その日は出勤に向けて急いでいました

季節は冬、急いでクローゼットからバッサーーーとコートを取り出して、

その勢いでバッサーーっと羽織って、出勤用バッグをもって家を出ました。

最寄り駅までは徒歩で約15分。

小道を急ぎ足で歩いて大通りへ出ます。

その小道を歩いているときから、違和感を感じます。

右腰あたり、後ろ側に何かがぶつかります。

歩きながら、右後ろ腰に意識を向けていると、明らかに何かがぶつかります。

ポン、、、ポンポン、、ポン、、、と不定期なリズムです。

腰ほどの背の高さの誰かが、私の右後ろ腰をトントンは叩いているような。

でも、私はこの日は急ぎ足だったので、子供にしてはこの速さについてこれるとは思えない、、、、と訝しげに思いながら、はっと気づきます。

座敷童に違いない！！

座敷童がマンションからついてきた！

何かを私に伝えたくて、右後ろ腰をトントンたたいている！！

こう信じたら、私は思い込みが激しいので、それ以外の発想はでてきません。

歩みを止めて振り返って座敷童がいたら、なんて声をかけよう。

なんだか難しいオーダーをされたらどうしよう。

でも、会社に行かなければならないし。。。

そう考えながら、すでに大通りに出て、幅広めの歩道を相変わらず早歩きしています。

その間も、私の右後ろ腰は、不定期なリズムでトントンされています。

でも、周りに人がいたら、果たして座敷童は見えるのだろうか。

もし見えていたら、トントン叩いている子供を無視して早歩きする大人の女性っていう、いじわるな女性像になってはいないか。。。

そんな周りの目をめちゃくちゃ気にする性格の私です。

でも、やっぱりこれは勇気を絞って正体をつかまなければ。

思い切って、右手を自分の右後ろ腰に当てます！

正体はミドリ色をした生活に必要なモノ

手の感触は、硬いもの。

目にしたものは、これでした。

ミドリ色のハンガー。クリーニング屋さんからもらうハンガー。

このミドリハンガーが、コートのベルトにぶら下がっていました。

ぶら下がったまま、私の歩みに合わせてブラ～ン、トン、ブラ～ン、トントン、と

不定期に右後ろ腰に当たっていただけでした。

もう駅はすぐそこ。

座敷童ではなくてよかったです。

＜15分前に戻る＞

急いでクローゼットからバッサーーーとコートを取り出して、

↑ここでクローゼットに裸のままぶら下がっていたハンガーが、コートのベルトにひっかかってついてきた

その勢いでバッサーーっと羽織って、

↑こんな乱暴な着方をしてもハンガーは決して落ちることはなかった

10分くらい、コートのベルトにミドリのハンガーをぶら下げて歩く女には誰も、

「ハンガーぶら下がってますよ」

とは、声をかけてくれないですよね。

もうかれこれ数年前、30代半ばの出来事を備忘録として。

みなさん、いつかどこかで、コートのベルトにハンガーをぶら下げている女性を見つけたら、

座敷童だと思いながら心の中で格闘しているので、ぜひ恐れずに教えたげてくださいね。

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どんな方が興味をもってくれているのかわからないのだけれど、

誰かに届けばいいな、と思っております。

フッとかろやかになりましょ。（ダジャレじゃありません）

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ありがとうございます
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今どき信じて疑わなかった座敷童。（でもそうじゃなかったオチ）