仕事中、車で走行中のこと。
右折しようとしたら、歩道に人が倒れていて、その傍らにおばちゃんが2人立っている。
交通事故ではなさそうだけれど、車を停めて、少しでも助けになればと様子を伺いに近づいた。
おじさんがうつ伏せに倒れている。
1人のおばちゃんは119番通報しながら、現在地を説明している模様。
もう1人のおばちゃんは狼狽えていてオロオロとしていた。
そのおばちゃんに「このおじさんはどうして倒れているの?」と聞いてみると、そのおじさんは歩道を歩行中にいきなりぶっ倒れたらしい。
そしておばちゃんは「大丈夫?」と声掛けに近づいたら、倒れたおじさんは大きないびきをかいて意識不明ということである。
それから7〜8分経過したところに私が行った模様。
おじさんの背中に手を当てて、大声で声を掛けてみる。
「聞こえますか〜」
意識はないが若干反応がある。
すると、ベロが出てきて泡を吹き始めたので、仰向けに起こして心臓マッサージを開始。
この時点で鼓動が確認できなくなる。
「聞こえますか」と声掛けながら必死に胸を押していると、通行人の女性が声を掛けてきた。
顔を上げると100mくらい離れたところにクリニックの看板が見えたので、その女性に「あそこのクリニックに行ってAEDを借りてきてください」とお願いをする。
心臓マッサージを開始して7分経過。
クリニックからDrとナースがAEDを持ってやって来る。
ここで、Drに心臓マッサージを代わってもらう。
途中、呼吸と脈と確認したが、鼓動も呼吸も復活しない。
私がそこに遭遇して10分経過。
Drが心臓マッサージを開始。
ナースがAEDをセットして、おじさんの服を、ナースと一緒にまくりあげる。
電気ショックを与えること1度目。
反応なし。
Drがバイタル(脈)を確認。
反応なし。
2度目の電気のショックを開始。
反応なし。
ここでDrに代わって5分経過。
やっと救急車のサイレンが聞こえてくる。
私が遭遇してから15分経過。
隣に立っている野次馬おじさんに、この場所が見えるように救急車に合図を送ってほしいとお願いする。
救急隊到着。
救急隊員により、引き続き心臓マッサージをしながらおじさんをストレッチャーに移動。
完全に心停止の模様。
救急車で処置をしながら、別の隊員におばちゃんから倒れた経緯を説明。
その後を私が引き継いで、心臓マッサージを開始した時刻とDrに引き継いだ時刻を説明。
力及ばず。
無念である。