夢の実現

ベンジャミン・フランクリンがフィラデルフィアにあるバーで、友人と雑談している時のことだ。
独立宣言について話し合っているのを聞いた１人の酔っ払いが声をかけてきた。

酔っ払いは「おい、あんなもん、何の足しにもなりゃしねえぞ。
幸福を保障するとか書いといて、その幸福ってのは一体どこにあんだ？」と、
フランクリンに向かって怒鳴る。

頭の回転が速い政治家は
「友よ、独立宣言は幸福を追求する権利を保障しているだけなのだ。幸福というのは自分の力で手に入れなければならないのだよ」と答えた。

問題はここにあると、私は思う。

自分の幸福（言うなれば成功）は“自分で手に入れる”という責任を、現代人の多くが見失っている。
この不幸な人々は“欲しいものを欲しい時に手に入れたい”という、
電子レンジ的な手っ取り早さに依存している。

欲しいものや期待したもの（多くの場合は誰か――例えば配偶者、両親、教師、上司、時には政府――が与えてくれることを期待している）が手に入らないと、周りの人間のせいにする。

そしてすぐに、その人たちも成功するわけがないと言い出すのだ。

しかし、唯一の救いは、自分の信念を曲げずに、
情熱を持てることを頑張っている人も多く存在するということだ。

土地を借りて種をまき、水をやって手入れをしている。

夢を実現するために必要な犠牲とは何かということを、知っている人たちだ。