瀬尾まいこさんの 3作目の作品かと思います。
 瀬尾まいこさん大好きですけど、中でも「あと少し、もう少し」は本当に傑作だと思っています。「あと少し、もう少し」はブロガーのじゅんきちさんから教えていただいて、私も見事にはまりました。駅伝がテーマの本ですが、今も時々あの本に出てくるメンバーに会いたくなって、本を手に取ったりしています。

 この「夜明けのすべて」は、パニック障害の男子と PMS (月経前症候群) の女子が出てくる物語です。
 どちらの疾患も命に関わるものではないけれども、日常生活を営む上で様々な困難があります。
 この本に出てくる男子は、ひとところにじっと動けない状態でいることが出来なくて、そのために散髪や歯医者や公共の交通機関に乗るといった、多くの人々にとってはごく普通に行われるような 日常生活が困難です。
 一方 PMS の女子は、生理前になると感情のコントロールが効かず、イライラして突然人が変わったように周りの人に 食ってかかって絡んでしまい、そのため 良好な人間関係を継続することの難しさを抱えています。

 物事というのは、『たくさんの情報に振り回されずに自分の目で見て考えて判断をするべきもの』と、『安易に自分の基準で判断することはとても危険なもの』があるなぁと。 
 小さい子どもを育てていると、どうしてもメディアや育児書や発達の基準などに振り回されがちで、ちょっとでも外れたところがあると不安になったりイライラしたりしがちです。特に本人が自分で自分のことをうまく説明できないと、巷に溢れている情報に頼りたくなります。でも何事も極端にならずに、ちゃんと目の前の我が子を見て、自分の目で判断することはとても大切なことだと、娘を育てていてしみじみと感じました。

 一方他人の苦しみや痛みや辛さを、本当に知ることなんて不可能で。だから他人のそういった感情は、決して自分の基準で安易に判断することはとても危険だなぁと。

 それと同時に、例えば自分の苦しみや 辛さを理解してくれなくて、心ない言葉をかけられてしまった時。もちろんショックだし落ち込みます。時には怒りを覚えることもあります。でも簡単にその人を切り捨てるのではなくて、『私の感情を他人が理解することが、そもそも限界があるんだよな』と考えて、あまり深刻に捉えないように した方が良いなぁと。 振り回されると疲れますからね(^^;。
 自分のことを誰かに理解してほしいと思う気持ちは誰しもあるものだと思いますが、過度に期待し過ぎず、土台のところで100%は理解してもらえないから、と (悪い意味ではなくてですね) 思っていた方が、楽に生きられる気がします。 
 
 本の感想になってる🤔!?
 ま、読んで思ったことだからこれでいいか口笛
 二つの疾患についての理解が深まるだけでも、読む価値はあるかなと思います照れ