過去に何度も言ってるけど
この子を迎える事は
この日まで
逢う日まで
悩んでた…
自信も無かった
繁殖リタイヤ犬を目の前にして「断る」
と…いう判断を
するかもしれない自分が
居るかもしれない
私には、どんな子でも受入れられる
キャパなんてない
フルタイムで働いてるし
面倒見るの…母だし
なんて
色々思いながら向かった
りーちゃんが車を出してくれて
連れてってくれた
ガラスのドア越しの初対面で
もう決めた
この目
小さい身体で
人間の愛情を全く知らないだろう
ワンコ…
オリーブと出逢った時を思い出すよ
決めた
どんな状態であっても
どんな病気があっても
連れて帰る
繁殖犬はそもそも
ずーっと「怖い事」をされてきたから
ケージに入って来る手を
「怖い事しないで！」って
言ってるみたく
一生懸命、手を舐めてくる
身体を揺らしながら
シッポ振りながら
一生懸命、舐める
または
ケージに人の手が入る
イコール
待ちに待ったごはん…だったのかもね
リーフも異様なほど手を舐める
初めての抱っこ
「運ぶ」為の抱っこしか知らない子が
何されるかわからない怖さで
目を開いて…
初めて外を歩かせてみた
歩けなかった…
これも…怖かったんよね
怖くて
一晩中ケージの隅っこで
身体を真ん丸にして寝てた子を
病院に連れてった
ガタガタ震えてた…
怖かったよね…
ごめんね
とにかく
うちに来た当初は、怖い事ばかりの日々
ご飯も
腰を引きながら
ビクビクしながら食べる
前歯が一本も無いから
食べた方がめっちゃ下手くそ…
すんごい急いで食べる…けど
めっちゃ食べるの遅い…
「お風呂が沸きました」の声にビクッ
製氷機のガラガラの音にビクッ
テレビを遠巻きに見て
腰を引きながらおそるおそる近づいてる
陰部や肛門を触られる度に
飛び上がって逃げようとする
寝てる時に触ると
トムとジェリーのトムみたく
足を高速回転させて部屋の隅へ逃げる
抱っこなんか怖い怖い
おやつも食べない
おもちゃも遊べない
この時唯一喜んだのが
ヤギミルクやったなぁ
くつろいで欲しいけど
まず…ベッドに寝れない
どころか
マット、座布団…
そういうフカフカの物の上を歩く事が
全く出来ない
初めは
ブランケットやタオルの上も歩けなかった
どうにか
どうにかしてあげたい…
怖い怖いを無くしてあげたい
嬉しい楽しいを経験させてあげたい
その一心
まずは
お昼寝座布団をいっぱい敷いた
夜はケージの前にマットを敷いて
私はそこで寝た
焦る事も無いしね
好きなとこで寝たらええよ～って
スタンスで
そしてある日
寝る用意してトイレ行って戻ってきたら…
う〇こ落ちてんのかと思った
私のマットの上で寝てる
ど真ん中で
そんな感じで
少ーしずつ
少ーーしずつ
マットに乗れるようになっていった
やっと
ここまで来た
怖い怖いの生活に
出来る事という「変化」が増えてった
おもちゃで上手く遊ぶことはできないけど
散らかす事は出来るようになった
次はソファー
スロープにおやつ置いて練習
上手にソファーにも上がれるようになった
ここまで来たら
もう可哀そうな子には見えないね
この頃はまだ
バギーが怖かった
バギーの中で亀みたいに
へばりついてた
ま、ね
バギーが怖いなら乗らなくても良いよ
でも…
抱っこも怖いんだよなぁ
避妊手術と歯石取りを
一緒にしたかったけど
病院混み混みで２ケ月待たされ
２カ月後には生理が来た…
で
無麻酔歯石取りで先に歯の処置だけした
これで１回…２回目もけっこう取れた
真っ黒だった歯が、真っ白になった
嬉しかった
次は抱っこ
高さも怖い上に
甘える事を知らないから
胸に張り付いてるだけのワンコ…
すこーしはマシになってきたかなぁ
車では寝れるようになってた
その事が嬉しかった
そして夜は
私の布団の中で寝れるようになった
めっちゃ嬉しかった
初めてのドッグラン(貸切)も
良い顔見れたなぁ
めちゃめちゃ嬉しかった
母に抱っこされて眠る
幸せそうな顔も見せてくれるようになった
悩んでたバギーも
色んなとこへ出かける事で
