週末、マヨルカ島の首都パルマにあるパルマ大聖堂の屋上に上らせていただく機会に恵まれました。普段は一般公開されていなく、特別な許可が必要なのだそうです。

大聖堂の正面にあるステンドグラスは間近で見ると大きさに圧倒されます。

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大聖堂屋上からの景色。

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スケッチのグループに参加させてもらったことでこの機会に恵まれたのですが、スケッチをしながらここまでの長い道のりを思い出していました。

そもそも日本にいるときから風景画を描いてみたくて、カルチャーセンターの水彩スケッチの講座をチェックしていたのでした。都内の水彩スケッチのクラスはどこも人気で、継続受講者が優先されるので、新規受講希望者の私はチャンスに恵まれないままシンガポールに引っ越し。

シンガポールの街を友だちと歩いていたら、ラッフルズホテルの庭をスケッチしている方がいました。話しかけてみると地元の大学で絵を教えていらっしゃるアメリカ人とのこと。余暇にスケッチを教えてもらえるか聞いてみたら承諾してくださり、何度か一緒にスケッチをしたのですが、暑さと蚊にやられて断念。アメリカ人の先生とは茶飲み友達になりました。

新聞の広告欄で見つけた、屋内のスタジオで絵を教えているシンガポール人の先生に習いに行くことにしました。写真を見て絵を描いていくのですが、水彩画なのに1枚の絵を仕上げるのに何時間もかかる精密なもので、求めていたスケッチとは違うものでした。シンガポールを去る直前に、茶飲み友達になっていたアメリカ人の先生から、みんなでスケッチをする会が世界中にあり、どうやらシンガポールにもあるらしいことを聞きましたが、参加する時間のないままフィンランドへ。

そしてフィンランドでようやく見つけた水彩画の先生。なぜかVenäläinen kulttuuri ryhmä(ロシア文化協会)というところに紛れ込んでしまい、水彩画の先生は、ロシア語を話すラトビア人。生徒は私を除いて全員ロシア人。フィンランドにいながらロシア語のみのクラスで、英語のできるロシア人が通訳してくれるものの、先生とは意思の疎通ができず、鉛筆で描いたスケッチを見せても「良くない」と勝手に消しゴムで消される始末でした。理由を聞いても説明はロシア語のみ、楽しくなくなって1ヶ月ほどでやめてしまったのでした。

そしてマヨルカ島へ。引っ越してすぐに、例のアメリカ人に教えてもらったスケッチのグループがあることを知りました。が、グループ自体あまり活動していない様子であること、みんなとスケッチをすることに怖気づいて、メンバーの1人に連絡を取り個人レッスンをお願いしたのが今年の初めでした。

先週、グループが久しぶりに活動すること(世界中にあるスケッチのグループなのですが、活動的なところでは年に何度もみんなで集まりスケッチをしています)、しかも会場はパルマ大聖堂の屋上であることを先生から教えてもらい、初めて参加したスケッチの会でした。

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引っ越しで国が変わるたび先生を求めながらもなかなかうまくいかなかった約9年。ずいぶん回り道をしたものです。そしてたくさんの出会いがあったものです。あきらめなくて良かった。

たくさんの出会いを通し、ようやくスケッチのグループにたどり着くことができ、普段なかなか入ることのできない大聖堂の屋上に入ることができたのは、ずっとあきらめずにいたご褒美だと思うことにしました。このスケッチのグループも、私の先生以外スペイン語しか通じないのですが、まずはスケッチを楽しむことにしたいと思います。

屋上でのスケッチの様子はこちらに書いています↓