「私の名前、聞かないんですか？」

高校１年生だった私、３年生の先輩女子に向かって私はこう言いました。

ケンカを売っているみたいですが、事実はもちろん違います。

＜背景＞

小学生時代、中学生時代と、両親の影響もあってバスケットボールに明け暮れていた。

あと少女漫画。

この少女漫画によって、私の考え方や生き方の軸が大きく決められてくる。

その軸のなかに、「やったことのないことにチャレンジする」という項目があった。

高校生になり、新しい環境になる。

「新しい」⇒「やったことのないことだらけ」⇒「チャレンジできることだらけ」という方程式。

＜高校入学＞

新しいことは何か無いか、やったことのないことは無いか、高校生の時にしかできないことな無いか。

探して見つけたのが「野球部のマネージャー」

野球は少し興味がある程度。

マネージャーって何をやるか、はっきり言って分からない。

だからこそ、やってみたいという興味が湧いてきた。

＜体験入部前＞

野球部のマネージャーは、体験ではなく見学。

ただ、どこで誰に言えば見学できるか分からない。

（顧問の先生を探すという発走がなかった）

そんな時、同級生が３年生の野球部の先輩に知り合いがいるよ！ということで紹介してもらい、３年生の先輩マネージャーさんに話を通してくれることになる。

この時点で、「３年生の野球部員と話す」ということでドキドキワクワク。

３年生の野球部員と昼休みに同級生と一緒に会うことになり、

「ちょっと待ってて。マネジ（マネージャーをマネジと呼んでいる文化）呼んでくる」

といって、颯爽と呼びに行ってくれる。

今思えば、行動早くて、こういう人が仕事も早いんだろうなあと思う。

すぐに３年生のマネージャー先輩が来てくれて、

先輩「いつ来れる？」

私「今日でも行けます」

先輩「じゃあ、グラウンドに来て」

という、淡々としたやり取りだったのを覚えてる。

そして、３年生マネージャー貫禄ある！！！とビビってたのも覚えてる。

＜体験入部（見学）＞

グラウンドに行くと、３年生マネージャーが２名、とことこと近寄ってきてくれた。

「マネージャーってこういう仕事をする」という内容を細かく説明してくれる。

・球拾いは１年生部員がやるのでマネージャーはやらない

・ノック時の監督さんへの球渡し

・バッティング時のタイムキーパー

・試合時のスコア付け

・備品の整理、掃除

・部員の怪我対応

・飲み水準備

・雨の日はボロボロになった球の縫い付け補修

・雨の日用の練習場「雨天」の掃除

・合宿時の掃除洗濯、ごはんづくり

・部室の掃除

などなど

まるでお母さんだな、と思った。

一通り説明が終わると、３年生マネージャーさんは、

「ボールはここまでは飛んでこないから、好きな時間まで見てていいよ」

と言ってくれ、

「あと、」

最後に一言。

「タッチの南ちゃんをイメージしてるなら辞めた方がいいよ」

おおお。やっぱりそれ言われるかあー。

（※今後、後輩マネージャーにはこのセリフを受け継いでいく。）

タッチは大好きな漫画だけど、そんな甘い世界は想像してなかったな～と思いながら、

「はい。」としか答えられなかった。

やっぱり3年生マネージャーさんの存在感は大きい。

「あ、そう」と３年生マネージャーさんは冷静に（？）言いながら、

「じゃ」と、グラウンドの方へ向かって歩き出す。

「あれ？おわり？」

私は、不安いっぱいになる。

＜私の一言＞

私は見学しているときに、入部する気満々だった。

その時の私の気持ち。

「この後、入部までの流れを教えてくれないのかな？どうやったら入部できるのかな？本気度を見せるために何日か見学に来た方がいいのかな？でも、次に会うときはどうすればいいのかな？３年生マネージャーさんは私の名前も知らないけど、とくに気にしないのかな？名乗った方がいいのかな？でももう３年生マネージャーさんが遠くにいってしまう。まずは私の名前を憶えてもらった方がいいよね、、、」

と一瞬にしていろいろと考え巡り、急いで３年生マネージャーさんを呼び止める。

「あのっ！」

３年生マネージャーさんは振り返る。「何？」

「私の名前、聞かないんですか？」

ドキドキ緊張で無表情の1年生の私と、冷静な3年生先輩。

無表情VS冷静

寒い風が、空気が流れた。でも私は必死。

聞き方間違えたよな～～～～って今にして思う。

正しくは、

「私の名前は１年〇組の、●●●●です」といえばよかった。

っていうか会った時にまず、自己紹介すべきだった。

「あ、ああぁ、じゃあ、聞こうかな」

戸惑いな感じがあったのをうっすら覚えてる。

ということで、はれて入部できた。

もちろん、想定通りタッチの南ちゃん的な要素はまるでなかった。

けど、とてもとてもとても充実した３年間を送ることができた。

＜後日談＞

その３年生マネージャーさん、２年生マネージャーさんとも、結婚式にもお呼ばれしたり、お呼びしたり、時々食事したりと、薄くながくお付き合いがある。

その時に、当時の話題になり、３年生マネージャーさん視点を聞くことになる。

「あれ言われたとき、

‘’この子なんなの？‘’って本気で思った。まあ、一緒に過ごしてたら、違う意味で、この子何なのって思ったけど(笑)」

２年生マネージャーさんも大きくうなづきながらニヤニヤ笑う。

いちいち突っ込みどころ満載な１年生マネージャー（私）だったようです。

＜まとめ＞

やっぱり、自分がやりたい！と思ったことは行動すべし。

今しかできないことをすべし。

自分で切り拓くべし。

結果はやっぱりついてくる。

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高校生時代の後悔しなかった想い出～野球部マネージャー