次の日はもともとNさん宅に泊まりに行く
予定になっていた。
彼との家はまだガスが開通していない為
今まで我慢して冷水シャワーをしていたが
2月はまたまだ寒い冬。
そろそろ温かいシャワーを浴びたかった。
しかもNさん宅には日本人らしく
バスタブまであり
久々の風呂を堪能した。

そしてその晩Nさんに
彼氏とのことを包み隠さず話した。

Nさんは
『そういうことを言う男の人の所は
1日でも早く出た方がいい!』
と言う。
確かにNさんは正しい。

だが自分の心は
まだ彼と一緒に過ごしたい気持ちが
あった。

きっとそれも見抜かれていたのだろう。

『彼に電話して荷物持ってきて
もらって、明日引っ越ししましょう』

と、Nさんは言う。

明日…⁈

有り難い話なのだが
まだ気持ちの整理は出来ていなかった。

今、家を出たら
彼との関係は終わってしまうような気
がしていたのだ。

だがそれで終わる恋なら
早く見切りをつけた方がいいのは確かである。

この滞在中、
私が悩んでグジグジしている時
Nさんの鶴の一声で
何かが動くシーンが幾度もあった。

こういう凜とした対応が
海外生活では必要なのだろう。

私のような優柔不断さでは
いつまでたっても
男性にとって
『都合のいい女』のままだ。

その時のことは
よく覚えていないが
きっと私が彼氏にうまくトルコ語で
説明出来ないからと
Nさんが私の彼氏に直接電話で
話してくれたのかもしれない。

次の日、
彼の家に置いていた
私の荷物を職場まで持ってきてもらい
そのまま引っ越しすることになったのだ。

奇しくも
その日は職場のスタッフを労う
パーティが開かれる日で
二次会にはターキッシュナイトにも行った。
{ABA453D3-59F2-4B2A-BE9B-465791C4222D}

彼が働いているターキッシュナイト
の会場とは違う場所だったが
彼を探してしまう自分がいた。

たった4日生活を共にしただけの彼。
それでも依存心が芽生えるには
十分な時間だった。

ターキッシュナイトが終わり
皆それぞれの方面への
セルビス(送迎)で帰って行った。

今日からは
私の行き先はウルギュップではなく
ネヴシェヒールという町へ。

セルビスのBGMも
哀愁漂うアラベスクではなく
トルコポップスがかかっており
なんだか明るかった。

セルビスを降りたら
近くにスーパーマーケットがあり
マンションが立ち並んでいた。

社宅はそれらのマンションの一室だった。

社宅には
私の他に2人の女性が既に住んでいた。
トルコ人、ペルー人、
そして日本人の私。

なんて国際色豊かな組み合わせ。
3人の共通言語がない為、
会話が成立しないという
面白い環境笑い泣き

キッチンやサロン(リビング)
シャワーとトイレは共有だが
それぞれ個室が提供されていた。

ある意味、
彼との同棲よりも
気を使わない気楽さがあった。

だが、私は短期滞在ゆえに
がなかった。

トルコのマンションは
建物の入り口にも扉があり
鍵がないと、
マンションにすら入れない。

しかし私だって外出はする。

その為に
ちょっと困る日もあった。

帰りが深夜になってしまう時には
同居人に迷惑をかけてしまうことになる。

その為
彼氏ではない友達と会った日に
まさかの朝帰りをしたことも…。

でもその友達の助言こそが
私を結婚へと導いてくれた助言
だったと今でも思っている。


その話はまた次回…ウインク


にほんブログ村 海外生活ブログ トルコ情報へ
にほんブログ村

にほんブログ村 子育てブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 小説ブログ ノンフィクション(小説)へ
にほんブログ村