手首に冷たい刃の感触を感じながら
私はひとおもいに手首を切り裂いた。



ds


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