助手席 | 女の子になりたいな

助手席

JR駅の北口、約束の場所には、約束の時間より
5分くらい早めにつきました。

それでも、Tさんの車は、○○銀行横の細い道の
片側にもう止まっていました。

メモしておいた、車種とナンバーの初めの数字を
確認して車に近づくと、運転席のTさんも私に
気づいたのか、オレンジ色のハザードランプが
やわらかく点滅しました。

「Tさんですか?」。開いた運転席の窓越しに
小さな声をかけると

「麻里子さん?早かったね」って、人懐っこいがで笑顔が
返ってきました。

「乗って、散らかってるけど。。。」。仕事を終えて
駆けつけたのか、グレーのスーツ姿のTさんが私を助手席
に誘います。

男の人の運転する助手席に座る女の子。

ほかの人から見たら、仕事中の会社員同士にしかみえない
かもしれないけれど、私は胸をやさしく締め付けるブラと
すべすべした太もものパンストの感触に女性を意識しながら
足をそろえて、シートに体を沈めました・・・・。

「緊張してる?少し、街中を走ろうか」・・・・

気遣うTさんの言葉に、無言で小さくうなずいて、
私とTさんとのデートは始まりました。

なんだかドキドキがおさまらなくて。ラブラブ

見慣れたはずの街の灯りが、どこか違う街のもののように見えたのを
いまも覚えています。リボン