いつしかへっちゃらになってた
トイレの躾も
たったの半年で完璧になった
最後の最後になったのは
階段だったなぁ
登れた時は感動した
次から次と
ママが与える試練を
頑張って克服しようとする姿
なんとも
愛おしいわ…
ほんっとーに…
実は
繁殖犬がここまでに怖がりだとは
思ってなくて
見たことない猫や鳥を
初めて見て怖がるのはわかるけど
風に揺れる草
遠くを歩いてるおじさん
遠くから聞こえる子供の声
寝てる時に触る事
全部…怖くて逃げようとする
2019年
夜中に可愛い寝顔を触りたくても
我慢！
遠くにおじさん発見したら抱っこ
風の強い日はお散歩中止
こどものいる公園はNG
怖い怖いを克服させたくて
子供のいる公園に連れてった事もあるけど
楽しんでないし
まるで拷問だ
やめやめ！
りーちゃんがよく言った
「就職するわけじゃないし、お嫁に行くわけじゃないから」
って
ほんとにそうだ
もう十分だと思った
2020年
お手、おかわり、おすわり、トイレ
完璧
何より
甘えられるようになった事
お散歩中「抱っこ」と
要求できるようになった
「ママ、ママ～」と甘える姿
私を信頼してくれてると思えた
可愛い笑顔を見せてくれるようになった
2021年
もう一つ
よく「悪夢」を見てたんだと思う
その字の通り「血相を変えて」飛び起きる
私を見つけて走り寄る格好は
「ほふく前進」みたいな走り方
私に「しがみつく」
ガタガタガタガタガタガタガタガタ
めーーーちゃ震える
これが本当に怖かったけど
無くなってきた
2022年
リーフは繁殖犬にしては大きな病気も無い
歯茎に穴が開いていて
歯茎をごっそり切り取ったくらいで
あとは
尿漏れしてしまう事
おパンツを履いてる姿が
可愛いから良いって思うけど
パンツのおかげで
お留守番は最高３時間が限界
どちらも「繁殖犬あるある」だけど
苦労なんて呼ぶほどでもない
有難い
2023年
この子の子宮を取った時、獣医が
「何回産ませたの？かなり子宮が肥大してたよ」と言われた…
想像する
ワンコが怖くて
友達ワンコとも仲良くできないリーフが
オス犬に襲われて
お腹が大きくなって
苦しんで苦しんで出産して
子供にお乳を飲ませて
ある日
子供達を人間に取り上げられる
リーフは泣いた…だろか
悲しかっただろう…
苦しかっただろう
辛かっただろう
それを・・・
何回・・・
繰り返したのか
リーフは、迎えた次の日に病院へ行って
「10歳は過ぎてると思うよ」と言われた
正確な年齢はわからんけど
いやいやいやいや…
何回・・・繰り返した？
2024年
よく、心が壊れずに生きててくれた
想像だけで
私の気は狂いそうやわ
もしタイムマシーンが有ったら
迷わずリーフを繁殖犬にする前に
救い出す！
でも…
あの繁殖場には
ものすごい頭数のワンコが居た
その中からリーフだけを救い出す事も
気が狂いそうや
繁殖屋の人間を
罪に問う事が出来ないのなら
別にかまわん
逮捕できないのなら
同じ目に合って欲しいと望む
冷暖房無しの金網の上で
お風呂も医療も無し
最低限のご飯と水
自分の排泄物の上で寝て頂いて
産んで乳あげて、子供を取り上げる
を繰り返す生活をしてもらう
そうだな…
30年くらいで許したろかな
こんな酷い事が……
いつまでも繰り返されるのか
私は
リーフを亡くしたら
もうワンコは飼わない
飼えない
その後は
ワンコとかけ離れた生活になるだろうけど
ワンコにとって
もっともっと優しい世の中に
なりますように
世の中に
「本物の犬好き」が
増えますように…
ほんっとに‼
願う
Leaf
頑張って生き抜いてくれてありがとう
私の子になってくれて
ありがとう
5年を目標にしてた
5年が経った
ママはもう何も望まない
望みがない
お別れの時後悔しないように
貴方の傍にずーーっと居るわね
休日は
Leafが寝不足になるくらい
傍にずーっと居るからね
どうか
オリーブみたいな大きな病気に
なりませんように
頑張って生きてきた子に
穏やかなハイシニアの生活が
続きますように……