かも⁈ がついたのは、
まだ、確定ではないと思ったので。

やっぱり運命だったんだって言うのは

これから先に いずれでわかる事。


私が、癌サバイバーで片方の胸がない

この事実をハンデと思って、もう恋愛や

パートナーが出来ないなんてそんなの

おかしい。そう開き直った私は強い。


なんでずっと一人なの?

彼氏できそうやのにねー

選びすぎでしょう?

と、ここまで来るとあなたの性格が捻くれてるからじゃないの?と言われてる様な気もしてならなかったが

本当に、そんな気になれなかったんだ。

子供と仕事と生活にいっぱいいっぱいだった。

いい歳こいて 好きだのなんだの、めんどくさいわーと思ってて、拗らせていた。


そんな半分オッサンになりかけの私が

数週間後から抗がん剤が始まる身とは思えない

生命力の強さに自分でも驚いた。

こうなってしまってやっと、

危機感を機に生殖本能が発動したのかもしれない。


片方の胸がないのが、癌と共に生きることが

無理という人を選ばなければいい。


私と言う人間をきちんと見てくれる人がいたら

その倍返しで人生をかけて愛返しをしよう。

そう決めて、しっかり考えた


私の望む人。


自分でも、薄々気づいていたものの

ここまで深く考えた事はなかった。


目の前に現れる人に、ほぼ直感で 違うな。

長らく付き合いのある人も、飲み友も、酒の場で出会う人も 仕事で関わるナイスガイも 

直感で違う。


アプリでも現実でも

お金持ってそうなギラギラした中年も

社長や肩書きの素敵な紳士も

イケメンでおしゃれな格好のスマートな男性も

実際に、優しくて乗りのいい男友達も


どれも違う



好きになる と言う気持ちは

どうにもこうにも動かせるものではない。

逆に、

好きを辞める事も簡単には出来ない。

若いころの失恋の経験で理解した、

好きという感情は  理性で扱える感情ではない。


心が動いた時しか、動かせない。


私の望む人は、これまでの出会いの中では

出会えなかった。

到底、身近にもいない。そんな出会うチャンスもない。これからもっと無い。年々自分に自信もない。


そんな中、このアプリは非常に効率的だと思った。

賛否両論あるけれど、詐欺の危険もあるけれど

少なくとも、出会える数は多い。

ちなみに、結婚式をあげるカップルの馴れ初めを

仕事上で聞くと、今やマッチングアプリでの出会いなんて当たり前。

私世代では不信感でしかあり得ないが

アプリでの出会いは もはや、今普通なんです。

うまくいけば実際に結婚してるしね。


病院のベッドの上で、色んな人を見る中で

ただ一人だけ 目に留まった人がいた。

 

直感で、この人。

と思った。はっきりと、顔出しもしていない。

遠目にマラソンを走る姿の中年男性の写真。

プロフィールの内容は、

今までの私なら見向きもせず

完全スルーしていたであろう人種。


惹かれたのは、言葉の節々から読み取れる実直さ。

礼儀もさながら、数回のやり取りで確信したのは

この人は、間違いなく嘘はつかないな。

と言う直感。


良い出会いに恵まれたのかもしれないな。

そう思った矢先、

お互いを知るための会話は

何故か毎日心地よかった。

とても優しい人なんだろうなという安心感。

この人なら、私の現状に、姿を見ても

ドン引きしないのではないか?そう思い始めた時、

自らアプリを退会し、LINEに切り替える為に

改めて顔写真を送ってくれた。


決してタイプではない、スクラブ姿の優しげなおじさん。

この顔を見た時に、ゾワゾワっと震えがきた。

こんなことは今までない。

何の震えか分からなかったけど、

その日から2日間、胸騒ぎが止まらなかった。

体調が悪いのか偶然なのか何なのか…

でも、写真を見るたびに込み上げるゾワゾワ感。

この人は今までとは何かが違う。

このことだけは直感でわかった。


そして、ついに、まだ会ってもない状況で

カミングアウトをする事にした。


私、乳癌で来週から入院、抗がん剤治療をします。



続く…