a poem 人間の夜明け
明るい陽の下にも、宵の静寂にも、
彼は思い、考える。
花は、ひたむきに咲く、
大地は、絶えず生命を育む、
あらゆるものが、
花は、花として、
木は、木として、
水は、水、
それはそれとして、生きて巡る。
彼もまた、生き、そして巡る。
それは何を意味するのか、
誰かに意味があるのか、
何故、それを考えるのか、彼は思い、考える。
そこへ何者かがやってきた。
「おれは、おまえをさがしていたのだ。さあ、手をとれ。」
彼は返事をしなかった。
すると、何者かは大声で笑った。
「おまえは滑稽だ。皆、笑うだろう。変わり者と呼ばれ、指をさされるのだ。何故、そのような境遇に身をおくのか。」
彼は答えた。
「お前から、独立するためだ。」
何者かは低く笑った。
「では、わが名を知るというのか。」
「知った。」
彼は頷いた。
「惰眠だ。」
そうして彼は立ち上がり、その場を離れた。
笑い声はもう聞こえなかった。