キャンピングカーでの旅も残すところあと数日となりました。

ドルドーニュ川でのんびりと水鳥にパンをあげたり、周辺をサイクリングしたり、たまにシャトーやその周りの旧市街を散策したり。そんな風に過ごしていたら、次の目的地ボルドーへの出発がどんどん先延ばしになっていました。


今回は子どもが生まれて初めての「旅行」。私たちの母国である日本やギリシャ、長く住んでいたフィンランドには子どもが生まれてから何度か行っていますが、これは帰省のような意味合いで、「今日は何を見に行こうか?」とその土地を探索する旅行とは違うものなのでした。

本来なら歴史的建造物を見たり、レストランでその土地のお料理をいただいたりすることが大好きな私なのですが…。やはり子連れでは敷居が高い場所が多く、「ドルドーニュ川のほとりにはたくさん古城があるよ。行ってみようよ!」と主人に言われても、「いや、今日は鳥にエサあげてのんびりするからいい…」と弱腰。レストランで外食なんてもってのほか。私の誕生日に主人が予約してくれていたレストランに行った以外は、ほとんど自炊。


唯一行ったレストランだからこそ、強く思い出に残りました。


だって、普段は、味噌汁や玄米以外はほとんど食べてくれない息子のために、南仏にいながら毎日のように味噌汁づくりですよ…宇宙人くん茅乃舎の出汁、美味しくて便利。感謝!


キャンピングカーという、家を背負って旅をしているようなスタイルも手伝って、結局どこにいてもすることは同じねー、と思いながらも、南フランスの雄大な自然に助けられるのか、ドルドーニュ川のゆったりとした流れに気持ちが落ち着くのか、全く同じことをしている感覚は不思議と少なかったな。



見たいものを見て、食べたいものを食べて、という旅行の醍醐味は十分には楽しめなかったけれど、それに不満を感じなかったのも、歳をとったからなのか、独身時代に散々満喫したからなのか、子どもがいるから仕方ないというあきらめなのか?

と、自然の中にいると自ずと思考的になり、思い出したのは、子どもができたら旅行できなくなる、と思っていたことでした。なんとわがまま‼︎と思われるかもしれませんが、仕事と旅行が人生の二大柱のような生活を送ってきた私には切実な現実でした。「あら、4、5年すればまた旅行できるわよ。」なんて言ってくれた人もいましたが、4、5年は私の中では途方もなく長い時間に思えて。

そんなことを思っていたからこそ、子連れでも旅ができたことそのものだけで嬉しいのかも知れません。今回の私たちの旅行は、観光という意味では満足感が低かったかもしれないけれど、それでも美しい川ののどかな景色、毎日食べた焼き立てバゲットやクロワッサンの美味しさ、たまに訪れたシャトーの素晴らしさ、一度だけ行ったワイナリーなど、フランスの一面を知れたおかげで、満足度が高いのかな。

そもそも、旅行イコール観光、と考えていた節があったけれど、旅行イコールその国や場所の新たな面を知ったり体験したりすること、と考えたら、今回の旅はかなり成功と言えそう。

正直に言えば、ドルドーニュ川で有名なのは、カヌー、カヤックと言ったアクティビティ。こんなに長く滞在しながら、子どもがいるためにできなかったけれど、縁があればまたいつか来られるかな。あっ、もちろん次回はもっと色んなワイナリーに行きたいし、レストランにもねウインク

ドルドーニュ川のほとりのおすすめキャンプ場

ひたすら鳥にバゲットをあげ、のんびりした場所

キャンプ場から自転車でシャトーのある旧市街まで行かれる場所

いつかまた行きたい、最高に美味しかったレストラン