東大大学院獣医動物行動学研究室の武内ゆかり准教授はこう話す。

「英米仏などでは一般的だった犬や猫の精神疾患治療が日本で始まったのは、この20年くらいのことです。近年になって来院数が増加しているのは、屋内で飼われるケースが増えて人との距離が近くなり、常同障害や分離不安などの精神疾患にかかりやすい環境になっていることや、インターネットの普及などによって飼い主が問題を認知しやすくなったことが要因だと考えています」

 人間の精神科医、和田秀樹氏はこう指摘する。

「犬は大脳皮質のコントロールが人間より弱いぶんだけ、神経の伝達物質に気分が左右されやすいかもしれません。だから犬のほうが精神的な病になりやすく、また一方で薬も効きやすい。つまり、犬は人間よりも鬱病にかかりやすい可能性があります。飼い主が死んで鬱病のような症状になるのも、犬のほうが人間よりもセンシティブな証拠と言えそうです」

※AERA 2012年12月3日号引用

犬を犬として扱い
犬としての性質を尊重すること。
犬を人間扱いして
犬を人間の感情で理解しようとすることで
犬は不安や不満を抱え込むことになるのです。
飼い主の「可哀そう」という感情で
犬の精神が壊れていきます。