料理が好きな私への誕生日プレゼントに、日本にいる友人がこんな本を送ってくれました。

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いつも私の心にぴったりくる本を選んで送ってくれる友だち、忙しいのに本屋さんで見繕って郵便局まで行って発送してくれて…本当にありがたいです。

料理が好きと言っても、どこの国にいても同じようなご飯ばかり作っていて、お魚がさばけるわけでもない私に対し、本の著者は様々な国のご飯を作ったり、出されたご飯を克明に覚えていたり、海外の市場で売られている名前もよくわからないお魚をさばくためにお魚の図鑑と包丁を日本で買って持ち帰ったり…大尊敬です。

食材や料理がさまざまな経験や人との出会いをつなげていて、こういうことってあるなぁと思わせてくれます。あとがきに『何を食べた、というところまではよく覚えているけれど、料理そのものの味よりは、そのとき共に食卓を囲んだ人々の表情、彼らの人生におけるその段階での通過地点、(中略)…というようなことのほうが、より鮮明な宴の記憶の断片として、十年後、二十年後の今、浮き彫りにされてくる。まさに、「ごはんの記憶=人の記憶」。』とあり、まさに自分の食体験もそうだなぁと思わせてくれました。アジア、中東、ヨーロッパと著者のいろいろな食体験が書かれていますが、ひとつだけ、中東の食材として書かれているハルミチーズは、キプロス島のものだと訂正したいなぁ。

シンガポール、フィンランド、ドイツ、そして今スペインにいて、ギリシャ人と結婚している私の胃袋もかなりちゃんぽんになっているはず。ただしその国に住んだからと言って、その国のご飯に馴染んでいるかというのは全く別の話なのだということに最近気づかされました。

先日マヨルカ島の男性と結婚して移住してきている日本人女性たちがうちに来てくれたのですが、フィンランドから帰ったばかりで冷蔵庫が空っぽだったので、適当にご飯を買って来てもらうことにしました。途中友人から電話が入り、「いま市場にいるんですけど、パンボリでいいですか?」と。「パンボリってなぁに?」と聞く私に、友人が少々戸惑っている様子が電話越しにわかりました。「えっと…パンとかチーズとかハムです。」「なんでも好きだから大丈夫だよ!ありがとう。」と電話を切り、後からみんなにパンボリはマヨルカ島の人たちの一般的な夕食であることを教えてもらいました。

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パンボリ(panboli)をGoogleしてみたら出て来た写真。

みんなが買って来てくれたパンボリの食材を並べて、何かうちにもないか冷蔵庫を見たらフムスがあり。スーパーの出来合いですが、わりとおいしく、うちでは常備しているのです。「フムスがあるよ!パンにつけて食べようか。」というと、今度はパンボリを教えてくれた3人が「フムスってなぁに?」と。フムスはひよこ豆のペーストにオリーブオイルやスパイスを入れたもので(「旅に出たナツメヤシ」にはホムスと書かれている)中東発祥ですがギリシャでも一般的に食べられていて、うちでもよく食卓に上がります。お気に入りのメーカーのもののパッケージには左下に小さくSimply Greekと書かれています。

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引っ越して9ヶ月近くになるけれど、ギリシャ人と日本人の我が家にはマヨルカ島の食の影響はきわめて小さいのだと思い知り、住んでいる場所よりも一緒に住んでいる人の食のバックグラウンドの方が大きいのだと感じたのでした。

もうひとつ教えてもらったマヨルカ島の人たちの典型的な朝ご飯。ビスケットを牛乳に浸してびちゃびちゃにしたもの。確かにスーパーには大量にビスケットが並んでいる!「大人なのに離乳食みたいにべちょべちょにしたのを、10枚とか食べるんだよね。」と3人は笑っている…。

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↑近所のスーパーに並んでいるビスケット。

対してうちの典型的な朝ご飯といえば、フィンランドのベリー(フィンランドから持ち帰ったり、フィンランドから来る友人たちに持って来てもらっている!)、ギリシャの蜂蜜、あればくるみをのせたギリシャヨーグルト。それにしぼりたてオレンジジュースがあれば最高!かなりギリシャ寄りです。

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ブログを書かれているみなさんはどんな朝ご飯を食べているのかなぁ。