10月1日 日曜日 夜 ラスベガス ネバダ
Stephen Paddock(スティーブン・パドック、白人)64歳が
ホテルの32階から道路向かいのコンサート会場をマシンガンで銃撃
現時点で59人の死亡、500人以上の負傷者が確認されています
米国の銃問題は今に始まった事ではありませんが
毎回、胸を痛め、やり場の無い怒りだけが積もって行きます
なぜ、銃は違法にならないのか?!
なぜ、人々は目を覚ましてくれないのか?!
今回(2016年)の大統領選でも焦点になった「銃問題」
繰り返し繰り返し起こって止まない銃撃事件
それでも、改正されない銃法
今日は、米国での銃問題について書きたいと思います
(専門家でもなんでもないので、あまり詳しくない一般人の知識レベルで
お話ししたいと思います。その点をご了承下さい。)
まず、必ず焦点になるのが、Amendment II (The Second Amendment)
アメリカ合衆国憲法 (the United States Constitution, 1789)米国憲法修正第2条
そこにこう定められています
A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.
「自由州(国)の治安維持の為に必要な規制された軍隊、
国民の武器を所持する権利は侵害されるべきではない」
つまり、合衆国憲法では、明確に武器所持を合法としています
これを、改正すべき、スべきではないと、争っているのです
クリントン氏はじめ民主党はもちろん「改正派」
トランプ氏、共和党派「賛成派」
しかしこの法律、1791年に制定されています
この頃は、いわゆる発砲銃の時代ですから
マシンガン、散弾銃なんてものが使われる現代とは事が違います
1994年に改訂されているものの、そろそろ見直すべきであるはずなのです
銃法が改正されない理由は2つ
1、NRA(National Rifle Association)始めとする銃賛成者が多い
2、銃を始めとする兵器製造産業の規模が大きい
まず1、1871年に設立されたこの団体(NRA)は
良き古きアメリカの価値観を持ち合わせている事も有り
根強いファン、一般市民からの支持を得ています
500万人ものメンバーを誇り、多大な権力を有し
名実共にアメリカを牛耳っているわけです
アメリカのみならずヨーロッパもですが、スポーツとしてのハンティングは
一部層でまだまだ人気があり、この団体は、当時主にそうした人々から成り立っていました
余談ですが、アメリカ国内でのハンティングには飽き足らず、
わざわざアフリカ、サバンナにハンティングしに行くと言うから開いた口が塞がらない
何千ドルもするそのサファリハンティングツアーには、かのトランプ大統領の2人の
(バカ)息子も参加し、ライオンやシマウマを射止めて満足そうにしている写真が
インターネットで流出。さらに驚いてしまうのは、受け入れる方のアフリカの国々。
そういったサファリツアーは立派な観光資源だとか。。。
それを一転させたのが、この人。
1970年代、NRAは政治家と深い関わりを持つようになり
『自己防衛』を売り言葉に、国民を脅かし、洗脳し、今までの
狩猟銃から最新の武器を普及させる事に成功したのでした
銃を簡単に手に入れられるシステムが世の中に受け入れられ
銃、銃業界が一般的に肯定されているのに、この団体の影響は計り知れません
米国の癌的存在、NRAの影響は経済界、政治界にとどまらず、
一般市民にまで浸透しているのです
アメリカ全土50州で合法である銃を持つ理由は様々です
「非合法的活動のため(犯罪等)、護身、趣味、狩猟、危険な動物から身を守る」
レーガン大統領の有名な発言「家にいる時になぜ銃が必要になるか分からない」
に象徴される銃に対する考えが世界標準的だった社会も、
今や近所の住人から、町でサンダルで歩いている人から、
自分を「護身」する為に、銃を持ち歩く事、が幅広く受け入れられる社会になりました
(ちなみに、ラスベガスの乱射時に誰も護身の銃で打ち返す人はいませんでした
これからも分かるように、「護身」ではなく「脅迫」の為だと、明らかでしょう)
そして、身近な銃賛成者に多いのは、対動物目的です
彼らのいい分はこう:
「危険な動物(くま、コヨーテ、サソリ等々)がいるからしょうがない」
「しょうが」あります、サソリのいない所に引越して下さい
銃ではなく、他の物で対処するようにして下さい
その「しょうがない」の為に、銃法がなかなか改正されず
何億人もの人間が恐怖の中に生きる事を強いられているという事実よりも
自分が自分や家族をサソリから守らなくては行けない、事の方が優先であり
その為に銃は不可欠なんだと、そう頑に主張するその人たちとは
一生分かり合えないと、思うわけです
そして2、米国の兵器産業。(☆)←リンク
日本円にすると何兆円もの利益を上げている武器製造会社
リンクを参照して頂けると分かると思いますが、
世界の武器製造会社トップ100のうち、44社は米国の会社というから
この国で、武器によりどれだけのお金が動いているかお分かり頂けると思います
ここまで産業が大きいという事は、これらの会社のトップは経済界の大物として
経済的にも政治的にも、地位や権力を握る、という事になります
そして、もちろんのことながら、彼らはNRAのメンバーです
どうして、NRAにそんな権力が有るか、ここからも伺えます
そして、そこが、いつも問題なのです
つまり、何かしようと、政治家が動いても、民衆がどれだけ騒いでも
最終的には経済界と繋がっている政治家、政党からなる議会に
「改正案」は、握りつぶされてしまうのです
2012年コネティカット州で起きたサンディーフック銃撃事件
20歳の犯人が標的としたのは小学校
26人の死亡者の実に20人が6、7歳の小学生でした
この時、オバマ大統領は涙の会見をし、
国中が「銃規制法」の制定を目指し、一丸となって国が盛り上がりました
あと一歩という所で、最終決定の議会において賛成はまさかの過半数及ばず
「新銃規制法」が成立する事は有りませんでした
今回のラスベガス乱射事件を機会に、NRAに立ち向かい、
銃法を改正する!と鼻息の荒いクリントン氏
しかし、国民の反応は半分は冷ややかであきらめ気味
「(最も守るべき社会的弱者の)小学生が射殺され、犠牲者になったというのに
その時も何も変わらなかったのだから、今回も何も変わらないだろう」
見えない敵と戦う様なもの、嵐と戦う様なもの、子供が大人と戦う様なもの
勝算はかなり低い事は始めから分かっているのです
そうかもしれないけど、まだ信じたい、
どうにか、変わって欲しい、信じ続けて
私はヒラリーと一緒に戦いたいと思います
https://petitions.moveon.org/sign/gun-control-now-1
アメリカ在住の方は、是非Petitionにサインアップして下さい