貴方が、奥様のことを、

ほんの一瞬でも忘れる瞬間があれば、

私は迷いなく貴方を思うことができるのに。

貴方をたくさんの思いで包んで、いつだってあなたの側から離れないのに。


あなた、違うでしょう?


奥様を、一番に愛していらっしゃるでしょう?


思えば、私と話している時だって、

息子のお話は普通にするのに、

奥様のお話は全然なさらないものね。

奥様を、守ってらしたの?

それとも、私はプライベートなことを聞けるほど、貴方の近くにはいれないの?



ねぇ。

愛された人に嫌われるのって、

もともと何とも思われていなかった人に嫌われるのと比較できないほど

すごくすごく、つらいんだよ。

人を、信じれなくなるの。


『アナタハ、ワタシノナニヲミテイタノ?ドコヲスキダッタノ?』


だから、私は石橋を叩いて叩いて、コレでもかって程叩いて、絶対に安全だってわかっても、

命綱なしでは渡ることが出来ない。





貴方は私の最愛の人。

貴方が側にいるだけで、真っ白な羽に包まれている気分。

ふわふわと空高く舞い上がって、夢見心地。

時に髪を乱す風が吹けども、貴方は私を守って、導いてくれるの。

ぎゅっと強く、私の身体も心も抱きしめて、決して離しはしない。

貴方の翼は、純白の翼。

番のための、清く温かい翼。

貴方の側にいられるなら、私は漆黒の翼でも構わないの。

嫉妬と悲哀でべっとりと闇の香りを漂わせても、貴方は変わらずに私を見てくれる。

それどころか、汚い私をそっと撫でてくれるの。

心は決して乱れない。

ただ、一人の番を一生愛して、翼はいつまでも純白のまま。