マヨルカ島出身のご夫婦を招待し、夜ご飯が始まりました。メニューは切り干し大根、なます、胡麻和え、わかめサラダ、そしてメインの天ぷら。会話は依然として日本のことです。

ご主人のほうが「最近知ったんだけど、日本の学校では教室やトイレを自分たちで掃除するんだって?素晴らしいね。」と。ヨーロッパでは学校のお掃除は掃除の業者がやってくれるのです。
「自分たちで掃除するのは、とても良い習慣だと私も思うの。自分たちが使った場所は自分たちできれいにすることによって、大人になってからも公共の場所をきれいに使おうとすることが知らず知らずのうちに身についているんじゃないかな。だから日本の公共の場はきれいなんだと思う。」と私。ヨーロッパの地下鉄などはゴミが落ちていたり、駅もなんだかきたないところが多いのです。ヨーロッパの中ではかなりきれいなヘルシンキの地下鉄さえ、遊びに来てくれた母が「きたないわねぇ」といっていたほど。日本の地下鉄に慣れていると、噛んだガムがくっついていたりしてなんだかきたなく見えるらしい。これはもちろん、日本の地下鉄をお掃除してくださっている方々の努力でもあると思いますが。

天ぷらは思いの外好評で、いつもの私のオリジナルかき揚げ(長ネギ、スイートコーン、小エビ)は大人気でした。続けて玉ねぎと人参のかき揚げを揚げている私に、「もう食べ過ぎになっちゃうからいいよ!出してくれたら全部食べちゃうもの!」とご夫婦。「そういえば、子供の頃、『出されたものは全部食べなくちゃダメ、野菜やお米を作ってくれたお百姓さんに申し訳ないでしょ』って親に言われたなぁ。」と言うと、「さすが日本!思想が内に入っていくわよね。いいわよね、その深さ。」と奥様。え?そんな展開になるとは?と驚くと、「スペインでは『アフリカには食べられない子どもたちがたくさんいるんだから』と言うんだけど、『じゃあ、自分の嫌いな食べものを全部飛行機に乗せて持って行ってくれたらいいのに』と思ってた!」と。確かに恵まれた環境で育っている子どもたちには、食べられない子どもがいるとか、遠い国のことは想像しにくいかもしれません。そう言われると、なんだか日本が機知に満ちた国に感じられて、悪い気がしないのでした。

持って来てくれたマヨルカ島産ワインを楽しんで、夜更けに帰っていったお二人。「すごくおいしくて、楽しかったから、すっかり遅くなっちゃった!」と言ってくれました。お客さんが時間を忘れて遅くまでいてくれるのは、私にとって何よりの喜びです。特に今日は日本のことも礼賛してくれて、ヨーロッパに住んでいると時々感じるアウェイ感をすっかり忘れていました。

ところで、最近のマヨルカ島は本当に暑いです。連日37℃、意外にも湿度が高く、iPhoneの体感温度は41℃をしめしています‼︎ そんな中、人口86万人のこの島に、6月の1カ月だけで194万人を超える旅行者が訪れました。ヨーロッパの休暇シーズンである7月はさらに多かったはず。

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暑さと喧騒を離れるため、明日からフィンランドに避暑旅行です!