ペコさんの
犬に対する接し方
とても素晴らしかったと思います。
犬の今と、未来を考えて
試行錯誤することこそが
本当の愛情であると
お二人は短い期間ではありましたが
体現して見せて下さいました。
犬を迎えて初めの時期は
その後の犬との関係性を決める上で
とても大切な時期になります。
人によっては
犬を迎えられた喜びで
初日から
「ハネムーン期」に突入してしまい
適切な距離感や
互いのために必要なルールを
構築できずに
甘やかし続けた結果
問題行動の萌芽につながる
生活習慣を蓄えてしまう場合も
少なくありません。
番組的には何週にも分けての
放送であったものの
実質過ごしたのは
一週間だったそうです。
一週間の短期間での
設定であったならなおのこと
普通なら
好きなことばかりをさせ
甘やかし放題にして
しまいがちなところを
このお二人は
サリーの行く末を案じ
自分の感情をさておき
サリーに人との暮らしのルールを
一生懸命工夫を重ねながら
教えて下さいました。
番組の紹介では
サリーは人馴れしていないと
言われていましたが
画面を通して見た限り
単に慎重な性格なだけで
元々はとても安定した犬だと
拝察いたしておりました。
一般的に人馴れしていないと聞けば
虐待されていたのかも知れない
保護された犬と聞けば
かわいそうな子だという印象に
支配されがちなのが
一般的な人の感情でありますが
お二人はそうした過去に
縛られることなく
サリーの明るい未来を信じて
サリーの可能性を信じて
向き合ったことで
サリーの信頼を
得たのだと感じています。
ボランティアの中でも
「一時預かり」というのは
とても大変な仕事です。
いずれ里親へと引き渡すことを
前提としながら
犬と真摯に向き合い
犬の個性を尊重しながらも
人と暮らす上で
守るべきルールを教え
その犬からの信頼を得ることで
犬の心身の
健全な成長を促すのですから
我が子以上の愛情を
差し向ける気持ちがなければ
その本来の目的を
達成させることは出来ません。
犬が好きであることと
犬を育てられることとは違います。
相手に
何かを学ばせるには
自らも
学ぶ姿勢にならなければ
始まりません。
関わる犬達が日々伝え
教えてくれることこそが
何よりの教科書だと捉えて
犬と真摯に向き合うことこそが
まさに「学び合い」そのものなのです。
今回、忙しい時間を
やりくりしながら
短い時間とはいえ
しっかりと
「一時預かり」としての役目を
お二人揃って
成し遂げていただき
心から嬉しく
とても心強く
安心して拝見させて
いただくことが出来ました。
自分の感情に揺さぶられながらも
サリーのために頑張ったことは
きっとお二人自身にとっても
深い学びを得た
かけがえのない機会に
なったことと思います。
この番組に関しては
賛否両論あります。
しかしながら
製作する側の方達も
保護動物に関して
社会全体の関心が
集まりつつあることを
察しているのだと感じます。
出自や犬種は
人工的な価値観であり
犬という動物の
ありのままの素晴らしさを
保護犬を通して
感じていただくことが
犬に対する社会の認識を覆す
大きな原動力になると信じます。
新たに
新企画「捨て犬ゼロ部」
という企画も始まるそうです。
殺処分ゼロを実現するために
まず、目指すべきは
「飼育放棄ゼロ」!
是非期待して見ていきたいと思います。