「地球を良くしたい」と書いたとき、それを「環境のこと?」と軽く受け取られたことがあった。悪意はないとわかっていたが、その反応には何か大きなズレを感じた。

私にとって「地球を良くする」とは、単なる環境問題の解決ではなく、人間の意識そのものの変化を意味している。地球全体の“底上げ”とは、一人ひとりが自分の内面を見つめ直すことから始まると考えている。

人間は誰しも、自分自身を見るための「フィルター」を持っている。そのフィルターがある限り、私たちは本当の自分の姿をまっすぐに見ることができない。中でも最も見つけにくいのが、自分の中に潜む優生思想だ。

優生思想とは、「自分は他人より上である」「他人は自分に従うべき存在である」とする考え。これは特別な誰かだけが持つものではなく、私たち全員が無意識に持っている可能性のあるものだ。

たとえば、職場では自分が上司に従う立場でも、家庭に戻るとパートナーをコントロールしようとする。そしてそのパートナーは子どもに同じことをし、子どもは学校で弱い立場の友達をいじめる。これは支配と被支配の連鎖であり、日常の中に静かに浸透している。

多くの人が「自分はいい人間でありたい」「自分は被害者でありたい」という意識を持っているが、それがかえって自分の加害性を見えにくくしている。だが本当に大切なのは、「他人の中に悪を見ること」ではなく、自分の中にそれを発見することだ。

心理学者カール・ユングは言った。

「無意識を意識化しない限り、それはあなたの人生を支配し、あなたはそれを運命と呼ぶ。」

本当に地球を良くするには、私たち一人ひとりがこの言葉に耳を傾け、自分の内面と向き合う必要がある。
それは簡単なことではないが、ここにこそ、本当の変化の始まりがある。