最近私がとっても注目し、はまって読んでいる本の紹介です。『エピジェネティクス』という学問についての本です。
エピジェネティクスとは、
DNA の塩基配列の変化を伴わずに、染色体における変化によって生じる、安定的に受け継がれうる表現型
と定義されているのですが、こんなことを突然言われても何が何やら訳が分からないですよね。
なので、言い方を変えて。。
我々の体の発生や成り立ちと言った根源的な現象に深く関与していると共に、病気の発症にも重要な役割を持っており、創薬のターゲットとしても脚光を浴びている研究分野
と説明できるかと思います。
私たちの身体は、およそ60兆個の細胞でできています。
ですがまずは一つの受精卵から、人間の身体は出来上がっていくわけで、それぞれの器官に応じて細胞が分化していきます。
その時に、例えば目を作る場所においては目を作る遺伝子の発現が活性化されて、他の手や足を作る遺伝子の発現が抑制されます。足を作る場所においては、その逆のことが起こります。
この遺伝子の発現をコントロールすること、これがエピジェネティクスの働きなのです。
なので、私たちの身体が作られていくときにエピジェネティクスによるコントロールは不可欠です。なくてはならないものです。ですがこのエピジェネティクスの動きにより、ある特定の病気にかかる人とかからない人がいるということもまたわかってきたのです。
発言をコントロールするものとして、ヒストン修飾 (アセチル化、メチル化等) と、 DNA のメチル化ということがあります。
ヒストンのアセチル化は発現を活性化するのに対して DNA のメチル化は発現を抑制します。この DNA のメチル化が、色々な病気を引き起こすもとになっているようなのです。
がんにかかる人とかからない人がいます。がんの発生原因としては、遺伝子の突然変異ということが一つありますが、もう一つに、この DNA のメチル化があることが分かってきました。
この後者の方について説明します。
我々人間の体の中には、元々がんと戦ってがんを発症させない、抑え込む遺伝子があります。しかし、がんにかかってしまう方は、このがんと戦う遺伝子が、 DNA のメチル化によって抑制されてしまっているのだということです。
そこで、このメチル化してしまった DNA を元に戻すことにより、がんと闘う遺伝子を正常な状態に戻して、がんを治療してこうという研究がなされているのです。
DNA のメチル化が起こるには、メチル化酵素という酵素が働いているわけですが、もうすでに、一部の種類の白血病や神経芽細胞腫などには、このメチル化酵素を阻害する薬が開発され、使用されていたりするようです。
このエピジェネティクスという研究分野は、 IPS 細胞とも深い関わりがあり、2012年に IPS 細胞でノーベル賞を受賞された山中伸弥教授も、今や IPS 細胞から、ほぼエピジェネティクスの方に、ご自身の研究を移行されているとも聞きます。
病気のことだけではなく、エピジェネティクスによって、音痴の人と音楽的に天才だと言われる人がいることや、運動音痴の人とオリンピックでいくつもメダルをとるような人がいること、さらには白色人種、黄色人種、黒色人種といった肌の色の違いもも説明できるようです。
このことは、将来は DNA ドーピングなどということが、行われるようになる可能性さえ、秘めているのではないかと思います。
病気に関しても、がんだけではなく統合失調症や PTSD などの精神科疾患にも、このエピジェネティクスが関与しているのではないかと言われています。
また、この本には何も書いてなかったのでこれは私の想像ですが、糖尿病や肥満などの病気にも、このエピジェネティクスが関わっているのではないかと思います。
まだまだ分からない事がたくさんのエピジェネティクスですが、ものすごくたくさんの研究者が注目をしており、研究もどんどん進んでいます。一気にいろんなことが解明される可能性さえ、秘めていると言えると思います。
どうぞ、色々な病気を抱えていらっしゃる方にとって、このエピジェネティックスが希望の光となることを願ってやみません。
私も、ちょっとこのエピジェネティクス、本を読んだり、講演を聴いたりして、勉強して行こうと思っています。
私一人がこそこそ勉強したところで何も変わりっこないし、本を読むだけではなかなか難しいのですが、、
でも、めげすに頑張りますよ
ということで2冊目も、あります。
ちょっと分厚い、、
今日ここでご紹介した本よりもずっと専門的っぽい。。ヽ(；▽；)ノ
が、頑張ります
今日は娘の小学校最後の運動会です。幸いお天気も良さそうですが、暑そうなのがちょっと心配です。
。 お弁当は、何とか間に合いそうです
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