今日は久しぶりの芸術鑑賞。
SAM@8Qにて、今 映像のみの展示がされているのです!
他の展示と一緒に数点映像芸術の展示をしたことは何度かあるけれど、映像のみは今回初とのこと。
こちらは12kgものボタンを使った、ストップモーションのミュージックビデオ。
古風な手法とハイテクの組み合わせです。
インドネシアのバンドン出身のアーティストだそうで、バンドン産のボタンを使って作られたそう。
こちらは、映画館のようなセッティングの中、
ぼんやりとしたスクリーンがいくつも。
今ではもう見られなくなった、古いシンガポールの街並みを映した映画を加工していて、
思い出そうとしても思い出せない
見ようとしてもよく見えない
そんな状態を表現してあります。
こちらは、ロシア製とアメリカ製の銃を、
同時に反対方向から撃ち、
その軌跡をジェルブロックに閉じ込めたもの。
後ろのスクリーンには、スローモーションで弾の軌跡が映し出されています。
人と人とのエネルギーがぶつかった時も、このような爆発力を持つことがあるなぁと感じました。
こちらは、映画のセットの中に入ったような気になる展示。
チャイナタウンという古いアメリカ映画をリメイクしていて、世界的に高い評価を受けているそうです。
アーティスト自らが1人何役もこなしていて、
映画の中の人物になりきり、登場しています。
映画中ほとんどチャイナタウンは出てこないのですが、チャイナタウンは当時、
危険な場所
何が起こってもおかしくない所
暗くて、危ない
というイメージだったのだそうです。
この展示は、1番癒されました 笑
一見静止画なんですが、よーくよーく見ると、
画中に一点だけ、動きのあるものがあり、
動画だと気づきます。
こちらは、たくさんのスクリーンがあり
鑑賞者がどのスクリーンから観るかを選べるので、
今のシネマのように 1つのスクリーンを全員でただ見るという受動的な見方ではなく、
近未来の映画観賞を示唆しているのだそうです。
こちらは、1番ズンと胸を打たれた作品です。
ただひたすら、250通の手紙をコピーしている映像なのですが.......
アーティストはカンボジア出身。
カンボジア国内が安定せず危険だったので、
アーティストの父親は 当時2歳半だった娘さんを
アメリカにいる知り合いに託し
それから5年間の間、毎週1通の頻度で
250通もの手紙を送り続けたのです。
今、娘のオリーブがまさに2歳半。
可愛くて可愛くて、愛しくて、
そんな大切な宝物。
この娘だけは生き延びて欲しいと、きっと
断腸の想いで預けたことでしょう。
大変に学のある方だったそうで、
手紙は全て英文で書かれています。
カンボジアでいかに自分が強く生きているか、
そして離れてしまったけど娘をどれだけ気にかけていて愛しているかが綴られています。
成長してからこの手紙の存在を知ったアーティストは、
父親が遺してくれたこの手紙1通1通に向き合う作業として、コピーをひたすら撮るという作品を作ったのではないでしょうか。
政治、戦争、人の運命、親子の絆、色々なことを考えさせられる作品でした。
最後の作品のこちらは、27分間の映像です。
クッションが置かれているので座って観賞できます。
タイの結婚式、そして携帯やコンピュータなどが無くなってしまって、巨大ネズミがはびこる近未来が交錯し、ハイテクとローテク、未来と過去、進化と退廃など、相反するものを表現しているそうです。
他にもいくつも展示があり、ひとつひとつの説明を読んでから観賞すると、
全く違う意味をもって観ることができます。
クイーンストリートの美しい美術館内にありますので、皆さんも是非行ってみてくださいね。
【開催場所】
SAM@8Q
8 Queen Street
●展示期間:3月25日(日)まで
●10:00~19:00(金曜日のみ21:00まで延長)
●www.singaporeartmuseum
Love,
Marianne