第066話 親子喧嘩 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第066話 親子喧嘩

「いいから座りなさい!」


お父さんが怒鳴りつけ
掴まれた腕に痛みを感じる。


「離せよ!」


私はお父さんの手を振り払い
鋭い視線で睨みつける。


お母さんが弟に
「妹を連れて二階で遊んでなさい。」
と言い、弟は何も言わずに

幼い妹を連れて自分の部屋へ行く。


「どれだけ心配したと思ってるの!!」
今度はお母さんが大きな声を出す。


「しらねーよ!」
切れた時の私の言葉遣いは
本当に酷かった。


「あんたのためを思って言ってるのに
どうしてそんなに自分勝手なの?

あんたがいなくなってから
家族がどんな思いで生活してきたと思ってるの?」

お母さんは涙ぐんでそう訴えかける。


うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!
私の邪魔をするな!!


『優弥に逢いたい。』

それだけなのに!


「束縛されるのは嫌なんだよ!」


「あんたはまだ未成年なのよ。
こうやって何かあれば

結局は親が尻拭いするんじゃないの!」


「しなければいいでしょ!!」


「好き勝手やりたいなら成人して
自分で責任取れるようになってからやりなさい!」


「じゃーいいよ!また出ていけばいいんだろ!!

若い女はね、いくらだって生きてく方法はあるんだよ!!」
私は泣きながらそう叫ぶ。


「なんでそうなんだ?
こんなに恵まれてるのになんで?
子供の頃から何不自由ない生活をさせてきたつもりなのに。
お父さんにはちっともわからないよ!」
お父さんは悲壮な顔で訴えかける。


何不自由ないって何よ!
この家にいて自由だった事なんて一度もない!


「そうやって恩着せがましくしないでよ!
私がこの半年でどれだけ傷ついたと思ってるの!!

実際に傷ついたのは私だよ!

お母さんやお父さんじゃない!!」


感情が溢れだして止らない。
今までどこにもぶつけられずに
溜め込んでいたものが
全て吐き出されていく。


「親が子供の尻拭いするのなんて
当たり前の事じゃん!

おまえらの育て方が悪かったんだよ!
自業自得じゃん!」


「いいかげんにしなさい!!」

お母さんがヒステリックに叫ぶ。


「こうやって私をまた追い込むんだね!
尻拭いもするけど

私を追い込むのはいつもおまえらだよ!
いいよ!また出ていけばいいんでしょ。

もう何も怖いもんなんてないよ!

いくらでも傷ついてやるよ!!」


「そんなに嫌な思いしたのに
どうしてまた出ていくなんて言うんだ!?」

お父さんは悲しそうにそう聞いた。


「この家にいるよりはましだよ!

おまえらの言いなりになるのだけは我慢ならないんだよ!!

この家にいて私はどうしたらいいって言うのよ!!!」


「少しゆっくりして
それから予備校にでも行って

大学検定を受ければいいじゃないか。

おまえはやれば出来る子なんだ。」


「は?バッカじゃないの?

本当話にならないよ!
ズレてんだよ!

私の気持ちなんて全然わかってない!」


「いい環境の中におまえをおいてやりたいんだよ!」


「トンチンカンもいいとこだね!!笑えるよ!!!」


「お父さんもお母さんも
あんたの将来の事を心配してるのよ。うっぅぅ」

お母さんが泣きだす。


「将来?将来どうなったら幸せだっていうの?
お母さんは幸せ?
医者と結婚して専業主婦で子供は3人。

庭付きのマイホーム!
で…幸せなわけ?!


毎日、親子喧嘩と夫婦喧嘩で
神経すり減らしてさ。


娘はグレて警察から呼び出されて・・・。
それで幸せ?


お父さんは?


私が問題おこすたびに
単身赴任先から戻ってきて
親子喧嘩して夫婦喧嘩して
トンボ帰りで病院に戻ってさ。


気のやすまる暇なんてないでしょ?


勉強して医者になったって
幸せとは程遠い生活してるじゃない!


私にも同じ思いしろっていうの?


じょーだんじゃないよ!!


お父さんもお母さんも全然幸せじゃないくせに
私の将来の心配なんてしなくていいよ!!!」


.,mnb


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